February 08, 2011

◆『裏漉し純豆富』

お寒ぅござんす。
夜半からになるてんですがねぇ、も無けりゃァも在りゃァしませんで何の足拵えもしておりませんで。
下々や外界との接点が無ぇもんですから、今日の空模様の変遷が分からないンでさァね。
あーばんらいふに雪なんざ邪魔ッ気ですがねぇ、こいつァ初物てんで無条件に喜ぶべきでしょうかねぇ。

初雪や鳶転んで河童の仔

なんてぇ古今亭志ん生師匠が仰っておりましたが、此りゃァ音と響きの語呂ばかりで何の意味もありませんやね。

本日ァ水天宮様近くでの二ツ目勉強会でござんす。

『日本演芸若手研精会 第354回 如月公演』
@水天宮前・日本橋劇場

入船亭辰じん◆子褒め

此の前座のあにさんが毎度毎回申し上げる筈の、「携帯電話、その他アラーム等音の出る機器~」云々の口上が無かった所為か、会場では携帯電話の着信音が鳴りまして、偶さか云わない日に限って許してしまうという無念な一席でした。

柳亭市楽◆大工調べ

棟梁の啖呵で中喝采が出ました。

三笑亭夢吉◆佐野山

「相撲協会の一件には本当に心を痛めております」
「まァあたしが一言物申す訳じゃァ御座居ませんが、此処は一ツ落語を聴いて戴ければと」
「寛政年間に谷風梶之助という横綱が居りまして」

と此処でマクラから本編に入る訳なんですがねぇ、此りゃァ別名『谷風の情け相撲』と云いまして、谷風関が親孝行の佐野山関の為に勝ちを譲るという、八百長取組の「ぱいおにあ」なんてぇ噺なんですなァ。

古今亭志ん吉◆代脈

「先日、落語協会のホームページで自分のPRビデオを見てましたら、自分には幾つか癖がある事に気付きました」
「台詞の合間に『えー』と云ってしまうんですね」
「此れはお客様に耳障りだろうと悩みまして」
「私と同じ此の悩みを持った噺家が居りましてですね」
「八代目桂文楽師匠なんですが」
「黒門町と同ンなじ悩みなんで御座居ますよ」
「・・・だから何だと云われたら、其れまでの話なんですがね」

「もう一ツ気付いたのがですね、普通に話しているンですが、こう下手(しもて)に向いておりまして」
「まァ此れは生来骨格が曲がってるてんで、整体にゆくなりカイロプラクティックでどうにかなるンでしょうが」
「ずっと下手なんて、常に隠居が話してるみたいですね」

お仲入りで御座ィます。

入船亭遊一◆鼠

本編:
「『旅人は行き暮れだけの群雀(むらすゞめ)』」

春風亭一之輔◆居残り佐平次

「二階席はだいぶ空いてますね」
「あ、ひとりいらっしゃいました」
「あー、皆さん、別に振り返って見なくてもいいです。むしろ見ないで下さい」
「皇室の方ですか?」

本編:
「ちょいと、居残(いの)どーん」
「へーい」
「十三番でお座敷ですよー」
「よォン、大将、どうしましたァ、よッ、はッ、だだだだだだだだ(機銃掃射の手付きで)」

追い出しが鳴りまして外へ出ますてぇと、半蔵門線に乗りまして移動しますな。
李氏朝鮮王朝時代に支配階級でした兩班(やんばん)様式の店で立膝ァ片手出しで飲んだくれやしょうかねぇ。

(了)

投稿者 yoshimori : February 8, 2011 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?