◇『日輪・春は馬車に乗って 他八篇』横光利一(岩波書店)、読了。
◇当時「新感覚派」の旗手と評された横山だったが、海軍報道班員として戦時徴用されたことから戦犯追及の対象となっており、戦後は不遇だったという。
◇「機械」なる短編では最後に主要登場人物のひとりが陰惨な目に遭うのだが、時折挟み込まれるエピソードが滑稽に過ぎる。
◇ひとりの忠義な従業員が主思いが過ぎて、現実にはくすりとも笑えないはずの「マウントポジションからのグー殴り」を主人公に行うが、計算されつくした構成のコントのようで、じわじわくる妙味がそこに。
◇…駄目だ、も一回読も。
(了)
投稿者 yoshimori : February 18, 2013 11:59 PM