えェ本日ァ久方振りの定席寄席でござんす。
神保町からァ都営新宿線、馬喰横山からァ東日本橋まで歩きまして、都営浅草線に乗り換えまさァね。
『平成24年9月下席夜席』
@浅草一丁目・浅草演芸ホール
初代林家三平師匠、三十三回忌法要なんてんで、高座には花花花で賑やかンなことになっておりますな。
古今亭菊太楼◆饅頭怖い
実は開始時刻を数時間過ぎておりまして、開口一番には間に合わず、何人目かに上がった菊太楼師匠ですら、あたしが途中からの入場を忌避した為に、会場の外から伺いました。
すず風にゃん子・金魚◆漫才
金魚師匠、いつ見ても秀逸な「猿」演技です。
他の物真似としては、大石内蔵助を演ずる長谷川一夫、古畑任三郎を演ずる田村正和がありました。
古今亭菊志ん◆義眼
菊志ん師匠、最後に拝見した時より髪が短くなっております。
相変わらず高座から下がる際の様子は、「何かに憤りを感じている」体(てい)でした。
内容:
眼科に始まって肛門科的なサゲになりますてんで、割愛します。
桂ひな太郎◆強情灸
「落語界の(坂東)玉三郎と呼ばれております」
「・・・どちらかというと、病み上がりの舟木一夫ですかね」
林家正楽◆紙切り
ご挨拶代わりの「相合傘」から始まりまして、りくえすとによる「初代三平」、「月見酒」、「葡萄狩り」、「矢切の渡し」と続きます。
正楽師匠が高座より下がった後、前座見習いさんが出てきまして切り屑を片付けるんですがね、少し恰幅のよい方でして、自らの手と腕の脂を利用した細かい屑拾いに、客席より拍手が沸いておりました。
春風亭一朝◆幇間腹(たいこばら)
サゲ:
「皮が破れて鳴りませんでしたァ」
お仲入りで御座ィます。
あたしの前の席には相撲取りの方が座ってらっしゃいました。
同行されているご婦人からは「タメ口」を浴びせられており、力士ご本人から発せられていたのは完全に「敬語」でした。
どんな関係性なんでしょうか、女将さんの娘とその部屋住みの弟子なんでしょうか、気になるところです。
翁家和楽社中(和楽・小楽・小花)◆曲芸
番組表には「太神楽(だいかぐら)」ではなく、「曲芸」とあります。
浅草ではそう呼ぶんでしょうかねぇ。
いつ拝見しましても、小花師匠の「扇子落とし」の技には緊張感がみなぎります。
林家正雀◆鴻池の犬
正雀師匠、髪が真っ黒でござんす。
何ですか、色気づいて。
サゲ:
「鯉の池だ」
三遊亭歌る多◆初天神
内容:
団子屋までゆかず、飴屋のしーくえんすで終了しておりました。
この方の子役は、べてらん女性声優の少年役の声に重なります。
昭和のいる・こいる◆漫才
やはりいつ伺っても、こいる師匠の相槌は秀逸ですなァ。
「はいはいはいはい、そうだよなそうだよな、しょうがねぇやしょうがねぇやしょうがねぇやな、ほーほーほーほー、まァどっちでもいいや、関係ねぇ関係ねぇ関係ねぇ」
春風亭勢朝◆大師の杵
以前より音源でしか存じ上げませんでした勢朝師匠、初の生勢朝です。
昭和なていすとの眼鏡の奥に光る目の輝きが常人には見えません。
それでも快活に噺は進んだり、脱線したりします。
「以前、名前は云えませんがある師匠のお供で鎌倉まで行ったんですね」
「誰とは云いません、『笑点』出てます、誰とは云いませんが、黄色い着物です」
「お寺さんがありまして、前を通ったんですよ、そしたら黄色い着物の師匠が」
「『勢朝くん、これが<連れ込み寺>ってんだよ』って云うんですよ」
「・・・それは『駆け込み寺』だろうと思いましたが、何も云いませんでした」
「ある時はお膳の上に載ったお菓子を指差して云いました」
「『勢朝くん、そのコペンハーゲン取ってよ、コペンハーゲン』」
「これはバウムクーヘンですよ、とは云えませんでした」
「馬鹿なんですよー」
サゲ:
「そりゃァ臼だ」
ぺぺ桜井◆ギター漫談
「最後は『さよなら』という曲でお別れしましょう」
じゃーんじゃじゃーんじゃーんじゃかじゃかじゃかじゃーんじゃじゃん♪
「・・・さよならッ」
古今亭菊之丞◆井戸の茶碗
・・・菊之丞師匠には大変申し訳ないんですがね、体調がちょいと悪かったのか、ほぼほぼ気絶しておりまして、サゲまで記憶がござんせん。
追い出しが鳴りまして、お開きで御座ィます。
・・・これから外へと放り出され、居酒屋難民となりまして、浅草の町をさまようことになるんですがね、それはまた別のお話で御座ィます。
(了)
投稿者 yoshimori : September 28, 2012 11:59 PM