October 24, 2009

『いぬとあめと』

そらはくもっています。
あめがふりそうです。
みどりいろをもとめてあるきます。
かたいはいいろにきいろいおちばがかさなります。

いぬがはしります。
いぬいがいのどうぶつもはしります。
いぬとともにひともはしります。
いぬはひとをはしらせません。
いぬがひとをひきずってはしります。

うちもも、あしくび、くるぶし、じょうわんにとうきん、だいたいこつ、あぶらぎれです。
きちがいみずはひとをえらびません。
ひとがきちがいみずをえらぶのです。

そばこ、たまご、だいず、きのこ、りんご、ぶどう、しおとさとうとくろこしょうとびねがーびねがーしています。
きちがいみずがとおりすぎてゆきます。
とおりすぎるのはきちがいみずだけです。

おんがくはひとをしあわせにします。
しあわせはひとをおんがくにしません。

おわらないうたがきこえてきます。
きこえないうたはおわりません。

ながいいちにちのおわりにあめがおちてきます。
ふるあめはこまかくもようをつくります。
すきとおったかさをひらき、あるいてかえります。

きをつけてかえります。
すこしずつあるきます。
あるくのはすこしだけです。

(おわり)

投稿者 yoshimori : October 24, 2009 11:59 PM
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