連日の痛飲が祟り、習慣的に朝方目覚めるも、瞼を臥せれば再び夢の中へ。
怠惰な半永久運動を繰り返し、空腹以外に理由も無い動機にて身体を起こす。
水分不足にも程がある脚を引き摺りながら、交通量の多い交差点を緩慢な動きで渡る。
眼が互い違いになった庖丁を握る猿の白帽には五つ星。
何か薄ら寒い気配を肌で感じながらも、何かを胃に収めなければいけない。
空腹だけが人の行動を決定するのだ。
小麦と鶏肉、そして少しの調味料。
固形物全てを酒精で流し込み、誰にも責められない褒められない日々を繰り返す。
時間だ。
歩き始めた背中は、少し蟹に似ていた。
(了)
投稿者 yoshimori : March 14, 2010 11:59 PM