木造一軒家を改装したという味噌づくしな店にゆく。
比較的早い時間だったので座れるだろうと二階座敷を希望していたが、後から訪れる客の予約で満席という。
それではこちらへと一階のカウンター席へと案内される。
オープンキッチンな造りだけあってか、長やかなる黒やかなる炭火がごうごうと熾っており、とても目の前には座れないと奥を選ぶ。
まァ何処に座っても業火と煤煙に晒され燻されると知るのは後の話である。
格子戸の足下には蚊燻しが煙(けむ)を吐いている。
室温は外と同じであるが、炭火分だけ中の方が分が悪い。
まずは冷たいのをとビールを。
続けて、「獺祭(だっさい)」を。
◆突き出し(笹身と水菜の酢味噌和え)
・・・ 色合いが既に涼味
◆新鮮有機生野菜(キャベツ、ラディッシュ、ヤーコン=アンデス系根菜、梨に似た食感)
・・・ 下記のなめ味噌で食す
◆海老味噌
・・・ 粉砕された海老がなめ味噌に練り込まれている
◆鰺なめろう
・・・ 当然のように味噌でぐじぐじにされている
◆芋豚味噌漬け
・・・ 他の客の注文した品が鉄板で焼かれているのを目で嗅ぎ耳で見て鼻で聞いてしまい、哀れな芋豚を保護したくなった挙句に同じ目に遭わせたに過ぎない
◆銀だら西京焼き
・・・ 串二本差しにされ、遠火の強火で炙られてゆくのが見える
正に味噌まみれな品々に酒は進んで止まないのを危惧してか、河岸を替えるべく移動。
とはいえ、移った先の店では赤一色な品ばかりの唐辛子づくしと、どう転んでも何かに偏らざるを得ないのである。
(了)
投稿者 yoshimori : August 26, 2010 11:59 PM