「で、君の特技は何かね?」
は、閣下、そ、狙撃には、じ、自信があります!
「何がおかしいのかね?」
い、いえ、何も・・・何もおかしくはありません!
寝てる時に描かれたのかな。
(了)
繁華街にあるうら寂れた、中華料理店と呼ぶにははばかられる佇まい。
メニューにカレーが並ぶ時点で、それは中華とは認められないという二十億の声はこの際無視して話を進める。
四十代とおぼしきスーツ姿の男たち、酒が幾分入ってるようで、声を荒げて会話よりも口論寄りな雰囲気。
「お前、リフォームする為に借金したんだろ? 今住んでるマンションどうすんだよ」
「だーかーらー、何度も言ってるじゃないか。マンションを担保にして金を借りたんだよ!」
「おかしいじゃねえか、住んでる家は売れねえだろ!」
「これから住む家と、今住んでるマンションは別なんだよ!」
「ああ? じゃあ何か? 住んでるマンションを売った金で、まだ住んでない一軒家をリフォームすんのかよ! そんな話は聴いたことがねえ!」
「だーかーらー、何度も言うけどな、マンションが売れないとリフォームでの借金は返せないんだよ!」
いやもう、ほんとどうでもいい内容で、しかも喧嘩腰になる必然性が全く無い上に、会話も支離滅裂で、食べてるレバニラの味を忘れる忘れる。
飲みの場でリフォームと借金の話題は避けようと思う。
(了)
「で、全然関係無いですけど、技がいろいろあるんですよ」
置き引きとか?
「いや、もう窃盗の話は終わりました」
ああ、そうですか。
「牛丼にも盛り方があって、いちおうマニュアルで決められているんですけど、やっぱり若者はあほだし、ひまだからいろいろやるわけですよ。ガンガン失敗しますけどね」
客としては堪らんな。
「先輩に猛者がいて、まさに秘技でしたね」
ほう。
「まず、丼に白飯を盛るじゃないですか」
はあ。
「で、具をですね、こう天井に一度放るんですよ」
えー?
「で、飯の上でキャッチして客に出すわけすよ」
絶対、肉のひとつやふたつはこぼれてる。
「『天空切り』って呼んでましたね」
あほだ。
(了)
「実は僕、牛丼屋でバイトしたことあるんですよ」
ほう。何処で?
「オレンジじゃなくて、赤いカラーリングのチェーン店ですね」
ああ、キムチとかチーズとか載る方だ。
「そうです。で、家の近所ってだけでバイト入ったですけど、かなりひどいことになってましたね」
ん? 厨房が?
「いや、人材がです」
嫌な上司とか?
「いえ、バイト全員が窃盗犯なんですよ」
それは紅生姜とかそういう話じゃないよね。
「ええ、まずひとりは一日の売上の中からプレステ2を買ってました」
げ。
「もうひとりは、新車のエスティマを現金購入でしたね」
ケタが違うな。
「ほんとかどうか分からないですけど、全員で一千万ぐらいはレジから抜いてるとか言ってましたよ」
何でバレないんだろう。
「僕が入った時には既にカオス状態で手がつけられませんでしたね」
この店、今でも営業しているという。
(了)
長い年月、永遠を指す言葉として、「未来永劫」という四字熟語がある。
先日、「劫」の意味を初めて知った。
かなりうろ覚えだが、内容は以下の通り。
■千年に一度、千里四方の岩に舞い降りる鶴がいる。
■鶴は着地の衝撃で一枚の羽根を岩に落とす。
■羽根が落ちた際、岩の表面がミクロ単位で削れる。
■千年鶴の次回の来訪は千年後の上に、毎回羽根を落とすとも限らない。
■上記内容を地味に繰り返し、最終的に千里四方の岩は跡形も無くなるという。
■千年に一度の羽根一枚落とし祭りで。
■これを「劫」という。
確かに有限的な逸話ではあるが、かなり無限に近くて気が遠くなる。
そして、明日の仕事がどうでもよくなる。
NHKスペシャルを観た後の感想に近い。
(了)
「ヘッドフォン予約しちゃいましたよ」
え? だって、まだMP3プレイヤーも買ってないでしょ?
