連日の痛飲が祟っての結果だろうか、やたらと眠い一日だった。
何事も億劫であり、数日分の怠惰を一手に担っているようだ。
酒盗(しゅとう)を肴に無濾過な純米吟醸を飲っていると、気絶よりも昏倒が近いと覚る。
ほんの一瞬に過ぎないが、高周波にも似た高域音を右の耳に感じ、徐々に日常から遠ざかってゆく気がした。
束の間に聴覚は失われ、茫洋(ぼんやり)としている間に何となく取り戻す。
原因が疲労なのか逃避なのかは不明だが、やがては三半規管までもが機能しなくなるのかと軽く途惑いもするのだ。
床に就くのに多くの理由は要らない。
ただそこに横たわるだけなのだ。
(了)
投稿者 yoshimori : January 11, 2011 11:59 PM