シチリア島と長靴が意外と密接していて、青の洞窟の驚きの青くなさ加減に感心していた頃、五十を半ば過ぎた自称不動産業の社長は、和ファストフードの店にて注文した牛丼に対して茶髪店員より「3分ほどお時間いただきますけどいいすかァ」と告げられ、「…じゃァ納豆定食」と返して配膳されたそれをファストバイトするまでに幾つかの儀式をこなさねばならず、通常の丼物よりも遥かに忙しい作業が待っていることにさえ気付かない十二月の中旬。
(了)
投稿者 yoshimori : December 19, 2012 11:59 PM