えェ、お暑ぅござんす。
お天道様が南天に差し掛かるてぇのに、炎天下の中のこのこと出掛けまして、入った室の内外の温度差にやられる午后一時で御座ィます。
隼町にあります国立劇場の敷地内を抜けまして、楽屋口付近をうろうろーしてます携帯電話を持った浴衣姿の演者なんだか裏方なんだか分からねぇ兄さんらを横目に眺めながら、会場を目指します。
『第375回 花形演芸会』@国立演芸場
私事で恐縮ですがねぇ、あたしゃァ都内に五軒あるてぇ定席を、ここ国立演芸場を最後にしまして漸く全軒入場と相成りました。
だからどうしたなんてぇ云われたらそれまでの噺でござんすが。
柳亭市也◆牛褒め
「穴が隠れて屁の用心」
鈴々舎わか馬◆千早振る
タイムマシーン3号◆漫才
<見合い>
「お前の家にあるいちばん高い服着て来いよ」
「えー? スキーウェア?」
「それ着て来れるのか?」
「凄いぞ、俺のスキーウェア、熱を汗に変えるんだぞ! ???」
「? お前、間違えたな! 熱を、汗に、変えるんだろって・・・、俺も分かんなくなった」
「(泣きじゃくりながら)・・・こういうのがちゃんと演れるくらいなら、普通に仕事してるもん!」
「君と出会った年にできたワインだよ」
「ていうか初対面だし、さっきまで葡萄じゃねぇかよ!」
<妊娠>
「見て、こんなに大きくなったわ」
「おー、これで何ヶ月目ぐらい?」
「んー、一ヶ月」
「ただのデブだ!」
「見て見て見て、こんなに大きくなったわ」
「これでどれぐらい?」
「四年かしら」
「早くひり出せって! どんだけ溜めてんだ!」
「あ、この子、お腹蹴ってるわ」と自らの腹部を殴る。
「何やってんだ!」
「これDVよ、DV! 産まれる前から家庭内暴力だわ!」
ポカスカジャン◆ボーイズ
「前回の公演では持ちネタの中から五十音順で演ったので、続きを演ります。サ行から」
(さ)二代目林家三平、「NAI・NAI 16」
(し)清水健太郎、「ひょっこりひょうたん島」
「新ネタです。6回の逮捕の内訳はですね、マリファナ2回でしょ、シャブが3回、で、轢き逃げが1回。でもまだ芸能人」
(す)『笑点・バイ・ミー』 (Stand By Me)
「あれ? 歌丸師匠じゃないの?」
「いや、あれはできない。圓楽だけ」
「圓楽もそんなにできてねぇけどな」
(せ)『瀬戸の花嫁(十二支バージョン)』
「♪瀬戸は♪」「え? 俺、亥(いのしし)」「俺、申(さる)」
「ていうか、ここは『♪干支は♪』だろ?」
「間違えちゃった、さっきのタイムマシーン3号の『スキーウェア』から負の連鎖が・・・」
「お前プロだろ!? とりあえずそのピンクの靴下脱げ、罰として、気になるから」
(そ)前川清、「長崎は今日も雨だった」、「アンパンマン絵描き歌」
「実は天童よしみ」
何故これが「そ」なのかは失念。
(た)立川談志、タンゴ
「菅直人、駄目だね、鐘ひとつだね、カン」
(ち)『ボサノヴァ俺ら東京さ行ぐだ』
何故これが「ち」なのかは失念。
(つ)『津軽ボサ』 (イパネマの娘)
「じゃァタマちゃん、苦手な標準語で内容を説明して」
「はい。えー、これは爺っちゃが息子の嫁のxxxをxxxxして、(略)」
「ほーら、会場どん引きだ」
「うちの家族の出来事を歌にしました」
「タマちゃん、これで青森の観光大使ですよ。絶対に人選が間違ってる」
(て)武田鉄矢、「母に捧げるバラード」
「(ビニール袋の中のゴミを分別しながら)これは、鉄や」
柳亭市馬◆皿屋敷
『ああそれなのに』
『憧れのハワイ航路』
『千の風になって』
お仲入りで御座ィます。
春風亭一之輔◆麻のれん
「前半は歌謡ショーでしたね」
「江戸の直しは大坂じゃァ柳蔭てんですね。いやァなァに、近所の植木屋から聞いたンでァ」
こりゃァ『青菜』でのくだりですな。
鏡味正二郎◆太神楽
三遊亭王楽◆子は鎹
「こんな若造にトリを取らせていただけるなんて光栄です」
「一之輔(二ツ目)君とは同期なんですよ」
「市馬師匠より十席ほど稽古付けてもらってます」
「市馬師匠は第二の師匠だと思っております」
「父親の(三遊亭)好楽は八番目の師匠ですかね」
人情噺『子別れ・下』なんてんで、王楽師匠にゃァ申し訳ねぇンですがねぇ、幾度か舟ェ漕いぢまいましたぃ。
本日の演題
まだ陽も高ぇんですがねぇ、銀座が近ぇてんで、三宅坂より中央通りィ抜けまして、五丁目にある西班牙料理店での「せるべっさ」や「ぱえじゃ」なんぞ目指しましてだらだらっと歩きまさァね。
(了)
(0824工期満了)
投稿者 yoshimori : August 21, 2010 11:59 PM