<赫イ兎>
気が付けば自分の名刺には雑多な肩書きでつらつらと並び余白要素が皆無となっている。
其のどれもが大仰で赫面、噴飯物である。
初めて呼ばれたのが「英雄」、「ヒデオ」ではなく"Hero"方面である。
初に訪れた時点で既に壊滅していた都市を解放した際に戴いた称号ではあるが、特に何かに貢献した記憶も無く、其の名称さえ面映いばかりである。
他に論っても果てしが無いので此処で止しておくが。
無論自称ではなく公称であり、何処かの泡沫候補とは異なる立ち位置であると胸を張って云えるのが此れ幸いである。
(續く)
※(改題)『終ノ棲家』 (第玖回~第弐拾壱回) #009-021
※(改題)『継ぎ目無きヘリウムの都』 (第壱回~第捌回) #001-008