August 31, 2007

『送迎、「これからもご贔屓に」って君今日で最後じゃん』

関係性を説明すると少し複雑なのだが、私の元同僚(♂)の現同僚(♀)が本日付けをもって退職した日、私の元同僚(♂)の同級生(♂)の妹(♀)の友人(♀)がやはり本日をもって職場から離れるという。

まああれだ、今日で辞めた初対面のふたりがいるというだけのはなし。

g_c.jpg
くつろぎ過ぎて重い腰が更に重く

g_c_two.jpg
「でございましょう? ですから奥様もここはひとつね」
「まあーまあー、斎藤さんもやり手なんだからー、もー、ほんとにー」

日付が変わった辺りであっさり追い出されるも、去りがたし。
適度なBGMとソファーだらけの空間には、人を革張りに縫い付ける効果がある。
立ち上がれないのは、酒の所為だけではあるまい。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 30, 2007

『兼業、はたらけどはたらけど』

知人、来年の1月23日に出産予定という。

「名前はまだ考えてないよ」
女だったら、『ひふみ』ちゃん。

「あー、男だったら、『かずふみ』ですか」
漢字はどっちも同じでいいやね。

ちなみに同じ誕生日の著名人には、西郷 隆盛千葉 真一等がいる。
あと、元インドネシア大統領、メガワティ・スティアワティ・スカルノプトゥリ

いろんな意味で濃ゆい子が育つな。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 29, 2007

『喧騒、名刺を手渡す機を失う』

やたらと涼しくなった。

既に暗渠となって久しい川の名が町名となった地にて暖簾をくぐる。
店内は近隣の放送局から流れてくる制作の方々で溢れている。
ていうか、全員そっち系。
もちろん流れる映像はチャンネル1。

■赤茄子焼き
トマトを和名でそう呼ぶこともあるのだが、ここでは全長25センチもの赤紫色の長茄子。
我々が知る茄子の5倍はあり、焼いてなお長い赤茄子は、焼き魚用の長皿に載せられている。
大量の鰹節、すりおろし生姜が添えられており、醤油で戴く。

■万願寺唐辛子の素揚げ
栽培が難しいとされる京野菜のひとつにも関わらず、カリフォルニアピーマンと伏見唐辛子の交配により完成したという雑な経歴を持つ。
ピーマンの甘さと、抑えた辛味が独特で、歯ごたえも軟らか。

■鰆の塩焼き
旬は地方によってあるようだが、実は年中喰える魚という。
身割れが早く、刺しは捕獲後24時間以内で。
主食は秋刀魚、鰯という。
いいの喰ってんな。
大根おろし、酢橘で戴く。

一匹の 鰆を以って もてなさん
高浜 虚子

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 28, 2007

『鈍器、結果的に訴訟沙汰になるとしても』

社食に対するアンケート用紙を渡される。
各項目を5段階で評価して貰いたいとの内容。
格別な不満もないので、全て「普通」と記して茶を濁す。

提出後、社食を訪れて無難なメニューを選んで着席する。
何気なく中庭を眺め、室内に視線を戻す。

!ああ、あれは!
当食堂は直線で構成された普通の室内ではなく、若干デザイン性のある斜めに切り出した空間を演出している。
上記の理由かは分からないが、天井はフラットではなく幾つかの段差があり、吸排気口と思われる金属製のカバーで覆われた円柱形のダクトが、段差の横から室内へと張り出している。

その中のひとつが今にも落下しそうで不安げな装い。
仮に麺類でも啜っている哀れな食堂利用者の器に落ちようものなら、周囲は大惨事となることは必至。
形状としては径が肩幅ほどもある筒状なので、落下の際、偶然頭から被さって、
「前が見えないよー」程度で済むことを祈りたいのだが、難しいと思われる。

あれを特記事項として記し、然るべき筋に陳情すべきだったと、罪のないオムライスにフォークを突き立てるのだった。

(了)

投稿者 yoshimori : 10:24 PM | コメント (0)

