May 07, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第13回)

◇女である。(070512)

◇国境にも近い南東部地域に来ている。
◇目当てはただ一冊の書籍なのだが、所有者は一人住まいの老婆である。
◇この本、初見の時は「窃盗」の前科を忌避する意味で手を付けずに置いたのだが、ここより北西の地にて貧しい暮らしを強いられている依頼者の度重なる懇願に負け、その意に答えようと思い直した。
◇・・・しかし、それでも犯罪歴は増やしたくなし。
◇そうだ、自分には命を賭して働いてくれる下僕どもがいるではないか。
◇自分の手を汚さずに済むならこれ幸いと思い、西の最果てで万年自宅警備を務める屈強な私兵を連れてくる。
◇この男、「防波堤」の異名を持つという。(意味は不明)
◇前述の老婆の住居に到着直後に襲い来る巨大爬虫類と乱戦となり、我が身を守ろうと応戦した老婆のたった一撃が私兵に誤爆したらしく、いたいけな老婆と即敵対。
◇巨大爬虫類を殲滅後も戦いは続き、両者激しく罵り合いながらの激闘の末、老婆の眉間に数本の矢が刺さって絶命。
◇形式上、正当防衛となるので、当然法的機関からの咎めはない。
◇合法的に件の書籍を手に入れてめでたしめでたし。
◇・・・老婆との最後の会話、「ひとりぼっちさ、でも旅人は大歓迎だよ」が忘れられない。(泣)

(續く)

◇◇◇◇
(改題) 『1000万本の召喚の杖』 #012
(改題) 『黒馬新聞 北方版』 #007-011
(改題) 『月長石ト鍛造ト言霊ノ國』 #005-006
(改題) 『竜殺シ氷地獄』 #001-004

投稿者 yoshimori : May 7, 2012 11:59 PM
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