「xxさん、インフルエンザだってさ」
まじすか。
「君がいちばん疑わしいね、歓迎会で濃厚接触だったし」
いやいやいや、席が隣ってだけじゃァないすか。
「咳してたよね」
・・・してましたね、ノーマスクで。
「君もマスクしてなかったね」
マスクしながら呑み喰いできますか!
「まァそれは置いといて、具合とかどう?」
云われてみれば、少し寒気が。
「えー!? まじでー!? ちょちょちょっと、今さ歓迎会の参加者全員で体温計を廻しっこしてるんだけど、ゆゆゆ優先的に借りてくるからっ!」
あー! おおごとにしないでぇ!
何名か引き連れて戻ってきやがる。
遠巻きにしながら、体温計を投げ渡される。
「で? どう? もう駄目?」
まだ、ピーともいいませんよ。・・・あ、鳴ってる。
「何度? 38度? 40度?」
いや、えーと、36度と少しですね。
「人騒がせなー」
あんたがいちばん騒いでたろ!
「まァ今日はもういいから、病院行ってきてね」
はァ。
「まだ生きてたいよね? ていうか、早く帰れッ」
えー? ・・・優しいんだか何だか分かりません。では、お先です。
帰りに寄ったクリニックでは鼻麺棒され、結果は陰性。
インフルエンザの疑いは晴れたものの、何かしらの病の症状はあるようで、幾つかを処方してもらう。
地味に弱ってゆく暮れの或る一日で御座います。
(了)
投稿者 yoshimori : December 4, 2009 11:59 PM