July 20, 2010

『七月中席(千龝樂)~坂田蔵人孫』

真っ直ぐに向かうと立ち寄る理由が見当たらず、一度は脳裡に過ぎると気は逸り思いは募るとばかりにやや早足で逢いにゆこうと一路目指す約束の地にて、硝子越しに見えるその見目麗しき姿に動悸は高鳴り、嗚呼、奇跡的に残っていたか、では早速と近付くが、さすがに経過した時間を考えと、窶(やつ)れ萎(しお)れて遣る瀬無し致し方無しとは無理が道理、その過剰に贅を尽くした姿形こそ魅力だったのに、掴んでみれば思い掛けなくはっとさせられるほど痩せ細っていると感じた夏の夜の出来事

(了)

投稿者 yoshimori : July 20, 2010 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?