March 19, 2012

◆『子供達を責めないで新聞 関東版』

本日ァ浅草橋での落語会でござんす。
痛飲が祟ってんでしょうかねぇ、絶不調でござんすよ。
緋毛氈が明滅して見えますな。

『第58回 鳥越落語会』
@浅草橋二丁目・浅草橋区民館6階ホール

柳家ろべえ◆蝦蟇の油

「大道商いの方いらっしゃいませんよね?」
「え? 居る? 何ですか、テキヤ?」
「・・・あー、えーと、違うの演りましょうか」
「とはいえ、私あまり器用な性質じゃないもんでねぇ」
「やっぱり変えるのもあれなんで、続けさせていただきます」
「ごめんなさい!」

柳家喜多八◆噺家の夢

「楽屋に差し入れを幾つかいただきまして」
「あたしがレバカツが好きなもんですから、よくいただくんですよ」
「あれ? ご存知ないですか、レバカツ」
「月島名物でレバーフライとも云いますね」
「凄い量をいただいちゃったんで、楽屋にいらした方に配っています」

「ほんとは噺家になるつもりはなかったんですよ」
「そりゃァ落研(オチケン)には所属してましたけどね」
「それも罠みてぇなもんでしたよ」
「あたしは大学生の時は、書道部だったんですよ」
「それが落研の先輩方に蕎麦屋の二階で篭絡されましてね」
「あたしが何を話しても、先輩達は座敷で笑い転げてるんですよ」
「『君は天才だ!』なんて云われたりして」
「今思えば、体よく騙されて入部させられたんですね」

「ほんとは(柳家)小三治じゃァなくて、(入船亭)扇橋師匠の下に入門しようとしていたんです」
「当時の扇橋師匠は別のお弟子さんを取ったばっかりで、同時に二人は見られないと断られまして」
「で、その後に伺ったのが、うちの師匠の家です」
「普通は『弟子にしてください』って尋ねたら一度は断るはずなんですがね」
「『ああ、いいよ』って云われて、入っちゃいましたね」
「でも、小三治には先に扇橋師匠の戸を叩いた事は云わなかったんですよ」
「でも、ある日小三治と扇橋師匠が一緒になる会がありまして」
「あたしがお供したんですが、待ち合わせの場所に扇橋師匠が先に来ているんですね」
「そしたら、うちの師匠が『ほら、お前の大好きな扇橋だぞ』って」
「・・・とっくに知ってたんですね」

お仲入りで御座ィます。

柳家喜多八◆一つ穴

「最近は芸能人づいてましてね」
「名前は云えないんですが、とある女優さんに『厩火事』を稽古付けたりしましたね」
「もうこんな距離で、こんな距離ですよ」
「後は、伊武雅刀さんですかね」
「伊武さん、ほんとは『妾馬』を演りたかったらしいんですけど、あたしが出来ないんで断りました」
「『笠碁』を稽古しましたね」
「まァ伊武さんらしい噺じゃないですか」
「笑うところありませんけど」

神田阿久鯉◆天明白浪伝の内「因幡小僧」

喜多八師匠より「彼女は本物」と評された阿久鯉先生でした。

追い出しが鳴りまして、お開きで御座ィます。
浅草橋駅方面を目指しまして、ガイジンだらけの焼き物の店に入りまして、串なんざいただきましょうかねぇ。

(了)

投稿者 yoshimori : March 19, 2012 11:59 PM
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