August 27, 2007

『旅券、公的手続き為の辛苦と苦渋』

故あってパスポートを探す。
探す。
あれ? 探す。
えーと、探す。

2分後、見つかる。
たいして探していない。

赤い。
10年用だ。
渡航の記録を眺める。

出国:1998年2月17日 帰国:1998年2月27日
出国:1998年4月19日 帰国:1998年4月24日
出国:1998年8月22日 帰国:1998年8月26日
出国:1999年3月08日 帰国:1999年3月10日

最後の渡航から既に8年も経過している。
ページを戻す。
写真の顔が若い。

有効期限:2007年2月18日

今年の初めに期限切れと知る。

なるほど。
再び手に入れるまで、長い戦いになりそうだ。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (2)

August 26, 2007

『珠玉、壊れているかもしれない』

NHKを観ている。
噺家、柳家 喬太郎の演目、『午後の保健室』に衝撃を受ける。

<登場人物>
遠藤:生徒会長
山崎:校長
先生:校医

カラダの不調を訴える遠藤は保健室へ赴き、校医の言われるがままにベッドへ横になる。
遠藤は15歳にして、古典落語の「御隠居」口調

会話するだけで疲労感に襲われる校医は、「もっと年相応な話し方をしなさい」と注意するもスルー。

そこへ突然開けられる扉、這い入ってくる男、
「超いってぇー、まじありえねぇー。先生よぅ、俺よぅ、胃腸が超痛えぇんだよ、何とかしてくれようぅ!」

男、実は校長。

遠藤:「何だ、山崎、お前は胃と腸の区別も付かんのか。まったく、困りますなあ先生、山崎は。はっはっはっはっは」

山崎:「うっせぇっ、遠藤! お前2年のくせに! お前退学な、俺決めた、今決めた。俺の権力でおめーぜってぇ退学ぅー、ばーか、ばーか」

遠藤:「はっはっはっはっは。面白いのう、山崎は」

何か複雑な構成のまま、実は若い女医と思われていた校医、実は還暦過ぎと判明して終了。

他、持ちネタとして『東京ホテトル音頭』なるオリジナル曲があるようだが、間違いなくNHKでは放映できない。

師匠の今後の展開が気になる。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 25, 2007

『摺鉦、持ってかれ度:高』

今年で51回を迎えるという、高円寺阿波踊り。
駅前の混雑から逃れるように新高円寺寄りの寂れた商店街を目指す。

踊り連の方々、審査員前でのみ本気を出すと聞き及んでいたので、辺境商店街ではさぞかしやる気ないだろうと思いきや、何かに憑かれたかの如き満面の笑みと、男は中腰、女は爪先立ちというカラダに悪そうな動きで、序盤からかなりの本気度。

中には超大手IT企業の名がガチで入った連も見受けられ、これも戦略なのかとグローバリゼーションなのかと石を投げそうになる。

それはさて置き、メイン会場にたどり着けずに途中の居酒屋辺りで真っ白に燃え尽きそうな勢いの老若男女。
やはり、同じ阿呆なら踊らなければ損なのだろうか。

awa_red.jpg
女踊りの女連(赤)

awa_blue.jpg
女踊りの女連(青)

awa_kids.jpg
男踊りの子供連(臙脂)

awa_green.jpg
男踊りの女連(緑)

awa_yellow.jpg
女踊りの女連(黄)

あ、男連撮るの忘れた。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (2)

August 24, 2007

『外遊、家路を急がない週末』

日も高いうちから飲み出す。
河岸を変えて飲んでいる。
そしてまた寝ている。

飲み始めてから11時間後に解散。
目を閉じている時間、長過ぎ。

寝直さないと決意。
言ってるそばから舟漕ぎまくりでがっくんがっくんしてますが。

両脚のむくみはクライマックスを迎え、針でふくらはぎを突いたら中身が噴き出しそうだ。

ああ、厭なことを思い出した。
健康診断の結果が出ているのだ。
受け取りが怖ろしい。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 23, 2007

『自沈、艦と運命を共に』

職場の歓送迎会帰りにもう一軒寄ってみる。
ブラジル焼酎たった一杯で撃沈。
新宿区からタクシーで帰ることに。
途中、「山手線を2週して終電を逃した」という愚かな後輩を拾い、帰宅。
うおう、もう27時半過ぎ。

