気が付けばもう月末だ。
諸事情により針と糸を持ち出して裁縫に心血を注ぐ。
裂けた布を縫い合わせるという単純な作業なのだが、不慣れか向いていないのか上手くできてる気配が微塵もない。
無我の境地で針を刺したり抜いたりしていると、何故か故・由利徹の顔が浮かぶ。
・・・2分後。
ああ、これは由利氏が老婆に扮して針仕事パントマイムをしているのを、同じく針仕事を記憶装置として思い出しているのかと納得。
厭な引出しを開けた気分。
(了)
夢を綴るのは難しい。
起き掛けは必ず怠惰だし、紙にペンを走らせる動作が重労働だからだ。
灯りを点けるのももどかしく、暗がりで行間を大きく無視した筆記。
後で読み返すと、内容はおろか書いた事実さえ忘却の彼方だ。
メモの一部に自分の字とは思えない筆跡で、
「ホシガレイのにほひがする」
とある。
夢の中でも臭覚は機能するのだろうか。
その前に何故に古語?
ていうか、現実世界で夕飯時に近所でホシガレイが焼かれていても、匂いは分からない自信はある。
「野球とエビフライ」
この組合せは禅問答に近い。
辛うじて「フライ」が共通項とこじつけられるが、それ以上の結論は無い。
謎は深まるばかりで御座います。
(了)
蒋介石生誕120周年式典帰りという方から高級茶葉を頂く。
中華民国初代総統は、1887年生まれということか。
表面には「極品」という表示が、物凄く控えめに印字されていてまず素敵。
裏を返すと、「茶の立て方」が中国語、日本語、英語で記されている。
1.茶器を熱湯で温めて後此の湯
を捨て新に沸騰湯で茶を立て
一分間後に召し上がれば此の
茶獨特の香を賞味る事が出ます。
どこで息継ぎをしてよいのか分からない点を除けば、全体的に意味はよく通じている。
2.一回の茶の葉は数回お使用出
来ます。
「お」? これもまあいいとして。
3.茶器は瀬戸物を使用するとヌ
格別は味を賞味出来ます。
「ヌ」? 「又」だろうか。
いきなりのカナ出現に大脱力。
中国製花火の説明文を読みたくなる。
「ぢぬんのうえにおいて、
どらかせんにせんこらで火をつけると
ぐろぐろかいてんします」
(了)
新宿区にある飲食店にて、草笛光子と同室となる。
名前を思い出すまで12分経過していた。
顔を確認しようと検索してみたら、1933年生まれとある。
プロフィールの中に、
「横溝正史原作の金田一耕助シリーズでは、『犬神家の一族』の梅子役を筆頭にシリーズ全てに出演」
とあって、かなりぐっときました。
(了)
先日購入した『風林火山』井上靖を読了。
現在NHKにて大河ドラマが放映されている同名の原作なのだが、現時点で山本勘助は、武田晴信(後の信玄)には仕官していない。
ていうか、これは原作と呼べるのだろうか。
まず原作では、武田家家臣板垣信方に近づく為、浪人を遣い板垣を襲わせ、自らが身を呈して助けて恩義を売った上に、勘助自身が件の浪人を斬殺しているという、
「不良にからまれたあの子を助ける茶番」
よりも全然かわいくない、口封じが先行した卑劣っぷり。
挙句、念願の武田家仕官が叶うも、晴信が諏訪家領への侵攻時に滅ぼした諏訪の娘を、有力豪族である油川の娘を側室に迎えた主君と、ふたりの側室の間に挟まれて右往左往させられる勘助という、
「愛人を多数抱える代議士の後始末をさせられる第一秘書」
にも似た小さい仕事がほぼ全編を占めている。
で、晴信がやたら側室との子作りに励むので、このままでは間違いなく「御家騒動」になると判断した勘助は、晴信に出家を断行させ、自らも法体(僧の姿)となる。
しかも、晴信の側室らからは、
「あははー、勘助もー? お気の毒ぅ」
と笑われる始末。
井上先生、これじゃ名代の軍師もかたなしですわ。
(了)
「は、鼻の穴に針金がっ!?」
あきらめろ、若造。
ここは鴨鍋店の軒下だ。
あとは葱の入荷を待つだけだ。
「PETAに訴えてやる!」
無駄だ。
そうだ、無駄だ。
あんな動物愛護ヤクザ、管轄は欧米だけだ。
「ひ、人が来た!」
次は誰かな?