「そうですよ」
それって、ファミコンのソフトだけ買って、本体持ってないみたいなフライングっぷりだな。
「例えが古いですね。歳がバレますよ。まあ、でもそんな感じですよ」
しかも、耳が畸形のくせに。現物でフィッティングしなくて大丈夫なの?
「ひどいですね、それ。それもそうなんですけど、それがですね、聴いてくださいよ」
何が?
「ネットの通販でいろいろ調べてたんですよ。そしたらそのヘッドフォンは、『納品予定一ヶ月先』とかほざきやがるんですよ」
ながっ。
「ですよね。でも、『一ヶ月先』っていう表現、かなり気になるじゃないですか。どんなのが届くんだって」
踊らされてる。『初回限定』とか『非売品』に似た響きがあるな。
「これで、一週間ぐらいで家に届いたらクレーム入れますよ」
既に発想がおかしな方向に。
たぶん彼は、手に入れるまでのわくわく感だけで支えられているのだろう。
ていうか、その前にMP3プレイヤーを買え。
(了)
「iPodって今は何処でも買えるんですか?」
何Podがいいのさ。
「え? 何種類もあるんですか?」
miniとかnanoとかshuffleとかあるじゃんか。
「僕、さっぱり知らないんですよ。別にiPodじゃなくてもいいんですけどね」
MP3プレイヤーが欲しいと。
「そうですね。実は自分耳のカタチがおかしいらしくて、イヤホンすると右耳だけはまらないんですよ」
穴が大きいのかな。
「いや、ある種の畸形ですね」
すげえ単語。
「で、今だったらイヤホンじゃなくて、耳に引っ掛けるタイプのヘッドフォンがあるじゃないですか。あれだったら僕にもイケるんじゃないかと」
引っ掛けられる耳の一部分ですら、やっぱり畸形だったという事実に気付いてしまった瞬間が問題だ。
(了)
「あ」
何?
「電話が鳴ってる」
えー? 聴こえないけど。
「ほら、ちゃんちゃんちゃららー、ちゃーららー」
しかも着メロ?
「ちゃらーらーちゃちゃちゃらー」
歌詞とか無いの?
「思い出せない。ちゃらーちゃらららー」
知らない曲だ。
「ここでギターソロ。ちゃららーちゃちゃらちゃー」
えー?
「で、このへんでマイケルが来る」
ジャクソン?
「ううん、ジョージ・マイケル」
なんだワム!か、ってそもそも電話は鳴ってない! こええ、あんたこええ!
(了)
「え、東西線よりお客様へお知らせ致します。先程高田馬場駅にてお客様の悪戯により、電車遅れての運行となっております。お急ぎのところ大変ご迷惑をお掛け致します」 ブツッ
何を、いや何に「いたずら」しましたかね、お客様は。
妄想は果てしなく、東京メトロの手口にもやもやさせられっぱなしだ。
(了)
「傘なんざ、女子供の持つもんだ」
駅前の焼肉店で知り合った、深谷で不動産業を営む元社会科教師で胃腸の悪い痩せた男は、排気量が軽自動車を遥かに越える逆輸入された二輪車に跨り、背中の途中まで伸びた長く色素の薄い髪を雨風にさらしながら、顔に霧雨が掛かるまいと傘を斜めに持つ私を非難した。
土砂降りの時はどうするのさ?
「どうもしない」
何で焼肉屋に来て、肉を食わないんだ?
