道歩きに礼儀はある。
歩行者とはいえ、後ろも見ずに急な動線変更をするのは気が触れているとしか思えないし、往来で不意に立ち止まる事の重大さに気付かないのは何なのだろうか。
雨の日の江戸思草(しぐさ)のひとつに、「傘傾げ(かしげ)」がある。
雨中、通行人同士が互いの傘を外側に傾け、傘と傘をぶつけないように、互いの衣類が濡れないようにすれ違うという心遣いだ。
一見礼儀知らずそうな若造よりも年寄り連中の方が、傘の構造を知らないが為にがっつがつ当ててくる。
ビニ傘なんてと大事にしないから尚更かもしれない。
狭い道でのすれ違い様に左肩を路肩に寄せて歩く「肩引き」、自分が歩くのは道の三割、残りの七割は他人様に譲るという「七三の道」も今は遠くになりにけりってんだ。
何よりもまず早急に解決したいのは、「上り」を下ってくる奴と、「下り」を上ってる輩は、前から後ろから突き落としてもいいという都条例を通すことだ。
(了)
投稿者 yoshimori : April 28, 2010 11:59 PM