次は俺かも。
かも? 笑えないねぇ。
ご馳走様でした。
(了)
ひどく乾燥した室内でかれこれ二時間は放置されている。
体調が崩れてゆく様子が五分単位ではっきりと自覚できる。
隣席の同僚は厭な咳が止まらない様子。
しかも「今日は泊まりかも」という。
呼ばれて飛び出てここにいるはずなのだが、呼び出した人々は自分を空気のように扱う。
18時に交代要員が到着すると聴いて、微かな希望を持つ。
時間を追うごとに激しくなる同僚の咳は、数人に伝播したかのように室内に響く。
突然の睡魔に対抗しきれずに身を任せていると、交代要員が到着した様子。
時計を見ると、18時18分。
「俺は帰るけど君ら泊まり確定な」と言い捨て、逃げるようにビルから立ち去る。
いやー、なんでしょうね、この具合の悪さは。
喉が痛くて、ぼんやりが止まりません。
熱っぽくて寒気までする。
恋?
(了)
ということで先日より社会復帰を果たし、雑務に追われる毎日。
スーツ、Yシャツとネクタイを数日間身に着けてみて気付いたことは、
「長年の私服勤務が崇り、白いYシャツと地味なネクタイを持っていない」
ということだ。
幸か不幸か、およそ十年振りに黒い髪ではあるが。
毎日がコスプレです。
(了)
【英国人スケートボーダー、オーストラリアを達成 (1月22日19時47分配信 ロイター)】
いまいち27歳には見えないスケートボーダーのデヴィッドは、ある日、「これまでの人生を振り返ろう」と思い立ち、単身渡豪。
13足のシューズを履き潰し、ホイールを5回交換して、5ヶ月で5823キロを走破したという。
走破のコメントを求められた自称27歳は、
「延々と続く長い道を見ていると気が遠くなるから、いつも下ばかり見ていたよ」
と世界記録を打ち出したヒーローとは思えないネガティヴ発言。
これは番組の企画なのか。
やらされてる感が否めない英雄、無理をするなと言いたい。
(了)
諸事情により原宿にいる。
竹下通りから路地を入ると石段があり、神社へと通じる道がある。
東郷神社はその名の通り、日露戦争時に日本海大海戦でロシア・バルチック艦隊を殲滅した連合艦隊司令長官、東郷平八郎を神体として奉っているという。
昭和33年建立というが、フォルムがやたらとメカニカルな狛犬
神社本殿からいそいそと出てくる、神前式中の神主、新郎と新婦。
平八郎の縁者か、それとも彼に心酔した「右」な一族の出かと邪推が働くも、尋ねるわけにもいかず、もやもやしたまま背後をスルー。
だからというわけでもないが、帰りに立ち寄った古書店にて、司馬遼太郎先生著『坂の上の雲』を探すも、第一巻の在庫が無く挫折。
代わりにというわけでもないが、井上靖先生著『風林火山』を購入。
どミーハー。
(了)
数ヶ月間悩まされ続けた隙間風に耐え切れず、二間分の窓を埋めるべく生地専門店へ。
なかなかファンシーな布に囲まれ、布切り職人である初老の男性と、レジ担当の薄幸そうな中年女性従業員が、隣接するドラッグストア店頭販売員の放つ、「マスカラ、値下げしてますから!」という厭な絶叫の100分の一もない声量で接客している。
布切り職人、ヤード法で長さを指定してくるガイジン客にはメートル法であしらい、専門学校生の「革は洗えますか?」との質問に、「無理」とにべもない。
おそらく生涯用は無いだろうというチャイナドレスの素材やキルトが展示してあるフロアをスルーし、麻布1.8メートルを4枚、1.5メートルを1枚購入し、スキップで帰宅。
スキップは嘘。
暫定的だった一間分しかないカーテンを除去し、購入した4枚の布を吊る。
壁紙と同色なので、窓の無い部屋のようだ。
おお、寒くない。
今まで何だったんだ。
生地が薄いから、室内での動きは丸見えだけどな。
