July 03, 2010

『七月上席~大鑑』 (第壱章・第弐章)

<第壱章>

湯気の生じる器接写しようと寄りに寄ると、いまいちどころかいまさんな画像が仕上がってしまうのは致し方ないとしても、シャタァスピドゥをどうとかするような気の配りもさらさらになく、ただただ残念な写り加減の被写体がそこにあるだけだ。

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痛飲を重ねた飲んだくれの舌には、椎茸出汁なのか科学の力なのか、もはや判別不可能な領域に達しつつあるのだが、昨晩から今朝にかけての溜飲を下げる意味では、大変有難ぇかっちけねぇ感じを演出する、万人に優しい朝餉と云えよう。

とはいえ、香腸(腸詰)を肴に啤酒(ビール)を飲ってる時点でちゃんちゃらおかしい話ではあるのだが。

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香腸

支払いを済ませ、台湾から離れようと外へ出る。

(續く)


<第弐章>

さて、その日の夕餉。
朝兼昼餉の台湾に続いて、韓国へ。

辛いのんで暑気払いをと目指した店、17時開店直後に訪れたにもかかわらず、既に店頭には待ち合いの席が準備されていて、韓国人俳優と云えば「ペ」しか知らないような若造の列で溢れ返っている。
致し方なし、と別の店舗へと移動。

小上がりだらけの店内、あえてテーブル席を選ぶ。
先ほどの店とは打って変わって、寂しい客数だ。

ナムル類が運ばれ、センメクチュ(生ビール)とともにむるむる食していると、熱くて辛いのが卓上に並ぶ。

サムギョプサル(豚三層肉)は、専用の鉄板でにんにくとともに焼き、薄く切った青唐辛子胡麻油と塩辛(ジョッ)、辛味噌、白髪葱の辛味和えを乗せて、サンチュ、エゴマの葉で巻いて食す。

マッコルリを甕でいただく。

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純豆腐チゲ

チャミスルをボトルで頼む。

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牛マルチョウ(辛味噌)

最後に頼んだオジンオジョッ(烏賊の塩辛)は、当然赤い。

いつの間にか満席となった混み合う店内、追い出され気味に会計を済ませ、アジアの旅は終焉を迎えるのだ。

(了)

(0707工期満了)

投稿者 yoshimori : July 3, 2010 11:59 PM
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