June 03, 2012

◆『昭和二十年の空襲を免れた三像』

本日ァ角筈いわゆる西新宿での落語会でござんす。
まずは、と十二社通りにて初夏の緑を眺めながら飲んだくれますな。
◇押し豆冨の冷菜、水餃子、小龍包、啤酒

『第三回 角筈寄席 桂扇生独演会』
@西新宿四丁目・角筈区民ホール七階

桂扇生◆鰻屋

「末廣亭に出ておりまして、一時十五分の出番でした」
「で、ここが二時からでしたから、急いで参りました」
「移動中は洋服ですから、また着替えまして、もう汗だくで」
何でしょうか、扇生師匠が着物姿での移動を敬遠する理由は。
普段着ではない他所行き向けの仕事着を大事にされてるんでしょうな。

本編:
扇生師匠はほぼほぼ古今亭の型で御座ィましたが、サゲ前に鰻屋主人の奥さんを登場させております。
「まァあの人また出掛けたんですの。先も三日前に鰻握ったまま店ぇ出まして、今朝方帰って来たばかりなんですのよ」

桂扇生◆お菊の皿

本編:
番町皿屋敷が未だ世に知られていなかった頃に古井戸まで乗り込んだ若い衆は、後に町の噂話と化し、「伝説の七人」と呼ばれるまでになるんですが、とはいえ初期めんばーが優遇されないのも世の常、設えた観覧席にも招かれず、井戸から離れた地べたに座って「こんなに人が居ちゃァ幽霊を見る風情も何もねぇなァ」と新参者に愚痴ってるのが関の山てなもんです。

お時間となりましてお開きで御座ィます。
ここから山手通りを渡りまして水道道路を歩き、途中右に折れまして、地元じゃァ幡ヶ谷不動尊と呼ばれ親しまれております新義真言宗室生寺派光明山真言院荘厳寺(しょうごんじ)に参りまして、門前の不動通り幡ヶ谷方面目指して歩きまさァね。
道行く自転車女児らが商店街の看板を音読しているのが聞こえます。
「ふーどーどーり」
えー? あんたら地元民でしょうが。
まァその道を通る度に同じ発言をする仲間うちの約束事かも分かりませんので、むんずと捕まえて座らせての説教なんぞござんせんがね。
ここから中野区を目指しまして移動するんですが、それはまた別の噺で御座ィます。

(了)


<覚ヱ書キ>

はんぐんにょり◇かむじゃたん、ぴびむきむち、さり、おいそじゅ

投稿者 yoshimori : June 3, 2012 11:59 PM
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