近隣にお住まいお勤めの皆様、本日限りでドキドキ生着替えは終了致しました。
次回よりシルエットでお楽しみください。
(了)
前回までのあらすじ:
一郎との結婚生活に疲れ果てた町子は、半生を自伝にまとめ雑誌社に投稿するも落選し、自堕落な日々を過ごす。
一方、横浜で起業し成功した一郎の兄、茂は町子の双子の妹、京子に求婚するが、実は京子、実の姉と知り思い悩む。
一方、仏印で戦死したはずの茂の父、栄次郎が妻、妙子の前に現れ、半狂乱になる妙子。
戦後の混乱と共に没落してゆく旧華族の盛衰記、ここに完結。
10/13 トンネル通過1000人目、セーブせず。
10/14 長崎ちゃんぽんの店から聴こえる『六甲おろし』
インドアにおけるロールプレイングゲームでのイベント発生を逃したという悔恨の念。
長崎県人には、阪神ファンは多いのか否か。
次月に答えは無い。
11月、12月は日常的な予定のみでメモは無い。
総括:
■主語・目的語を明記し、後で読み返しても意味の伝わる内容を。
■拾われて中身を吟味されると「電波」な人と思われるので、どのような状況下でも携帯電話は死守すること。
■半径1メートルを離れたら自爆するぐらいの気概は必須。
■あっ!
■ぼーん
(了)
前回までのあらすじ:
長い逃亡生活から解放されたオフィーリアは、亡き母の愛人、シュトロハイムと出会う。
一方、共産党員として秘密警察から追われるアルメイダは不治の病を患っていた。
7/3 「お父さん帰ってこないかなあ」「重いよ、それ」
7/19 クリニック 来年8月
七夕の願いが「父との再会」という少年と、それをたしなめるその友人。
今となっては種々雑多な医療機関に通院する毎日だが、この頃は何も患ってはいない。
何のクリニックだろうか気になる。
だから、詳細を記載しないと意味ないというのに。
次月より長い闘病生活が始まる。
8/15 BBQ NG
8/20 フットサル NG
8/28 5256 SH 6322
諸事情によりバーベキューには行けず、フットサルにも参加していない。
4桁のパスワードは、携帯用ゲームのメモに過ぎない。
夏らしいことをしない夏、次月は海へ山へ!
9/25 周囲数メートルが良ければそれでいい。
誰かの発言だろうか、何か限定的で排他的過ぎて不憫に思える。
次月は思慮深く。
(續く)
前回までのあらすじ:
最愛の妹を失った槙原は、モンテカルロにあるホテルの一室で酒浸りの日々を過ごす。
一方、首藤の協力を得て「山猫」を抜けた冴子は、単身香港へ向かうのだった。
4/9 隣室チャリ隔席やばい砂。
4/29 中目黒 鮨
「やばい砂」の意味はさっぱり不明だし、鮨は食べてない。
そもそも「中目黒の美味しい鮨」をメモるのであれば、店名を記載しないと意味がない。
次月は意味ある行動を。
5/5 BBQ プロパン
5/13 土佐
5/17 改装
プロパンガスでバーベキューはしたが、高知には行ってないし、改装もしていない。
土佐っ子に会ったということか。
「改装」されたのは、よく行く店だろうか。
次月は主語と目的語を大切に。
6/2 茶房
6/24 チェーントップ 小学生 円山町 コンクリート 双子
言ったそばから難解な単語が並ぶ。
茶房で茶葉を購入したと考えても、続く語群が暗号のようだ。
「チェーントップ」の「小学生」が、「円山町」にある「コンクリート」の前を歩いていて、「双子」に見えたのだろうか。
次月は起承転結を目指したい。
(續く)
今更ながらに前年を総括してみる。
携帯電話に付加された機能のひとつ、スケジュールからの転記に頼ることとする。
1/4 東京セクシーセンター
1/30 自転車のカゴに入っている手袋におびえる。
