何故だか赤坂にいる。
生活習慣病健診を翌日に控え、21時以降は食事はおろか水すらも摂取禁止にもかかわらず、空の酒杯が卓上に並ぶのは、行雲流水的意思の弱さにかぶせて、つっこみ不在という負のスパイラル構造を構築してしまった結果に過ぎない。
しかも目指した先は、痺れる辛さが堪らないと謳う、本格四川料理店。
唐辛子辛い「辣味」、花椒(ホアジャオ)による痺れ辛い「麻味」はもちろん、他店ではあまり使用されないという「麻椒(マアジャオ)」がより本場感を盛り上げ、人体に深刻な影響を及ぼすのだ。
◆くらげと白菜の黒酢和え
シンプルに前菜のはずが、辣味が支配するアテとなっており、酒ばかりが進むすすむ。
◆麻婆豆腐
何か一味足りない気がするのは、既に麻味にヤられている所為なのか、そうなのか。
◆辣子鶏(ラーヅーヂー)
真打登場。
辣子鶏とは、鶏肉の唐揚げと赤唐辛子の素揚げに四川山椒を混ぜ合わせた料理。
花椒と麻椒の区別も付かないが、ひとくちサイズで揚げられた鶏肉に対してたったひと粒の四川山椒の果皮をオプションとして口に運ぶだけで、発汗と痺れに人格さえも奪われてゆくようだ。
次でさ次で最後にするからすぐ帰るから、と河岸を変えるのだ。(愚)
(了)
(0802工期満了)
投稿者 yoshimori : July 27, 2010 11:59 PM