人の世話を焼いている場合ではないな。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 22, 2007

『仕法、たったひとつの冴えた』

契約している携帯電話会社が本日より基本料半額割引サービスの申し込みを開始という。
早速ネットで申し込んでみる。

・・・過去にパスワードを変更していたらしく、たった一度の過ちでロックされてしまい先に進まない。

ネットワーク暗証番号に関する説明を読むと、
「3回入力を間違えるとロックされます」
とある。

・・・もうこいつは信用できない。
問い合わせ番号に繋ぐも、「ただ今電話が込み合っております」メッセージが延々と流れ、成す術も無い。

結局、身分証を携えてショップへ赴くというIT業界の対極をゆくアナログ対応で何とかする。

所詮は人間、裸になったら無防備だぞ。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 21, 2007

『生誕、うまれいづるいのち』

この日、知人に子が誕生。

「8月21日って誰と同じ誕生日かな?」
稲川 淳二。夏には欠かせない子になるね。

「えー? 他には?」
関根 勤。マニアックな物真似が上手い子が育つよ。

「もっとこう嬉しそうなのは?」
円 広志。とんでとんでとんでとんでまわってまわってまわーるーぅぅーとんでとんで♪

「あー、うざってぇー。女の子でいないの?」
キャリー=アン・モス。仮想空間で救世主ネオと世界を救うよ。

「・・・」

が、頑張れ、8月21日生まれ!

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 20, 2007

『炎上、煙に巻かれてスライダー』

NHKを観ている。
那覇空港でのチャイナエアライン大炎上のVTRが繰り返し流れ、番組キャスターが「今回の事故の原因は何か?」と、解説として招いている元全日空取締役に問う。

「航空機は設計時に90秒以内で乗客・乗務員全てが脱出可能なように造られているんです。全員が爆発前に脱出してますからね、これは間に合ったということですね」

って、それ全然解説になってねえ。

しかも、このおっさん終始笑みを崩さず、今回の事故が最近特に叩かれている中国資本の会社だからと思うところでもあるのか、かつての職場への愛社精神なのか、燃え盛る航空機を背景におっさんの笑顔は鬼気迫るものがある。

笑い顔のひとは陰惨なニュースを読んじゃいけないのだ。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:44 PM | コメント (2)

August 19, 2007

『激闘、暑いと熱いは違う』

遥か甲子園では高校球児らが白球を追い駆けてる最中、三十路過ぎらは脱水症状とぼくのせんせいは~フィーバー的にやれら、言えてない、やられ、美しくもない汗でユニフォームを俺色に染め上げ、たった一度のバッセン通いで皮をひん剥いた左手親指を気にしながら、人に借りた金属バットを握り締め、降りもしない夕立と鳴りもしない雷鳴に怯えながら腰の入ってないスイングをし続けるのだった。

木陰がこんなにもいとおしいとは。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 18, 2007

『隊長、僕には向いてません』

家主不在の間、字幕無しのエクササイズDVDが大音量で流れ出した。
画面中央で隊員らを励ますのはもちろん、「史上最強の51歳」だ。

bcamp01.jpg
「ここをどこだと思ってるんだッ!」

bcamp03.jpg
「声が小さいッ!」

bcamp02.jpg
「もう1セット!」

51歳の励ましがクライマックスを迎えた頃、家主が帰宅して一喝。

「やめろっ!」

渋々と解散する隊員たち。
確かに、外から見えるカーテン開けっ放しの室内は、何の宗教かと思われてもおかしくはない。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 17, 2007

『選曲、選ばないという選択』

思慮深げとは過言かもしれないが、何か思い悩んでいる様子。

「あー、もう!」
何だ、借金か?

「違うよ! 結婚式で唄うことになったんだけど、何がいいのかな?」
『別れても好きな人』

「『別れ』って言ってんじゃん!」
でも好きなんだよ。

「そうじゃなくて、もっとこうあるじゃん」
んー、べったべたなやつはありなの?

