February 24, 2013

◆『草食系アクティヴィティ』

本日ァ東新宿での落語会でござんす。
寒風吹き荒む中をとぼとぼと移動しますな。

『道楽亭開店三周年記念寄席【第三部】華の真打競演』
@新宿六丁目・新宿文化センター小ホール

春風亭一力◆垂乳女

本編:
父親の名は「佐藤慶三」。
「一文字草」の件の前で終了。

古今亭文菊◆壺算

「今日はこういう広いところですが、この会の普段の会場はご案内の通りあの立地でして」※新宿三丁目
「行った方はお分かりになるかと思うんですが、楽屋とお客さんの席がカーテン一枚で仕切られているんですね」
「何がどうかと云いますと、まァお客様の声が丸聞こえなんですよ」
「そりゃァね、いいこと云ってましたらいいんですけど、大概はいいこと云わないですね」
「で、また別の会ですが、席亭の橋本さんから『着替えの為のホテルを取ったんでそこを使ってくれ』と」
「ありがたい話じゃないですか、わざわざホテルの一室を着替えの為に使わせてくれるなんて」
「しかしですよ、あの立地ですからね、まァここでは詳しく申し上げませんが」
「橋本さんに案内されまして、ホテルに行くわけですよ」
「髭の橋本さんと、この坊主頭が連れ添って」
「あの立地ですからね、これ以上は申し上げませんが」
「フロントで…フロントって云ったってこういう狭い窓口に遣り手婆ァみたいなのが顔を出してるんですよ」
「『アラ橋本さん、いつもの?』」
「『うん』って嫌ですよそりゃァ」
「こんなところを通りすがりのお客さんにでも見られたら、『ああ、文菊も堕ちたな』」

柳家喜多八◆首提灯

「生前、(柳家)小さん師匠が寄席の余興で居合いを演るんですよ」
「落語を演りゃァいいものを自分のを振り回したいんでしょうね、刀持参でこう振りかぶって『鋭ッ!』ってやるんですね」
「本身ですよ、すぐそこ客席ですよ」
「で、本物の日本刀には鑑定書が付いてるんですね」
「当時、まァそれを見せていただきまして」
「昔の話ですから云いますけど、鑑定書ってのは実際に罪人の亡骸で試し斬りした結果を書くそうですね」
「小さん師匠の鑑定書には『二人まで』って書いてありました」
「そう思うとぞっとしますね」

お仲入りで御座ィます。

古今亭菊之丞◆幇間腹(たいこばら)

「(柳家)さん喬師匠と(柳家)権太楼師匠の会がありまして」
「まァお二方はよく二人会とか開いてらっしゃいますが」
「そんな仲が良いわけではありません」
「楽屋ではひっとことも口利かないんですよ」
「当時、あたしと(橘家)文左衛門と一緒だったんですが」
「もう若手同士でも話す雰囲気がありませんでしたね」
「で、当日さん喬師匠の根多が『明烏』だったんですよ」
「こうヘッドフォンしながら集中して聞いてるわけですよ」
「こう口元に何か運んでる風で、ああもう終盤だなって見てましたら、急にヘッドフォン外しまして」
「『前座さん!甘納豆買ってきて!』ってお足をくれるんですよ」
「で、前座が買ってきたのがこれが、ぬれ甘納豆なんですね」
「さん喬師匠、『これじゃ駄目だ』って云いながらも、そのままぬれ甘納豆持って高座に上がっちゃいました」

瀧川鯉昇◆茶の湯

「先日ようやく還暦を迎え、赤いちゃんちゃんこを高座で着るはめになりまして」
「まァ普通は見たが若いのに赤いちゃんちゃんこなんて似合わなくて恥ずかしくなるんですが」
「充分に年相応でございまして、何の違和感もございません」
「私の最初の師匠、(春風亭)小柳枝も次の師匠、(春風亭)柳昇もそういう祝い事を高座ではやりませんでしたが」
「私はうかうかと乗せられ、ちゃんちゃんこまで着てしまいましたが」
「私どもの商売ではこういった祝い事を高座でやってしまった後…二年未満で旅立ってしまうと聞きまして」
「あと一年半は大丈夫だと思いました」

追い出しが鳴りましてお開きで御座ィます。
あれから目当ての店が満席で門前払いされまして、代案としての店で三層肉、葱の粉物、玉子蒸しや辛味餅を胡瓜焼酎でいただきまして刻限まで飲んだくれるんですがね、それはまた別の話で御座ィます。

(了)

投稿者 yoshimori : February 24, 2013 11:59 PM
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