わるいゆめからめをさますと、といたをほとほととたたくおとにきづきます。
といたをたたくのは「あぶらうり」です。
だまっていると、といたをはずして、あぶらうりがあがりこんできます。
あぶらうりはあぶらだらけのてをさしのべていいました。
「きょうはあぶらをつかうひだろう」
むごんでうなずくと、いっとかんのあぶらをおいて、さってゆきました。
とおくなるせなかはどすぐろい「はいゆ」にまみれています。
いれかわりで、「すみうり」がやってきました。
すみうりはまっくろなてをさしのべていいました。
「きょうはすみをつかうひだろう」
くびをたてにふると、すみうりはたわらいっぱいの「もくたん」をおいてさってゆきました。
すすけたせなかに「あいしゅう」がただよいます。
むらびとたちがしょくざいをもってあつまりました。
うみのむらからは、「たちうお」、「かます」、「あじ」、「えぼだい」のひものがとどきます。
「あたみ」のむらびとと「えのしま」のむらびとがいいあらそいをしています。
ぼくがあいだにはいり、「かます」のできぐあいでゆうれつをきめることになりました。
「かます」がすみびでやかれてゆきます。
ぼくのひとことで、しょうはいがきまります。
きんちょうのいっしゅんです。
「・・・あたみ」
おしくもやぶれさった「えのしま」のむらびとは、おきてにしたがい、いさぎよくそのばではてました。
きをとりなおして、ゆでた「とうもろこし」、ゆでた「えだまめ」をいただきます。
あさとれたやさいを、そのひのうちにたべるぜいたくです。
「まだい」、「ほたて」と「あさり」のこぶやきがはこばれてきます。
「しゃんぱん」と「しろみざかな」はよくあいます。
すこしあたまがいたくなったので、よこになります。
そのあいだにも「にわとり」、「ぶた」、「うし」のしにくがやかれてゆきます。
やがてむらびとたちが「かみ」にめされるじこくとなりました。
しょくもつれんさのちょうてんいくんりんするぼくが、むらびとたちを「かみ」の「くもつ」にするのです。
むらびとたちは「こうこつ」としたかおで、「かみ」のもとへいそぎます。
さようなら、むらびと。
おいしいくもつをごちそうさまでした。
きみたちのむすこむすめたちに、つぎなるくもつをはこばせることをやくそくするよ。
きっとだよ。
(おわり)
(斎藤左近大夫利政=道三)
投稿者 yoshimori : August 16, 2009 11:59 PM