えー、キチゲェ水とアテの話でご機嫌を伺います。
ピノ・ノワールなんてぇ葡萄の品種が御座ィまして、此れはその頃ヴィニフェラなんてぇ呼ばれております欧羅巴原産の流れなんてぇ云いますな。
仏国ブルゴーニュを原産地としまして、殆ンど黒に近ェ青ィ紫な薄ッ皮を持っております。
此れが赤ァい葡萄酒に醸造されますってぇと、まァ大層な風格で御座ィまして、赤葡萄酒界にこのしとあり、と代表格なんてんで、頭領みてぇな扱いなんで御座ンす。
葡萄酒と醍醐(ちーず)の組み合わせを合う合わねェで言い立てますってぇと、果てしが無ェってんで、止しときますが、赤ェのに白黴醍醐はどうなんでぇ、合うのけぇ有りなのけぇと賛否両論多事争論なんてんで、まァお茶ァ濁す程度に論っておきまさァね。
チャーム・ド・フランス・ブリーなんてぇ白ェのが御座ィまして、何が白ィってカビ野郎が白ィんでさァ。
で、説明書きにこうありましてなァ。
「ブリーはチーズの王様と称されています。
表面は綿毛のような白カビにおおわれ、中はクリーミーで生クリームの香りと押さえた食塩が上品な味わい。
赤ワインとの相性は最高です」
嗚呼、赤は間違ってなかった、と。
更にこう続きますな。
「カビを表面に繁殖させて熟成させるため、表面は白いカビでおおわれています。
熟成が進むにつれて表皮がところどころ茶色に変色し中心までやわらかくなっていきます。
この場合は表皮は切り取って食べた方がいいでしょう」
あれ? 茶カビは食べちゃァいけねぇのかィ?
いでででで。
(了)
投稿者 yoshimori : December 6, 2009 11:59 PM