「例えば?」
『てんとう虫のサンバ』とか。

「えー」
くーちづけせよとはやしたてくーちづけせよとはやしたてくーちづけせよとはやしたてくーちづけせよとはやしたて♪

「あー、うざってぇー」
無しじゃん、ベタなの。

「んー、あ、もう行かなきゃ。今からカラオケで練習するの」
なるほど、行ってらっさい。

「曲決まったら報告するから! じゃあ!」

梶芽衣子『恨み節』という意見もありましたが、他人事ってひどく無責任ですよね。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 16, 2007

『別離、逃避のひとつとして』

クールビズなのかルーズなのか、ふたりともノータイ、ワイシャツ第一ボタン開放、両袖まくり上げ。
甲乙と表記する。

甲「実はふられてしまいまして」
え? 彼女いたの?

甲「いたというか、付き合ってくれって告白したら拒否られてね。『わけ分かんない』って、お前の方がわけ分からんわ!」
はあ、なるほど。

甲「あまりのショックで部屋を模様替えしちゃった」
あー、何となく分かるかな。

甲「飾ってあるガンダムの腕の位置とか微妙に変えてみたり」
それはふられたショックとは関係ないだろ。そう言えば、君も最近別れがあったそうじゃない? 部屋とか片付けたりした?

「僕の場合は別れた後、部屋を引き払いましたからね!」

あー、そうね、そうだったねー、片付けどころじゃなかったねー、変なこと訊いたねー、ごめんねー。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 15, 2007

『帰省、もうひとつの帰る場所』

母の実家を訪ねる。
玄関を開けた瞬間、慟哭にも似た鳴き声が響く。

先代の飼い犬が病死した後に迎えられたフレンチブルドッグ、カラダが大きいので人馴れし過ぎたじゃれ具合はもはや恐怖である。

bob.jpg
きみはぶさいくかわいいな

叔父が甲子園の中継を眺めている。
地元代表高校は初戦で敗退しているので、見るべき対戦は何もない。

crystal_f.jpg
金魚が2匹

この水槽、藻もエアーも何にもないね。
「それね、もう何年もそんな状態でね、たまに水だけ替えてる」

c_fish.jpg
上から眺めるのが正しい金魚鑑賞

これ、おなか膨らんでるのは何て種類?
「それ? それは病気、もう何年もそのまま」

こういう品種じゃないのね。

しばしくつろいで、帰ろうと重い腰を上げる。
送りに出てくるフレンチブル。

bob_f.jpg
おまえはかわいいけどぶさいくだ

また年末に。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (2)

August 14, 2007

『原罪、言わずもがな』

ひさびさに地元民と会う。

ひとり目:
かつてニューヨークでデザイン学校卒業後、デザイナーとして働いていたが、何故か帰国後はコンビニ、フラワーショップ、病院事務と職を替えているという同級生(♀)。

「実は職場で言い寄られてて」
お、ドクターから? 何科かしら。

「いや、患者」
患者かー。何してるひと?

「バスの運転手」
むー。バスかー。

「しかも、太ってる」
あー、残念だー。全然脈なし?

「バスの運転手なのはいいけど、太ってるのがちょっと。あと、多分だけど家が金持ち」
金持ち駄目っすかー。

「世間知らずなのが許せない」

ボンボン駄目っすかー。

ふたり目:
地元以外に定住の地を持たず、弟夫婦と生活を共にしながら、三重の妻子持ちと名古屋で密会を重ねているという同級生(♀)。

「来週会うの」
またそんな不毛なことを。

「手つなぐの」
いやいや、いうても世間的には不倫だから。

「だって、今更普通の恋愛はできない」
33だから?

「まだ32だってば。まあでも、それもあるかもね」
名古屋まで遠いじゃん。

「たまに会うからいいのかも」
それでいいのか。

「あと、あたし病気持ちだし。あははー」

全然笑えませんよ、それ。
まあ、元気出してくださいよ。
って元気出したところで不倫は解決しないのか。

4時間も同じ店で飲んだくれてやさぐれて帰宅。
妙齢女子の語り口は笑いながら話すわりには重い。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 13, 2007

『御社、賽銭が磁場異常で放物線上に飛ばない』

本日より3日間の年休をもらっている。
盆まっしぐらということで、里帰りを決意。

浜松町より東京モノレールにて羽田空港へ。
思ったより混雑はしていない。
とってつけたような土産を購入し、搭乗口へと急ぐ。
空腹のあまり、土産に手を付けかけるが思いとどまる。