「胃が受け付けない」
そのくせ、酒豪である。
しかも、フォアローゼスのブルゾンを着ながらワイルドターキーを飲み続けるという、何か儀式的なスタイルを取る。
彼の内臓機能のバランスは著しく崩れている。
相互理解が得られないまま別れ、なおも雨は降り続ける。
彼は今日も深谷近辺で雨に打たれ続けているのだろう。
彼は身内の中で唯一、死を連想させる。
酸性雨に打たれながら死に臨んだルトガー・ハウアーを思い出す。
(了)
「おはようございます」
ああ、おはよう。
「雨ですね」
雨だな。
「晴れますかね」
どうだろうね。
「傘折れてますよ」
ああほんとだ、気が付かなかった。
「あほですか?」
ん? 何か言ったかね。
「いえいえ、折れた傘は危ないですよ」
ああ、そうだな。気を付けよう。
「ほんもののあほですね」
ん? 何て言ったのかね。
「いえ、晴れたらいいですね」
そうだな。
「まったくどうしようもないですね」
何がだね?
「いえ、雨が止まないと憂鬱ですよ」
折れた傘だしな。
「あほまるだしですからね」
ん? 何と言ったかね。
「いえ、きっと止みますよ、雨は」
そう願いたいな。
便利な耳だな。
(了)
「マ、マリちゃん」
なにー?
「あ、あのさ、今度の」
ごめんね、今度の土曜はまもる君とガスト一号店に行くの。で、日曜はとおる君と廃墟で古い医療器具を探すの。次の土曜はシンジ君と始発から終電まで山手線ぐるぐるぐるぐるして、日曜はケビンと東京タワーでノッポンの中に入ってる人を白日の下にさらすの。で、その次のその次の週も予定がみっしりなの。
「マリちゃん、忙しいんだね」
ううん、今日は空いてるよ、後2分ぐらいは。この後カルロスとショールームなんだから。あっ、カルロスきたー。じゃあね!
選択肢の数だけ人は傷付く。
ていうか嘘ってことに気付け。
(了)
「あれ、誰ですか?」
あ、今度入った新人だから、仲良くしてね。
「え? 新人って、かなり高齢じゃないですか」
そんなことないって、実際より老けて見えるだけだから。
「いや、それにしても限度がありますよ。だって、手とか震えてますよ」
ただのアル中だってば。
「なーんだ、って余計タチ悪いじゃないですか!」
友達になってあげてよ、いつもひとりなんだから。
「かなり会話とか厳しいですよ。僕の祖父レベルですよ、確実に」
だったら尚更おじいちゃんには優しくしないと。
「今おじいちゃんって言いましたよね」
一般論だよ、一般論。
「さっき傍を通ったんですけど、何か拝んでましたよ」
ワールドカップ優勝できますようにって祈願じゃない?
「いやいや、たぶんロナウジーニョが誰かも知らないですよ!」
それぐらい知ってるから。さっき話したら、トーゴ戦は熱いって言ってたよ。
「嘘ですよ、いい加減なこと言わないでクダサイヨー」
あれ、いつの間に片言?
「まあいいんですけどね、この仕事が如何にハードか彼に教えてやりますよ」
何で老け顔ってだけでそんなに敵視するかなあ。
「老け顔じゃなくて、あれは老人だ!」
はいはい。
(了)
「だいぶ焼けましたね」
ああ、まあね。
「海とか行ったんですか?」
あ、うん、そう、海海。
「あれ? この話は内緒気味ですか?」
いや、別に。
「あまり話したがらないじゃないですか」
そんなことないっすよ。
「何故か後輩口調ですよ」
いやいやいや、まあまあまあ。
「段々抽象的になってきた」
・・・負けたよ。
「何がですか?」
そんなに俺の秘密を暴きたいなら教えてやろう。
「話が大きくなってきましたね」
青森に六ヶ所という村がある。
「あっ! ごごごごごめんなさい!」
分かればよろしい。
(了)
「先輩、昼どうします?」
ん、そうだな。天丼とかどうよ?
「すいません、僕、丼ものが駄目なんですよ」
え? それは、ご飯の上に具が載ってるの状態が駄目ってこと?
