<熱狗>
街道より外れた国境沿いの小高い丘に来ている。
杖を突いた老人の像の前で下着姿の男女が群れている。
何をしとるんだ、君らは。
「邪魔をするな」
邪魔はしないけど、そんな破廉恥な格好して。
「我が主への捧げ物を教えてやる」
主ってあれ? あの杖の爺ィ?
「よく聞けよ、毛糸にレタスに小さい石だ」
・・・何か虫っぽくて厭かも。
「持ってないなら此処には用は無い筈だ! 去れ!」
って此の人、偉そうですけど下ァ履いてないんですよ。
それでもまァ希望通りの供物を持参して現地に集合。
無事に捧げて請け負ったのは「迷信深い村を破滅させる」という仕事である。
早速村へ出張すると、村長らしき人物より村的終末思想に付いて伺えた。
「初めに害虫(鼠)が大量発生する」
「次に大事な羊達が全頭死ぬ」
「最後は恐ろしくて云えない」
成る程、あたしがやるのは臭チーズをぐらぐら煮込んでミッキィとミニィを呼び出して、
羊舎で迷える子羊を皆殺しにして、
最後の瞬間を待てばいいんですね。
全ての仕事を順調にこなしてゆく。
村人らが不吉な出来事の前兆に怯え逃げ惑う中、村の中央部で其の時を待っていると、空から・・・犬が燃えながら大量に降って来た。
・・・杖の爺ィ、洒落きついわー。
(續く)
投稿者 yoshimori : May 9, 2011 11:59 PM