October 01, 2011

『低温の脂でゆっくり火を通した××の腿肉に××さんが育てたこだわりの××のソテーを添えて』

泥濘(ぬかるみ)から這い上がりたての肺呼吸する魚の如き体で自宅周辺を徘徊。
辛うじて生きる為だけに湧いた食慾を神の啓示と心得、せめて消化器どもを労(ねぎら)うに優しい食をと思い、先日より懇意にしている讃岐の饂飩を付け狙う午前9時半

・・・同じ通りに立ち並ぶ同種の二店舗は口を揃えて10時開店と謳いやがる。
それでも少し待てば開くのかと考え直し、10時まで店頭にて佇んでみる。
饂飩を食す為に開店前に並んだのは、此の世に生を受けてから初めてである。

・・・あれから数分が経過、時刻は10時を過ぎている。
店内にある釜から上がる湯気は通りに流れて来るのだが、人の流れは一向に無い様子である。
・・・店を替えよう。

路地を抜けた先の通りに面している24時間営業という頼もしい看板を掲げた同種競合店を目指す。
入店、注文の順で目当ての饂飩を受け取って食す。
・・・さっきの店の開店を待てばよかった
取捨選択の消去法が成り立たない世界観とは共産主義だけかと思ったが、うちの近所もそうだったとは驚きだよ。

(了)

投稿者 yoshimori : October 1, 2011 11:59 PM
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