July 12, 2012

『ツィ小稲ルワイゼン』

<ユメドリ>

◇自室で横になっている。
◇何気なく視線を移した左手が一本多いように見える。
◇これは穏やかじゃァないと右手で直に確認すると、一本は疑いようもなく自分の左手であり、当然ながら感覚も体温もあるのだが、もう一本はひやりとした肌触りで、かつ無感覚である。
◇おやおや何処の子猫ちゃんかな、などという余裕は1ミリもなく、振り返るのがただただ恐ろしいだけで、しばらく動けずにいる。
◇正面には電源の入っていないテレビが設置してあり、暗い画面仄かに映し出された左手の主は、大正ロマン的前髪ぱっつんショートな髪型の女子で、記憶の限り全力で知らない顔である。
◇ななな夏だからひひひひんやりしててよいかも。

(了)

投稿者 yoshimori : July 12, 2012 11:59 PM
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