1/31 スタバの店員、手の肌荒れ放題。
気が触れてるとしか思えない語群。
月末でサービス業を思いやる一面も。
次月に期待したい。
2/7 「ショックだよ、やっぱり」「ショックぐらいの顔がラジオなんだよ」「秀島、性格悪そうだしな」
2/16 道玄坂交番前で泣き叫ぶ女。
J-WAVE帰りの若者の会話と、道玄坂上という渋谷エピソード。
活動範囲の狭さが伺える。
次月は広く行動を。
3/13 一週間で5キロ走ります。
3/16 栗原はるみ、脱税疑惑(日本のマーサ・スチュワートとして)。
3/29 好きな曲は、『ロンドン橋落ちた』です。
「5キロやせる」わけでもなく、冤罪を誘発し、ネガティヴなメロディを口ずさむ。
次月はポジティヴに。
(續く)
天気予報士、「明日は雨」という。
「職場までは濡れずに行けるんだけどね」
ああ、駅からは地下道で行けますね。
「うん。この間、帰りにすんげえ雨降ってて、最寄り駅から濡れながら帰ったんだけど」
傘買えばいいじゃないですか。
「だけど、最寄りの駅前には何にもなくてさ」
傘売りの少年とかいないんですか?
「いないいない。いつの時代だ。そんな職業はない」
あー、ひどいですね、いないことにして。
「いや、もういいから。それで、ずぶ濡れで帰って、家でネクタイ外そうとしたら、水吸って結び目がさ」
もがけばもがくほど絞まってくると。
「そう、ぎゅーって」
なに縛りですか。
(了)
NHKを観ている。
【青海チベット鉄道 ~世界の屋根2000キロをゆく】
西寧と拉薩(ラサ)を結ぶ、最大標高5072メートルを運行する当鉄道は、2005年10月に全線開通し、南米アンデス中央鉄道を300メートル差で抜いて、最も「空」に近い鉄道となった。
実は終点のラサ、チベット仏教の聖地といわれ、観光客よりも巡礼者が熱い。
敬虔な信者たちは、「五体投地」と呼ばれる巡礼スタイルでラサを目指すという。
一日2千回を繰り返しても、5キロずつ進めないというが、文字通り地面にうつ伏せになり続ける上に、額を接地させるので、かなり路上生活ライクなヴィジュアルになってくる。
えーと、電車でゆきます。
(了)
具合の悪いコスプレをした女児、人ではない何かに向かって話している。
「ぐあいがわるいので、びょういんにいきました。
おいしゃさんはびょうきのなまえをおしえてくれません。
あれ? なんだっけ?」
近況報告を伝えようとして、何を続けていいのか分からなくなっているのだと解釈していたが、実は「なぞなぞ」だったようだ。
出題者が問題自体を分からなくなっている時点で、もう謎。
正解は、みんなの心のなかに。
(了)
「毛沢東体操」というプロパガンダとは明らかに無縁なエクササイズがある。
太極拳ほどの効果も期待できない極めて雑なモーションのみで、四つの動作で完結するという。
「人」 ・・・ 両掌を突き出すように前へ。同時に右足を一歩前へ。
「民」 ・・・ ピラミッドの壁画にあるような「平面な人」をイメージしつつ、右手を上、左手を下へ。
「革」 ・・・ 立位体前屈(他に例えようがない)。
「命」 ・・・ 普通に「大」の字。
皆もやってみよう!(虚ろな目で)
(了)
その辺をほっつき歩いている首輪の無い犬を総称して、「野犬」という。
間に「良」の字を入れて、「野良犬」と呼んでもいい。
切ない話になるが、運も悪く保健所が派遣したバイトくんらの手によってとっ捕まり、ガス室送りされる不憫な「いぬくん」らは年間16万頭にも及ぶという。
ガス室の名称は、「ドリームボックス」。
役所のネーミングセンスは、いつだって潔くない。
(了)
どうしてもツナサンドが食べたくなり、合計5リットルはある柔軟材と洗剤とミネラルウォーターを抱えたまま、サンドイッチ専門店へと足を運ぶ。
