April 22, 2010

『四月下席~世襲事始』

知人の知人の話になるが、と前置きすると、都市伝説めいたエピソードになりかねないのも止む無しなのだが、他に説明のしようも無いので、ここは事実として、知人の知人は王位継承権を持つと断言しておく。
ここで云う王位とは、いわゆるグレートブリテンにおける王族の系譜を指し、無論、知人の知人はイギリス人である。

少し調べてみると、イギリスの王位継承順とは王位継承法により定められており、条件は以下の通り。

1.ステュアート家(ハノーファー選帝侯妃ゾフィー)の子孫に限る
2.継承者は国王の直系子孫であり、男子優先、長子先継
3.プロテスタント信徒のみ(王位継承後はイングランド国教会、スコットランド国教会に帰属)
4.非嫡出子に継承権は付与されない

ゆえに、親戚の誰かが亡くなって従兄弟同士が集まると、順位が繰り上がる話に花が咲くという。

「超ひさしぶりー」
「ほんとだ、暮れのフランシス大叔父の葬式以来かな」

「あれ? そういや、お前さ、何位になった?」
「ていうか、ひとり死んだらひとつ繰り上がるだけじゃん? お互いに」

「そうなんだけどさー、人のなんて覚えてねぇし。自分のすら怪しいのに」
「えーと、下から数えた方が早いな。ひぃふぅみぃ・・・たぶん1773位

「まじで? 俺の方が下じゃん。俺、1774。あと千人単位で親戚死なないと
「お互い、王位は遠いなー

って、知人の知人のイギリス人が云ってました。

(了)

投稿者 yoshimori : April 22, 2010 11:59 PM
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