<岩モ粉ケヨ、再ビ>
夫が悪の組織に入団したという相談を妻から受ける。
聞けば、夫は妻の実家に代代伝わる家宝を持ち出してしており、妻は夫の生死を問わないが宝だけは奪還して欲しいという。
ぅわっかりました、駄目夫をぶち殺してお宝ゲットすればいいんですね、そういうの得意ですから。
夫の隠れ住む廃墟を奇襲して夫の所属する組織を壊滅させ、夫も専守防衛という名の返り討ちにして亡き者とする。
妻へ以上の経緯を報告すると、鼻でふふんと笑いながら奪い返した宝と引換に謝礼を現金にて手渡してくれて案件終了。
・・・というのが、正式な話の流れなのだが、実は自分は本編に登場する妻と会話さえしていない。
つまり、自分は夫が家宝を持ち出して悪の組織に入団という事実を知らずして、無頼の輩として夫を殺害し宝を手にしているのである。
更に間の悪い事には、妻は専業農婦であり、自宅前に畑を所有しているのだが、自分と農婦は野菜泥棒と生産者という間柄でしかない為、気まずい事この上ない。
取り返した宝には「愛する妻へ、夫より」という今となっては薄ら寒い歯の浮いた刻印が施されており、その妻とやらを捜すところから話は始まるのだが、それはまた別の話。
(續く)
投稿者 yoshimori : June 22, 2011 11:59 PM