February 12, 2010

『二月中席~鴨駕籠』

序、

するてぇと旦那ァ、すがる手ぇさえも振り解き、如何にあっしがそばに居ようと、こうなったからにゃァ是もも無ェってんですかィ、旦那ァ、そりゃァあまりにも情けねェ、が許してもあっしが、あ、許さねぇ~。

「お前さんの云うことが、百にひとつも分からないよ」

二、

斯様に乱れた常世なら、枯れさえ浮き沈み、をも喰うも無ェ筈で、路遍路と担ぎ出し、九死手も長い夜、に塗れては育ち、とさえすりゃァ浅葱萌え、駕籠じゃ駕籠じゃと囃し立て、幾星霜の宵や待ちじゃァのゥー。

「あーいー」

(幕)

投稿者 yoshimori : February 12, 2010 11:59 PM
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