年々、老成しつつある心と胃袋が、厚味のあるセレブな肉を喰らおうと欲する状態にまでシフトさせる為には、想像を絶するプロセスを経て、少しの覚悟と大いなる空腹感だけを身に付け、臨まねばなるまい。
寒空の下、店頭の木製のベンチに座り、セルフ腕組みだけの防寒具にて四十分待つ。
一頭当たり、四キロしか確保できないというザブトンを頼む。
ザブトンとは、クラシタのあばら側へと続く肩ロースのこと。
ていうか、クラシタが分からん。
クラシタとは、関西圏における肩ロースのこと。
なるほど。
奥:特上中落ちカルビ、手前:ザブトンガツン焼き
奥から時計回りに柚子胡椒、おろしぽん酢、和がらし、にんにく醤油
薬味全種を試す前に、ザブトンはきれいに紛失。
店員を呼んで探してもらうが、何処にも見つからない。
当たり前だ。
これがかなりの霜降りっぷりで、口中で溶ろけてゆく。
多くは喰えないから、少量で満足。
次の肉テンションを待ちたい。
(了)
投稿者 yoshimori : February 28, 2010 11:59 PM