日が暮れてもなお暑い中、ヤスケ(鮨)でもつまもうと、猫があふれる路地裏へ足を向ける。
暖簾をくぐった先の店内は、スタートラインとしての週末的混雑を見せ始めている。
白木のカウンターに座ると同時に下駄にガリが盛られ、板長の厳しい視線は受注待ちである。
まずは鰺、〆鯖(しめさば)、鰯を。
って光り物ばっかりだ。
総称通り、脂あぶらしてる。
続けて、宮城は石巻(いしのまき)ブランドという「金華鯖」を、握りで。
これもやはり青魚。
中り経験者にとっては、〆てない鯖の生食には勇気が必要だろうか。
(中り経験が皆無だから普通に喰う)
かつて江東区にある回転寿司店を訪れたところ、周回する商品の名を示す小さな旗の表記が、日本近海の魚の名ではなく、南米等現地での実名だった為に、さっぱり食指に直結せず、辟易にも辟易した挙句、烏賊のみの摂取となった過去を思い出した。
上記の理由により、ティラピア(マダイの代用魚)やアカマンボウ(マグロの代用魚)の刺身が上に載るシャリには手が出ず、口頭にて板場に向けて発せられる品々はモンゴウ、ヤリ、アオリという共通項は艶やかな白である。
同じ回転寿司店に同行した知人は、同理由かは不明だが、貝類のみを食していた。
こういう特異な状況下では、普通に魚の握りを食する行為がマイノリティーと化すから、やはり民主主義は暴力なのだと再認識する。
閑話休題(それはさておき)。
思い出しついでに、烏賊を頼む、塩焼きで。
あと、トリ貝も、握りで。
下駄上のガリさえやっつけまして、解毒的に米麹な酒祭へと第二ステージ突入です。
(了)
投稿者 yoshimori : August 13, 2010 11:59 PM