<貴賎ノ対価>
何やら下下(しもじも)が混沌としておるな。
下民どもよ済まぬ、余は狩猟で多忙なのだ。
・・・とは云ってはみたが、妄想貴族の実際の暮らしは酷い有様で、作荒らしと人間狩りの半農半猟の毎日である。
無謀にも新たな不動産の購入を画策しているのだが、審査に通るか否かも分からない状態で、職業欄に何と書き込んで良いのか悩ましいところである。
夢か恋か宝か生物かを曖昧にしておいて、其れらしく「狩人」とでもしておこうか。
更に難易度を上げている購入条件として、高い名声が必要という。
確かに善行に従事する者は一日一善的に名声は上昇するのだが、悪行とは云わない迄も上記の業種は子供達の手本に為る要素は微塵も無いのが現状である。
いや、其れでも構うまい。
正義の味方を使い走りと定めた以上、自らが欲した退治討伐殲滅系という血で血を洗う汚れ仕事に手を染めて黒き名声を上げてゆきたい今日此の頃である。
(續く)
投稿者 yoshimori : June 10, 2011 11:59 PM