「あ、もうそれ以上言わないでください。昼食べられなくなりますから」
難しい偏食っぷりだな。
「いや、基本的に食べられないものは無いですけど、いろいろこう盛り付けというか、何か嫌なんですよ」
確かに偏食とは言わないわな。じゃあお前が食べたいものでいいよ。
「そうですね、蕎麦とかどうです?」
あ、ごめん、俺、蕎麦、無理。
「アレルギーですか?」
いや、長くて細いものが食卓に並んでると、ってこれ以上言わすな。
「はあ、難しいですね」
お互いな。
(了)
「実は僕、フリ○メ○ソンのメンバーなんです」
え? えーと、そ、そうなんだ。
「何か不審げな顔してますね」
いや、そんなことは。よく知らないから何を言っていいのかも分からないんだよ。
「週に一度は山羊の首を斬り落としてます」
まじ?
「って言えば分かりやすいですか? ちなみに嘘ですけど」
分かりやすいけど、物凄い例えだね。
「まあそれに近いことはやってますね、新人研修で」
近いのか。研修とかあるの?
「教えられません」
だって、自分から言ったじゃんか。
「秘密主義ですから」
メンバーであることは喋っていいのか。
「まあ愚民どもを手なずける為の手段だと思ってくれ給え、ふはははは」
急に態度変わった!
(了)
「ダムは好きか?」
は?
「ダムは好きかと訊いているんだ」
ダムですかー。
「煮え切らんな君は」
まだ何も言ってませんよ。
「ダム好きなら即答だぞ」
じゃあいいですよ、ダム好きじゃなくて。
「すぐ諦める奴はダム好きとは言えん」
だから、別にいいですってば。
「ダムの何が悪いんだ? 村を沈めるからか? 人柱を使うからか?」
悪くないですよ、人柱は何だかですけど、発電するし。
「発電すればいいのか君は」
大事じゃないですか、電気。
「じゃあ手を洗え」
何ですか、いきなり。
「水だ」
はあ。うわっ、冷たいっ。
「そしてこれが電気だ」
ちょ、まっ、うわっ! 殺す気か!!
「分かったか? 電気の怖さを」
あんた、ひどい人だな!
「そして、ダムの恐ろしさを」
いや、結論がおかしい。
(了)
「『居ても立ってもいられない』ってよく言うじゃない」
座ってても立っててもいられないってことでしょ?
「じゃあ何? 中腰?」
それは立ってるんじゃないかな。
「空気椅子」
同じだな。
「ジャンプ」
ああ、なるほどね。
「はい、ワンツーワンツー」
ワンツーワンツー。
「そこでジャンプ」
ジャンプ!
「居ても立ってもいられない感が出てるね」
んー、微妙。
(了)
「怖っ」
落ちたら死ぬね。
「底が見えない」
石投げてみようか。
「よしなよ」
えい。
「・・・何も聴こえない」
かなり深いね。
「あ」
何なに!
「何か書いてある」
どれ。
『はじめてのアコム』
「何か怖い」
怖いね。
(了)
「携帯替えたんだ」
あ、ほんとだ。
「これ振動するんだぜ」
ん? 普通するでしょ。
「ほら」
うわ、何これ! 液漏れてる、液漏れてる!
「他にはねえ、写真が撮れる」
えー?
「カシャ」
うわ、汁出た、汁出た!
「ね」
ね、じゃねえよ、そんなん棄てちまえ!
(了)
「ひとが来るってば」
誰も来ないって。
「嫌だって」
来ないって。
「寛子に言いつけてやる」
大丈夫だって。
「テリーにも言いつけてやるんだから」
伊藤?
「いや、アメリカ代表」
ああ、超人の方ね。
「米って書かれるよ、額に」
いいじゃん、米。ライス最高!
「ああっ、そうか!」
何が?
「ライスってそういう意味だったんだ!」
お前さ、小学校出た?
