午前8時、いつもの通勤ルートを渋谷駅に向かって歩いていると、向かう先には"KEEP OUT"的なテープが道幅分だけ横に伸びており、傍らには数人の警察官が立っていて、完全に道路封鎖されている様子。
警官のひとりが、通行人に迂廻路へ向かうよう促しつつ、無線でやり取りをしている。
すわ事故か事件かと身構えるが、緊迫した空気も怒号も喧騒も感じられず、何かが終わった後の脱力感すら見える気がした。
通してくれないのなら止むを得まいと迂廻路を回って道玄坂まで出ると、周囲には赤灯をぐるぐると回した警察車両、消防車、救急車、見たこともない緑色塗装で「消防庁」との表示のある車両が道の両脇に停車しており、これだけ多彩な緊急車両が勢揃いしていると、それはそれで緊迫感の生じる絵面である。
件の緑色隊服を着た隊員らが黒いカタマリを台車に載せ、立入禁止区域へと搬送している後ろ姿が見えた。
黒色の物体は布にも見えたが、やや光沢あり、製造元が東南アジアな安い素材の家具にも見える。
悠長に成り行きを眺めてるわけにもいかないので、その場は立ち去ることにした。
後でニュース検索すると、これだった。
ショーツ1枚の女性が絶叫し、飛び降り騒動 朝の渋谷が騒然
(MSN産経ニュース)
ショーツ1枚って、いわゆる「パンいち」ね。
「女をなめんじゃねー!」
「電話してこい!」
っていいですね。
こんな台詞、なかなか出ませんよ、日常的に。
あの黒いカタマリは、女が万が一飛び降りた際の緩衝材だったようだ。
(了)
投稿者 yoshimori : July 28, 2010 11:59 PM