本日ァ神保町での落語会でござんす。
生憎の雨降りでござんして、細い霧雨だけにしっとり衣服に纏わり付きまさァね。
開演前に時間があるてんで、会場の近くにあります泰國な料理とキチゲェ水を程好く戴きましてからの千鳥千鳥した運びと相成ります。
『らくごカフェに火曜会』
@神田神保町二丁目・神田古書センター五階
会場にて墨西哥産の麦酒壜を栓抜きましたところで、出囃子が聞こえ始めます。
金原亭馬吉◆近日息子
「いっぱいのお運びありがとうございます」
「一之輔さんが出るとこうなりますね、普段は寂しい会なんですけど」
本編:
これは上方噺ですなァ。
桂春團治師匠のれこーど音源で聴いた記憶があります。
らいぶで拝聴したのは初めてでした。
春風亭一之輔◆蒟蒻問答
「この会は当日都合のいい藝人と都合のいい藝人が混ぜられて行なわれます」
「馬吉あにさんとは・・・そうですね、一月以来ですかね」
「楽屋が愉しいですよ、あの食べ物の名の付く方(三遊亭天どん)とは違いますね」
「女性のお客さんが多いですね」
「やはり馬吉あにさん目当てでしょうか」
「部屋の片隅にでもひとり置いておきたいですよ」
「『あーあ、今日も疲れたわぁ』って帰ったら、箪笥の上から馬吉あにさんが『お帰りなさいやしっ』」
「って癒されるんですねぇ」
本編:
上州安中に住まう親分肌の蒟蒻屋六兵衛と落語登場人物大看板である八五郎の名が混ざったものか、江戸からの流れ者「八兵衛」なる人物が弁正和尚となって禅寺に住み込みますが、この八公、噺の途中から「八五郎」に改名しておりました。
お仲入りで御座ィます。
春風亭一之輔◆眼鏡屋盗人
「まァ楽屋で私語が煩いんですよ」
「楽屋すぐそこですからね、まる聞こえでしょ」
「・・・何か楽屋で笑ってますけど」
「まァ碌な事は喋ってませんね」
「今日は馬吉あにさんの女性客を減らそうという気持ちで遣って参りました」
本編:
これも上方噺ですな。
桂米朝師匠の音源で聴いた覚えがあります。
米朝師匠は「拡大鏡(虫眼鏡)⇒七面鏡(将門眼鏡)⇒逆さ望遠鏡」の順でしたが、一之輔あにさん、将門から虫の流れでした。
金原亭馬吉◆千両蜜柑
本編:
「番頭さん、三ッ房(みっぷさ)持っていなくなっちゃった」
追い出しが鳴りまして、お開きで御座ィます。
雨は上がったようでございまして、ゆるゆると歩を進めてゆきます。
日暮れ時にがっつりとノセました泰國謹製の品々が未だ後を引いておりますてんで、僅かなキチゲェ水だけを求めまして白山通りを水道橋方面へと歩きますな。
道中で立ち寄った店の暖簾を潜って着座しまして幾つか品を頼んだりもしますが、それァ又別の噺で御座ィます。
(了)
投稿者 yoshimori : August 30, 2011 11:59 PM