本日ァ中目黒での年四回公演の地域寄席でござんす。
あたしゃァ先の会は欠席しましたが、本年はこれで三回目になりますな。
『中目黒寄席 第108回公演』
@上目黒二丁目・中目黒GTプラザホール
春風亭 正太郎◆宗論
「やってますね、高校野球」
「母の実家が甲子園の近くにありまして、今まではそこから歩いて行こうとしたことはなかったんですが」
「この間初めてですね、歩いて甲子園まで行こうとしましたら、まァやはり私はそこに住んでませんから、道がよく分からないんですね」
「で、ご近所の方らしきおじさんに聞いてみました」
「『あの、甲子園にはどうやって行ったらいいんでしょうか』」
「『・・・兄ちゃんな、そら日々の練習やで』」
「関西の素人は関東の芸人より面白いと思いました」
サゲ:
「いいえ、あたしは隠れ切支丹です」
入船亭扇遊◆試し酒
「オリンピック終わっちゃいましたね」
「柔道の松本薫さんですか、・・・凄い形相でしたね」
「メダル貰って笑ってる顔は、かわいらしいんですが」
「・・・まァアスリートの方も昔と比べて綺麗になられましたね」
「我々の世代で五輪と云えば、東京オリンピックですよ」
「バレーボール代表の方は『東洋の魔女』って呼ばれてました」
「あの頃小学生でしたが、子供心に何で妖精じゃなくて魔女なんだろうって思ってましたね」
「今思えばキャプテンの河西(昌枝)さん、・・・確かにあれは魔女でした」
サゲ:
「表の酒屋で五升飲めるか試して来た」
春風亭 正太郎◆化け物使い
サゲ:
「旦那ぐらい化け物使いの荒い方はない」
入船亭扇遊◆井戸の茶碗
サゲ:
「磨くのはよそう、また小判が出るといけない」
追い出しこそ鳴りませんが、これでお開きでござんす。
辛ぇもんでもいただこうかと、頭ぶっつけそうな低い鉄骨を潜りまして、木製の席に着きまさァね。
茹で鶏が載った鶏出汁炊き込み飯、甘辛く炒めた軟らか殻の蟹とにんにく小海老苦瓜でも抓みながら、獅子や豹が印刷された壜を掲げて飲んだくれましょうかねぇ。
(了)
<覚ヱ書キ>
◇カオマンガイ、プーニムトードガティアム、ヤムマラ
◇『三人の悪党 きんぴか①』 浅田次郎(光文社)、読了。
◇軽妙な台詞回し続きながらその性根は熱い。