April 24, 2010

『四月下席~梅若縁起』

人と街が動き始めている早い時分、ただ吸うだけの外気は冷たく冴えて澄んでいる気がする。
安いノスタルジィと少しの倦怠感、泥酔の果ての多動性から見知らぬ街を歩いているという錯覚。
巨大建造物だけが、此処ではない何処かを示している。

原風景としては、首都高と暗渠と高層の構造物。
視点さえ定めなければ、気にも留めない物体ばかりが目に付く。

かつての少年はただ歩くばかりだ。

(了)

投稿者 yoshimori : April 24, 2010 11:59 PM
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