<20101228現在、加筆・訂正・画像準備中>
どうにも腹部に違和感を覚え、個室に篭ってみる。
06:00 下血
白い陶器には鮮血がよく映える。
・・・見なかった事にするにはあまりにも衝撃的な絵面である。
救急車を呼ぶか迷ったが、何よりも倦怠感が優り、ひと眠りする。
10:00 下血
・・・駄目だこりゃ。
病院に架電、まずは何をすべきか伺うと「直ぐに来い」という。
まァそうだろうなと出掛ける準備を始めるが、カラダは思うように動かずに遅遅として進まない。
持ってゆくべき荷物を半分にしてタクシーを拾う。
11:25 着信
知人より電話がある。
「見舞いに行ったら受付で『もう退院しました』って云われたんだけど」
あ、そうそう、昨日退院したんだ。で、今日また入院するつもり。
「何だそりゃ、大変だな」
とりあえず今向かってるから。
病院前で合流した知人より貰った見舞いの品は「ジェンガ」だった。
思わぬ「ひとりジェンガ」に転がって笑うのを堪える。
僅か数分間の面会の後、受付に名乗り出ると処置室なる部屋に通される。
横になるように命ぜられ、左腕に点滴針を刺される。
針が太い所為かかなり痛い。
11:45 点滴(糖質・電解質ポタコールR輸液500ml)
主治医(♀)が現れて説明が始まる。
「止血クリップを留めた患部が何らかの原因により開いたと思われます」
な、なるほど。
「これからxxしてもらい、もう一度一昨日と同じ処置をします」
え? xxってあれですか、さんずい編の?
「あれです。二回してもらってください。じゃァ井出さん、お願いね」
12:00 xx
12:30 xx
・・・嗚呼ッ、見ないでぇ。(涙)
・・・もう耐えられないッ、こんな生活!(涙)
14:00 検査
再び車椅子にて内視鏡の間に連行される。
麻酔を打たれ覚醒ながらに麻痺のまま、びしばしとクリップ留めされる衝撃だけが内臓に伝わる。
「あー、これね、すっかり取れちゃってまァ」
外れて流れたんですか?
「そう、ひとつだけ留まってる状態。見る?」
いや、遠慮します。
「通常は3つしか留めないんだけど、あなたの場合はあれが大きかったから、5つ留めにしといたの、4つ取れちゃったけど」
なるほど。
「今回は8つ留めにしといたから」
見せられた画像には、沿岸に棲む名も無き海洋生物を十個入り百円の洗濯ばさみで苛めに苛め抜いた果ての哀れな姿が。
先生、凝視できません。(涙)
16:00 入室(578号室)
ぐったりした状態で車椅子に乗せられ、西病棟へと移動。
入口より左側中央のベッドである。
先日入室していた中央病棟とは何処か雰囲気が違うと感じた。
看護師の説明によると此処、西病棟五階は消化器内科の専門病棟ではないという。
じゃァ此処は何?
出血の量自体は不明だが、血圧低下しているという事で、病室からの移動は車椅子&要付添と厳命される。
ナースセンターに設置されている飲み放題の番茶が急に遠い存在となる。
19:00 検温(36.6℃)、血圧(数値失念)
主治医(♀)が来室。
「どう?」
まァ何とか。
「そう、よかった」
いつから食べられますかね。
「経過がよければ土曜かしら」
それまで絶食ですか。
「そうね、点滴4袋用意したからそれで我慢して」
点滴よりも麺類が食べたいんですけど。
「駄目。飴ならいいわよ」
飴ねぇ。(ため息)
21:00 消灯、点滴交換(維持液ソルデム3A輸液500ml)
次の交換は27時という。
夜が更けるにつれて同室の患者らの呻き声が低く響き始める。
深夜には同室患者の手によってナースコールが発動され、当直医師と看護師による「藤井さん! 藤井さん! 少し痛いからね、我慢して!」と患者へ呼び掛けながらのカテーテル挿入する際の騒動が丸聞こえだったりもした。
活きのいいゾンビがわさわさと眠る墓地の中でひとりぼっちのきぶんだ。
助けて、マイケル!(よく考えたらマイケルもゾンビ入りしてるな)
(續く)
追記:
実は当日、十一年振りの再演となる演劇を観劇予定だったのだが、こういう事情により断らざるを得ない。
関係各位には深くお詫び申し上げます。(謝)
大人計画 『母を逃がす』
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ 宮藤官九郎 池津祥子 宍戸美和公 皆川猿時 荒川良々 平岩紙
2010年12月16日(木)
開場:18:30 開演:19:00
会場:下北沢・本多劇場
全席指定:6,200円(税込)