September 09, 2011

『忘恩負義』 (第60回) ※

遂に娘は正義の使者に成り下がってしまった。
私利私欲の為の孤独な殺人者だった筈が、魔が差したというべきか帝国の救世主に祀り上げられようとしている。
もう誰にも止められないのだ。
果たした功績によって知名度は上がり、すれ違う人々は惜しげもなく賞賛を浴びせ掛けてくる。
それでもパシリ体質は抜け切らず、選ばれし者たる娘への依頼内容は国内7都市を行脚し、今や前線となっている北方都市への援軍を要請してくれという。
もー、そういうのが煩わしいからなるだけ関わりたくなかったのに。
まァ愚痴は零すまい。
重い腰を上げて地方巡業(ドサまわり)へと旅立つのだ。

(續く)


(改題) 『忘却界の女』 (第55回~第59回) #055-059
(改題) 『忘月』 (第48回~第54回) #048-054
(改題) 『偽善と呼ばれる為に求められるfの条件』 (第34回~第47回) #034-047
(改題) 『幻想ト猊下』 (第弐拾弐回~第参拾参回) #022-033
(改題) 『終ノ棲家』 (第玖回~第弐拾壱回) #009-021
(改題) 『継ぎ目無きヘリウムの都』 (第壱回~第捌回) #001-008

投稿者 yoshimori : September 9, 2011 11:59 PM
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