・・・。
微妙な構造の店内、細長い客席の奥の階段を上がると、中二階いっぱいに具材のショーケースがある。
回りくどい言い方をしたが、要は「狭い」。
重い、狭いと呪詛を繰り返し、ブレッドとチーズとドレッシングを選ばねばならないというわずらわしさに耐え切れないのではと不安になる。
コンビニでいいやという妥協もないではなかったが、オーダー通りの品を受け取り、店外へ。
すぐにでも食べたいのに、5リットルが妨害する。
重い。
結論:店内で喰え。
(了)
「お金がないのは頭がないのと同じ。手足がないのと同じ。何もないのと同じ」
上記は、初めて文明に触れた南海サモアの酋長ツイアビが、ヨーロッパにおける唯物主義に対して述べた言葉だが、「丸い金属と重たい紙」に踊らされる白人どもを「パパラギ=空を破って現われた人」と称してせせら笑っている。
物質文明に生き、「もの」を所有する欲は常に満たされることなく、「心が貧しい」とまで揶揄される。
ツイアビ先生、幸せって何なんですかねぇ。
(了)
潜在的に秘めた能力も、解放するには破壊力が過ぎて迂闊に世に出せないということがある。
がしかし、能力の優劣を議論する前に全てを白紙に戻す超自然現象にも似たキャラ設定には何人たりとも抗えない。
例:
「眼鏡を外すと実は美人」
→めがねっ子萌えには無効、むしろ逆効果。
「下着さえ盗まなきゃ良い人」
→警察沙汰はフォローができません。
なかなかうまくいかないですね。
(了)
DVDでも借りようかとそれっぽい店へと足を運ぶ。
携帯電話の着信音が店内に響く。
何かしら聞き覚えのある旋律。
これは、『24』におけるCTU局内の呼出音だ。
あの音が鳴っている限り、海外ドラマのコーナーで『24 シーズン5』を物色しているのがやたら気恥ずかしくなり、とっととその場を離れる。
例の着信音を耳にした男女が必要以上に顔を寄せて囁き合っている。
「ジャック・バウアーきどりか」
ほら、知らない人から誹謗中傷されるわけですよ。
もうあの一角には戻れない。
(了)
かつては自宅で済ませていた「精米」、初めてコイン精米機を利用する。
母の指示は「上白」。
理由は「標準」が思いのほか不味いから。
「7ぶつき」にも惹かれるなあ。
無用なトラブルを避け、指示通りに「上白」を選択。
みるみる精米されてゆく様子を眺めていると、精米処理エリアから飛び出ている玄米が幾粒か見える。
飛び出た米を集めて持って帰るのがメンテナンス業者の特権かとも思う。
(了)
絵馬を眺める。
大概は「合格祈願」、「家内安全」等で、少しグローバルになると、「世界平和」と大仰な表記がある。
また、「のぶくんとずっといっしょにいられますように」、「かおり死ぬまで愛してる」系、ふたりだけの世界を不特定多数に住所付きで公開している。
ははんと鼻で笑いながら微笑ましく眺めていると、見慣れない字面が視界に入る。
いや、彼もう故人だから。
そういう名のレスラーがいるのだろうか。
お父さん、お母さん、この子に大丈夫って言ってやりなさい。
しかも、こいつ高校生だ。
彼らなりに本気だと思うから茶化すのはよそう(too late)。
(了)
初詣る。
歩いて数十歩の距離に神社がある。
当社に寄進したと思われる父の名が南門に刻まれている。
当社、天平年間に近江国(滋賀)より祭神と民を招き奉ったという。
故に私自身の祖先は、かつては近江人であった可能性が高い。
が、当時は、いわゆる国分寺建設ラッシュ。
国司が地方に派遣され、建造を急がせた逸話も多い。
『万葉集』編者、大伴家持はこの地の国司。
曾々々々々々・・・祖父は、労役の為に連行されたと想像に難くない。
嗚呼、ブルーカラー。
(了)