混乱はないものの到着は遅れ、地元空港へ。
特に迎えもないので、バスにて最寄り駅を目指す。

暑いのでビール。
ついでに昼食。

JRでまっすぐ帰宅するのも旅情も無く興醒めなので、地方鉄道を利用しようと駅を目指す。

chitetsu.jpg
JRでは3駅320円なのに地鉄は十数駅で590円

mujin.jpg
誰もいない

paybox.jpg
人件費削減の為か運転士は車掌も兼ねて切符を拝見する

実家最寄り駅に到着。
真っ直ぐ帰宅してもすることもないので近所の神社で涼む。

ichihara_torii.jpg
鳥居の遥か上の大木の枝で鳶が鳴いている

torii_upper.jpg
木陰は涼しい

気が付けば小一時間眠っていた。
実家に帰り流した汗の分だけビールで補おうと荷物を背負い直すのだった。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 12, 2007

『九名、野宿も止む無し』 (最終回)

8時頃に暑くて起き出す。

担当者が用意した朝食を摂り、担当者によるテント撤去を眺めている。
川遊びと称して、昼食を懸けた狩りが始まる。

river.jpg
橋から眺める激流(ここで流されて1名脱落)

釣果は小さな岩魚一匹。
腸を抜き塩を振りかけ、丸ごとバーナーで焼いて、丸ごと食す。
実は岩魚によく似たかなり危険な魚だったらしく、ここで1名脱落

気を取り直し、よさげな蕎麦処があるという清里を目指す。
道中、涼やかな滝があるというので立ち寄ってみる。

doryu.jpg
吐龍(ドリュー)の滝
(「バリモア?ねえバリモア?」と連呼していた同行者は滝管理者より「アル中か!」と一喝され滝壷の中へ、1名脱落)

taki.jpg
滝とは関係なく流れる川
(記念撮影をしようとカメラを取り落としそうになりそのまま流されて1名脱落、但しカメラは無事)

清里へ到着。
観光地駅前らしく、梅宮辰夫人形が鎮座し、クレープ店が軒を連ねる。

sougoan.jpg
蕎麦処入り口
(仕込み中の主人の握る蕎麦切り包丁が偶然にも同行者に眉間にヒットし1名脱落、事故扱いに)

推奨しているというランチコースを選択。
稗(?)の味噌焼き、トマト饂飩、揚げ牛蒡と揚げ芋、瓜の漬物、最後はつなぎ無しの生粉打ち蕎麦を大根卸しで戴く。

sougoan_oku.jpg
脱落者分も予約していたので空席が幾つか

同行者の頼んだ鴨鍋饂飩が思いのほか量が多いらしく、食べ切れないということで少し戴く。
トマトを含め、葱、牛蒡等、野菜の味が東京とは違う。
畑作農業で潤っている土地ならではの結果だろうか。

帰りに温泉に立ち寄る。
ニュースでは東名高速道路での事故渋滞を伝えている。

24時半、車輌は渋谷までたどり着く。
数名の犠牲はあったものの、無事に帰還したことを感謝する。
生き残った担当者に車輌を預け解散。

ありがとうありがとう。
「家に帰るまでがキャンプだから」
その言葉の意味を真摯に受け止め岐路に着く。

次回から脱落者は3名程度に抑えたいと思う。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 11, 2007

『九名、野宿も止む無し』 (第2回)

無敵の睡魔には終ぞ抗えず、ひと襲われふた襲われしながらもサービスエリアに無事到着。
既に夜が白々と明け始めている。

sunrise.jpg
これが太陽なのか夕陽なのかも分からないくらいに意識は混濁している

食堂にてのびきった蕎麦をすすり込み、更なる睡魔に襲われる準備だけが整う。

sunrised.jpg
「日が長くなったなあ」と的外れなコメントも同行者には届かない

須玉I.C.より下車し、一路佐久を目指す。

途中、BBQでバーニングする食材を購入しようと、野菜直売所へ向かうも「開店前だにゃー」と分かりやすい方言で諌められ、止む無く立ち去ることに。

vegitable.jpg
見たことも聴いたこともない野菜が並ぶ(近くにいた犬は唸るばかりで近寄らない)

