西新宿、二十三時、小雨。
「女子居ないの?」
居るよ、その辺にうろうろしてるじゃん。ほら、ほら。
「そうじゃなくてさ、特定の彼女はいらっしゃいますかと聴いています」
あー、そういう話題か。まァ居ませんねー。
「作らないの?」
どうやって作るのさ。
「しょ、紹介とか」
しょうかいぃぃぃ。
「・・・変なところ掻かないでくれますか」
面白い事云うね。
「だっ、だからさ、出会いとかそういう」
であいぃぃぃ。・・・此れは無理があるな。
「ていうか、人の話聞けよ」
ていうか此れはお前の話だな。
「ばっ、だっ、ちがっ、・・・そうだよ!」
開き直りやがった。
「俺が作りてぇよ」
どうやったら作れるのかな。
「話戻してんじゃねぇよ」
まァひとつ云えるのはだ、お前に、紹介する、義理は、ない。
「・・・さらっと酷い事云うね」
酒飲んでっからね。それにそういうのって後後面倒じゃん?
「じゃァどうしたらいいんだよぉぉ(涙)」
えー? 泣くかー? 面倒臭ぇ野郎だな。
「・・・俺、行くわ」
何処へ。
「キャバ嬢が待ってるんだ、上野で」
・・・。
何処でも行けって。
(了)
投稿者 yoshimori : May 1, 2011 11:59 PM