「お座敷遊びがあってね」
はあ。
「部屋の真ん中に屏風を立ててね、奥と手前でそれぞれがそれぞれの格好をするの」
何の話ですか。
「まあ聞いてよ。で、それぞれってのは、『虎』、『老婆』、『侍』の三すくみなわけ」
えーと、じゃんけんですかね?
「そうそう。想像はつくでしょ?」
虎は老婆に勝つけど、武将に負けるみたいな?
「そう、この侍が加藤清正だから、母親、つまり老婆に負けるの」
なるほど。で、それは手で表現できるんですか?
「できるわけないじゃなーい」
じゃあどうするんですか?
「他はつまんないからどうでもいいけど、『虎』は四つん這いよ」
あー、お座敷っぽいっすね。
芸妓衆のそれは絵になるが、旦那衆のそれは遺憾ですな。
(了)
投稿者 yoshimori : January 13, 2010 11:59 PM