存在しない肉体の部位が痛む症状を幻肢痛という。
個人名を出すのもあれだが、例えば戦中南方で左腕を失った水木しげる御大が「左手の甲が痒い」と仰るのに近いと云えば理解されるだろうか。
時には激痛を伴うとされ、
「電流を流した万力で潰されるような痛み」
とこれまた想像するに気を失いかねない衝撃の喩えである。
で、この場合、つまり私には失った「肢」もなければ、摘出した臓器さえあるはずもないのだから、正確な喩えか否かはいささか暗いのだが、腹部というか胃腸というか、その周辺の臓器がぼんやりと痛むというか、何となく不快感というか、何かこうもやもやとした雰囲気となっているのかと問われれば、まあそうかな程度の症状が続いており、果たしてそれが何なのか、ただ消化器科への通院を余儀なくされた立場であることを先延ばしにしている結果の代償に相違ないと、ほどよく酩酊した脳で思考するのだった。
・・・しきゅう?
(寥)
投稿者 yoshimori : September 7, 2010 11:59 PM