market.jpg
びっくりしないと働かせてもらえないらしく従業員全員が過剰なリアクション

車酔いにやられた1名はここで脱落
「最寄りの駅は向こうだ、走れ!」と、リーダーの冷酷な指令が下る。

rail.jpg
線路上をスタンドバイミーごっこしていた地元中学生は2秒でリバー・フェニックスの元へ

キャンプ地に到着。
テント設営は担当者に任せて、冷たいものを求めて人里へ向かう。

soft.jpg
冷たいもの発見

冷たいものを食べながら戻ると、担当者の手によりテント設営は完了している。
「大儀である」と声をかけ、彼らの働きをねぎらう。

tent.jpg
ひとり残らず空腹らしくひとことも言葉を交わさない

いつの間にかダッチオーブンではカレーが煮られている様子。
出来上がるまで調理は担当者に任せて、株価の動向を気にする。

鍋で炊いたご飯とともにカレーを食し、しばし仮眠を。
惰眠を貪っていたら4時間も経過していた。
完全装備の釣り師は岩魚を釣り上げた様子。
満足げに見せてくれる。

iwana.jpg
既に息も絶え絶えな彼

あれ? 一匹?
「みんなで食べちゃった。君の分を残しておいたよ」

後で聴いたら釣果は一匹のみだったとのこと。
泣かせる話じゃあねええかあ。

夜はBBQ。
仕込みは担当者に任せて、ポータブルDVDプレイヤーで『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を観ている。
そういえば映画の内容と環境が似ているなと思うが、勝手な妄想としておく。

bbq.jpg
原住民である族長が自ら焼いてくれるサービスは別オプション

食後は花火。
起こした炭火で手持ち花火に点火。
購入数量が人数に合致しなかったらしく、一度に4本点火している。
焚き付けが乏しくなったので、薪拾いを頼むと花火そっちのけで拾い集めており、その忠義心に熱い涙を流す。

carbon.jpg
赤い炎を撮影すると何故か紫に(「祟りじゃ!」と騒ぎ出した1名は森に消えここで脱落)

眠いから横になるぞ。

(續く)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 10, 2007

『九名、野宿も止む無し』 (第1回)

猛々しいほどの残暑にやられっぱなしの中、岩盤浴上がりの如き頬上気状態で帰宅。
登山用ザックにシュラフとマットを詰め込んだだけで容量過多という現実を見せ付けられて、しばし硬直するも、気を取り直して着替えなどを無理ぐりにねじ込み、集合場所である杉並区を目指す。

nishiogiminami.jpg
集合場所向かい廃墟の表札(ここで1名とはぐれる)

屈強な車輌を手に入れる為、区内にある彼の地を目指す。
さほど広くもない駐車場を囲む外壁には、脳内大公開なペイントが一面に。

rentacar.jpg
心穏やかには過ごせない壁画
(写っていない箇所にはかなりのトリップ感あふれる絵面が)

道幅が怖ろしく狭い猫だらけの住宅地にて、人と物を回収し再び元の集合場所へ。

wingroad.jpg
夜逃げ同然に荷を積みながら闇夜に紛れる人々(交わす会話はささやき声で)

全員集合ということで、車輌2台は西へと進路を取るのだった。

(續く)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (1)

August 09, 2007

『離島、なんくるないさー』

沖縄料理の店でオリオンビールを飲んでいて不意に思い出す。
ほんとにどうでもいいことだけど、「沖縄に行ったことある?」と問われれば、常に「本島は無い、島だけ」と答えていたのだ。

7年前の秋、羽田空港より飛び立った旅客機は石垣島への直行便と信じていた。
が、当時の記録を発見し、何となく読み返していると、「6:30、那覇空港着」という記述を見つけてしまう。

