「キャベツ100円です」
ひとつおくれ。
「どうぞ」
あれ? 80円ってあるよ。
「ざっくり100円です」
まァ安いからいいか。
「ありがとうございます」
また来るよ。
・・・
というやり取りが一切無い買い物をして、帰宅。
買い物袋の中には、キャベツと豆もやししかない。
調理器具はやかんだけ。
やかんに水を入れて火にかける。
湯が沸く。
少し冷ます。
白湯で薬を飲む。
キャベツを赤い布で包み、部屋の隅に置いてみる。
少し高級感が出てきたぞ。
豆もやしを凧糸で縛り、そっと戸棚にしまう。
戸棚の向こうから呪いの唄が聞こえてくる。
助けて、キャベツ!
赤い布を解き、豆もやしと立場を入れ替える。
という動作を三時間繰り返したところで、時間切れ~。
(了)
投稿者 yoshimori : December 7, 2009 11:59 PM