August 26, 2011

『松ヶ崎御所海道町の女』(第1回)

何してるの、と問われれば「きせいちゅう」とだけ答え、仮令愚問な質問者から不可解な回答と思われようがそれもまた人生だと考える。
・・・虫なの? という返しすらも軽く肯定しながら、含み笑いは止まらないのだ。

さて、陽も高い時刻に緑色の窓口に向かう。
最寄り駅のそれではなく、品川駅のそれである。
前に並ぶは欧米人夫婦のみである。
明らかに長丁場と化すのは目に見える人員配置ではあるが、既に終盤だったようでそれも杞憂に終わる。
「お次の方どうぞ」との声に窓口へと吸い寄せられる際、衆人の気配に背後を振り返ってみると、瞬間的に形成された長蛇の列である。
下民どもよ、一足遅かったようだな、呵々

「はい、どちらまででしょうか」
乗車券をxxxxまで、新幹線は越後湯沢まで、特急券はxxxxまで、全て自由席で。

「はい、かし、こ、まりました、と」
ついでに時刻も調べて。

「はい、少々お、待ち、ください」
はは。

「お待たせ致しました、こちらが東京からの乗車券で、新幹線、特急券になります。東京からの新幹線の時刻を切符に書かせていただきました、15時52分になります」
はいどうも。えーと、湯沢到着は17時半前ね。

「左様でございます。・・・で、越後湯沢からの特急への接続なんですが・・・」
はは。

「・・・節電の影響で本数が減らされてるのだと思うんですが、19時台の便しかないんですよ」
・・・2時間以上も空くの?

「大変申し訳ございません、・・・如何なさいますか
・・・いかがって、まァそれでいいや。

「大変申し訳ございません、お気を付けて行ってらっしゃいませ」

と、申し訳無さげな窓口の女子職員より見送られたが、何をどう途惑いをしたものか「19時台の便しかない」という情報は真実ではなく、車内アナウンスの案内通り苦も無く17時38分発の特急へと乗り換えられる。
19時というのは目的地への到着時間であって、途上である乗換駅での待ち時間ではないのだ。

ドジっ娘萌えとかほざく輩の心境なんぞ理解する気は毛頭無いが、実害の及びかねないうっかり対応では当方萌えられやしないので極力止していただきたい。

(續く)

投稿者 yoshimori : August 26, 2011 11:59 PM
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