行ってんじゃん、本島。

だからどうしたわけでもないが、更に読み進めると空港からは一歩も出ていない様子。
石垣島へのフライトを待ちながら、デリにて沖縄そばを食べている。
500円。

同じ便に同乗していたと思しき50代中年女性は、デリ従業員に何かを訊ねている。
空港の3階より外へ出られるらしく、どうしたら出られるか知りたいようだ。

「ここは3階ですか?」
「何ですか?」

「えっと、3階に行くにはどうしたらいいですか?」
「あー、一度ゲートから出ないと駄目です」

「ゲートは何処にありますか?」
「・・・あっちかなー」

デリ従業員、私に訊くなとでも言わんばかりの対応で、説明が面倒なのか核心に迫らない。
50代中年女性を気の毒に思いながら、本島での洗礼と知る。

関係各位:
今まで騙して申し訳もございません。
本島には行ったことがあります。
那覇空港から出たことはありません。
どうでもいいでしょうが、宜しくお願い致します。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 08, 2007

『暑気、払えるかどうかも』

だから何でこんな暑い日に、しかもエアコンも点けずに湯豆腐を喰っているのかと。
しばらく昆布だしが続いたので、今更鰹だしに替えたところで夏であることには変わりはない。

詳細は失念したが、南米で文明を築いた民族の話だったと思う。
彼らは煉瓦造りの密室を建てる。
で、中にひとり入るという。
仮に25歳男としよう。
入り口は外から施錠可能、つまり内側からは開けられず、完全に閉じ込められる。
窓ひとつないが、足首ほどの位置に隙間があるという。
さすがに酸欠という概念があるのかと思いきや、この隙間というか穴に唐辛子や枯れ草をぶち込んでひたすら燃やすという。
中にいる男は人為的に燻され、咳き込み、涙ながらに「開けてくれ」と開かない扉を叩く。
一定の時間が過ぎると扉は開く。
ばーん
解放された男は25年間生きてきた中で最高に至福な瞬間に立ち会えるという。
俺生きてる生きてるって素晴らしい最高だライフ・イズ・ビューティフル!

まあぶっちゃけ一度マイナスに落としてゼロに戻すだけで上がった気になっているだけなのだが、かつてのこの施設は一大アミューズメントに相違ない。

夏場の湯豆腐がそれなのかというと、それはそれで別の話だ。
共通項は「M」でしかないのだが。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (2)

August 07, 2007

『階下、って何処まで歩かす』

個室だらけの居酒屋にいる。

入店当初、はきはきとした女子従業員の接客態度に好感を抱いていた我々だったが、時間の経過と共に呼び出しベルをいくら鳴らしてもひとりとして店員はやって来ず、やっと来た件の女子に2本目の焼酎ボトルのオーダーを告げた辺りから蜜月期はとうに過ぎたと知り、残念な結果に涙を禁じ得ない。

以下は残念な結果までの経過。

「大変お待たせ致しました、お客様、ご注文を承ります」
えーと、これもう一本。さつま司

「はい、かしこまりました、何とかつかさですね。すぐにお持ち致します」
ん?

かなりの時間が経過し、呼び鈴を押し続ける指が乱雑に連打し始めた頃、別の男子店員がやってくる。

「お客様、大変お待たせ致しました」
これさ、壊れてんの?

「いえ、鳴ってます。申し訳ございません、このフロアに人がいないんです」
ひとりも? さっき女の人いたじゃん。

「ええ、まあ、申し訳ございません。で、あの、先ほどご注文のボトルは何でしたでしょうか?」

ってあの女! 言えてないどころか、伝わってもねえ!

思うところあり、「やってられっか!」と前掛けを叩き付けて帰ったのかしら。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 06, 2007

『創立、豪奢とは程遠く』

「フレンチフライ学園」はじめました。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=2481448

協賛:4桁バーガー推進委員会

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 05, 2007

『驟雨、何の為の全濡れ』

最寄り駅に着いた瞬間に降り出した雨はかなりの大粒で、このまま降り続けば中止になるのではと引き返そうかとも思い引き返しかけたがとりあえず現地へと向かう。

tetsugakudo.jpg

絵的には敗残っぽいですが、当日の試合は勝ちました。
雨も止んで、2時間プレイ。
自分だけの話をしますと、二塁打を一本。
加齢によりあっさり足がもつれます。
そして、筋肉痛は2日後にやってくるのです。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (8)

