千代田区を徘徊している。
二月に新装開店したという店を冷やかす。
若造従業員より「定期券」と表記されたクーポンを手渡されて受け取る。
「通え」という意味に相違無い。
自分の意思には忠実に生きている積もりだが、まァ時間が合えば考えておこうと告げてその場を去る。
渋谷区へと移動。
丸太を並べてそれを「椅子」と呼称する乱暴な店である。
まずは一献、「冷や」を戴こうか。
「常温ですか?」と聞き返す従業員の言葉尻に被せ気味で「冷やで」と畳み掛ける。
無用な問答が幾度か続やがて諦めたように継がれる常温の酒。
後は決まりの品で。
◇喜久水 ・・・ 「冷や」
◆とり刺し ・・・ 酢橘を醤油皿に搾り入れおろし山葵と
◆つくね ・・・ 柚子の風味と粉砕軟骨こりこり食感
◆ゴンボ ・・・ 「ぼんぢり」ともいう
◆みょうが ・・・ 半身の片面には味噌が塗られ
◆大根おろし ・・・ 鶉玉子の黄身入り
「つくね刺し」なる品があったと記憶しているのだが、品書きから消えているようだ。
季節物だったろうか。
二軒目、同区内にある小料理店である。
此処では麦焼酎を貰おうか。
◆春牛蒡と蕗の薹の和え物
◆〆鯖
某国独裁者の傘を持つ映像が愛らしく見えてしまうのを、全て酒精の所為にして今日も生きているのだ。
(了)
投稿者 yoshimori : February 22, 2011 11:59 PM