何もしていない。
細い呼吸音と微弱な血脈の鼓動だけが自ら発する生命の証である。
代謝だけは過剰な様子で、悪い夢から目覚めるが如き汗みずくである。
寝疲れだろうか、衰えた筋力ではこの痩躯さえも支えられないと項垂れる。
十日以上も肺に出し入れする煙から遠ざかっていると、健康な状態でなければ不健康な所作ができないのだと改めて知る。
闇に隠れて生きるのも悪くはないが、もう少しだけ日当たりの良さげな場所を目指したいのだ。
・・・はやくにんげんになりたーい。
(了)
投稿者 yoshimori : September 11, 2011 11:59 PM