August 04, 2007

『刻限、遅延証明を渡されても』

fireworks.jpg
『第32回江戸川区花火大会』

諸事情により、打ち上げ現場である河川敷からはさっぱり見ていない。
現地へ向かう路上から見上げる花火に風情はあるものの、人の多さに辟易しつつ、浴衣カップル限定で入場制限したらいいのにとやさぐれたりもした。

shinozaki.jpg
催事に動員されるくじ運の悪い公務員の方々

「こちら13番階段、足元大変危険ですのでご注意くださーい!」
「こちら13番階段、ただ今閉鎖中ですので14、15番階段をご利用くださーい!」

誘導員の口調を真似ているとテンションが上がってくるのを止められない。
来年は制服を着込んだ偽誘導員として無知な大衆に無用な混乱を招きたい。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 03, 2007

『虚言、戯れに言祝いで』

職場の同僚らと大義名分もなく飲みに行くことに。
とりあえず仕事の話だけは避けようと、全力で自称最年少をいじり倒す。

「何で僕が年齢詐称って言われるんですかッ!?」
だって、君の読んでる漫画のどれもが30over世代が小学生の頃に流行ったんだもの。

「古い漫画が好きなんですよ」
あ、古いって言いやがった、小僧が。

「ほらー、小僧じゃないですかー、ほらー」
黙れ、若年寄。ほんとは幾つなんだよ。

「今年で24です」
絶対におかしい、オリンピック3回分くらいサバ読んでる。

「僕、自分の干支言えますよ」
そんなん一回りした同じ干支やろ。君な、36や。

「面倒臭い人だな。じゃあどうしたらいいんですか。あ、免許証ありますよ、ほら」
って何で穴の開いた免許持ち歩いてんのさ。・・・あっ、誰これ!?

「誰って僕の名前ここにあるじゃないですかッ!」
この肌つやと目付きが異常に悪い頬のやつれた男は誰なんだ!?

「あれから太ったんですよ。この時コンタクトでしたし」
いや、人種が違うって。これまずいなー、検問で即連行だな。

「いやほんとに僕ですから。これ、ほら、社員証、ね?」
これは確かに君だが、年齢を証明するものではないな。しかも髪型が不自然でヅラっぽい。

「関係ないじゃないですかッ! もう、どうしたら信じてもらえるんですかッ!?」

この後数時間に渡り実年齢であることを訴え続けるも決定的な証拠は何もなく、疑惑は深まるばかりだ。

男の年齢で盛り上がってよいものだろうかとも思う。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

August 02, 2007

『逆鱗、雨に晒されて』

朝方、雨音で目を覚ます。
梅雨明け直後の土砂降りは、人工芝を容赦なく叩きつける。
やがて驟雨は止み、流れゆく雲間から夏の日差しが降り注ぐ。

外の様子を見ようと窓を開けると、見慣れない物体が落ちているのに気付く。

fishskin.jpg

当初、木の皮と思い込み、枯れ枝と共に素手で回収しようとするも、動物系の感触が指先に伝わり、思わず投げ棄てる。

何これ!?

鱗?
魚?

色的には鯛、部位的にはカマ。

何故ひとんちの残飯がうちのベランダに?

人が寝てる間にベランダで鍋パーティがあったかと思うと悔やまれる。

(了)

投稿者 yoshimori : 08:58 PM | コメント (2)

August 01, 2007

『土竜、横浜と思いきや』

長針は12を、短針は3を指し示している。

「おやつの時間だ」
あ、ヨックモックありますよ。昨日もらったんですよ。

「何それ?」
え? 知らないんですか。

「も一回言って」
ヨックモック。

「しわもぐら?」
いやいやいや、「も」しか合ってないし。ほんとに知らないですか?

「想像も付かない。中に何が入ってんの?」
何って、チョコとか? まあ普通に洋菓子ですよ。

「何処で売ってんの?」
本社は青山らしいですけど、店舗は見たことないですね。

「あやしいなー、ほんとにもぐら入ってんじゃないの?」
入ってねえって。これですよ、見たことないですか?

「あー、箱はもぐらサイズだねえ。しわしわのもぐら一匹分」

もぐらから離れろ!

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)