◇百人町にある延辺料理の店に来ている。
◇何の因果でこうなったのだろうか。
◇常日頃、「喰えないものはない、食文化として確立された方法で調理さえされていれば」と条件付きで豪語していたばかりに、我が身に降り掛かってきたのに相違ない。
◇16時、その店に入った。
◇2階か地下1階か選べるという。
◇階下は逃げ場がなさそうなので、階上を選択。
◇まずはと会の主催者と共に「啤酒」から始める。
◇あてとしては「香腸(腸詰)」。
◇何気なく菜譜を開いてみる。
◇そこには食材としての認識が難しいカタマリがちらほらと写真入りで掲載されている。
◇…駄目だ、勝てる気がしない。
◇ヴィジュアルショックによるフェータルなメンタルダメージがハード過ぎてファーストのビアさえもドリンクアップできない。
◇ルー語がすらすらと出てくる辺りが逃避行動のひとつを覚り、思いのほか重症と知る。
◇18時、参加者2名が到着。
◇2名とも同郷同級生で25歳(♀)という。
◇仮名を「森ガール」と「舞台女優」とする。
◇主催者とは「げてものぐい」の会で知り合ったと話す。
◇「これがその時の写真。真ん中がタガメでー、右がコオロギ、その奥が国産じゃない養殖のG(自粛)でー」
◇「好きな虫? んー、大人の蜂!」
◇…誰だこんな猛者(もさ)連れてきたのは。
◇現時点での序列。
◇ぶっちぎりで「森ガール」、続いて同率で「主催者」と「舞台女優」、底辺に「私」。
◇そして、ここで待ちかねた品々を頼む。
◆蚕蛹(串焼)
◆狗肉大鍋
◇…ううう、おかあさんごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
◇他には逃げ場として「羊肉(串焼)」「酢豚」を。
◇感想から云うと、蚕蛹は羊肉同様にスパイシィな味付けにもかかわらず、「外側」のビターさ加減、ファッキンスメルと噛み切れなさだけがつらく、中身はさっぱり覚えてない、ていうか忘れた、、むしろ忘れたい。
◇狗鍋の肉は軟らかく想像していた臭味もまったく感じられなかったが、塩味と辛味成分が皆無な独特の香辛料ばかりが腔内に残り、美味しく食べるには不向きだった。
◇ホイッスルが鳴り響いて試合終了。
◇虫と犬を喰らいながら語らった内容は「関西地方における免許合宿事情」と「びっくり飲みという新しい飲んだくれスタイル」についての二点のみ。
◇気付けば7時間が経過している。
◇もうこのままでは罪なんぞ贖えないと知りつつも、横たえた身体のまま静かに目と閉じるしかないのだ。
(凌)
投稿者 yoshimori : March 2, 2013 11:59 PM