(了)
「暇だな」
うん。
「誰も来ないな」
今日もね。
「最後の来客って、いつだったっけ?」
さあ。
「勤続年数は君の方が長いだろ」
もう覚えてないよ。あ、犬。
「首長いなー」
何て種類だろうね。
「アメリカンロングネックだな」
適当だね。
「嘘だからな」
嘘かー、最近ついてないなー。
「嘘じゃん、それ」
ほんとだ。
「で、どっちが嘘つき門番だっけ?」
おれおれー。
「そうだっけ?」
きみきみー。
「やっぱりな」
あ、人来たよ、人。
「お、首長いなー」
ほんとだ、ていうか嘘だね。
(了)
「もういいっすよー」
何言ってんの、後これとこれとこれとこれで終わりだから、あとこれと。
「もう無理っすよー」
じゃあ、俺がこれとこれとこれやるから、残りのこれとこれ宜しく、あとこれと。
「帰りましょうよー」
俺だって帰りたいよ。
「じゃあ死にます」
いや、別に死なんでも。
「じゃあやめます」
あっさりだな。
「微妙に死にます」
微妙は困る。
「微妙にやめます」
んー、難しいな、それ。
「もう帰りますよー」
これとこれで終わるから、あとこれらと。
「コレラ?」
死ねるねえ。
「それでいきましょう」
それか? ほんとにそれでいいのか?
(了)
「いらっしゃーい」
あのー、電池置いてます?
「何? 単一? 単二?」
ボタン電池です。
「あの、ひらべったい、銀色の、プラスマイナスがいまいち判別つかない、銀色の」
二回も言うな。
「ありますねえ」
何処に?
「家に」
店じゃないのか!
「でもなあ、使ってるしなあ」
売る気ないじゃん。
「明日暇だから家に取りに来る?」
いや、行かない。
「何で? 家が鎌ヶ谷だから?」
近くても行かないし、鎌ヶ谷遠いし、あんた知らないし。
「じゃあ、無し」
えーと、もういいです。
「ありがとうございましたーって何も買ってねえか、ガハハハ」
誰なんだ。
(了)
浅草にある老舗呉服屋の三男、の友人(厚木在住)。
■住んでる部屋の隣室がゲイ。
■隣人ゲイ、傷心の果てに自殺を図ろうとガス栓をひねる。
■漏れ出したガス臭で周辺住人が驚き、出所であるゲイを部屋を突き止める。
■思い留まるようにと説得に当たる。
■思い直したゲイ、「あたしってばかよね」と取り出した煙草にライターで火を点ける。
■爆発。
■火の手はアパート全体を包み込み、大火災に。
■「何で俺がこんな目に」と焼け出された友人。
■以来、激しくオカマを憎むようになる。
都市ガスって引火するんでしたっけ?
酒屋のレジ脇に調度品のように座り続ける隠居爺と。
「田舎はどちらですか?」
富山です。
「あー、富山ですかあ。昔ね、あすこに富山の人が居てねえ」
と爺が指差す先は元巣鴨プリズン。
えーと、コメントできませんよ。
(了)
■友達がデリヘルの店長やってるんですよ。
■たまたま無断で休んだ子がいて、「今度からは休むとき電話してね」って優しく言ってるのにキレるんですよ。
■「何でそんなこと言うんですか? あたしのこと信用してないんですか!?」ってかなりの剣幕で会話にならないんですよ。
■あいつらのキレどころがさっぱり分からないですね。
■やっぱ風俗って、基本かわいい子が人気あると思うじゃないですか。
■一回だけ客からの電話を取ったことあるんですよ。
■「すごいの寄越してよ」って言うから、「すごいのって何?」って店長に訊いたら、「そこにいるよ」って言われて振り返ったら、かなりボリュームのある子なんですね。
■えー、これー? と思いましたけど、とりあえず向かわせてから、しばらくしてさっきの客から電話があって、何だろうクレームかなチェンジかなと思ったら、「いや、ほんっとすごいの寄越したねえ~」って、めっちゃ嬉しそうなんですよ。
■当時はそういう太いのばっかり指名されてましたね。
当時っていつのはなしだ。
(了)