ていうか眠れなかった。
前日は機内という状況に不慣れな為にほぼ不眠状態だったが、今日は「カ」のせいだ。
か、蚊、モスキート。
両の脚、両の腕ががっつり刺されている。
さすがにムヒ的なかゆみ止めなんて持参してないから、やむを得ずバンテリンを塗布。
8:00
朝食は "STARBUCKS COFFEE"
サンドイッチでけえ
チェコ人に迎えに来てもらい、フェリー乗り場のある "Circular Quay" を目指す。
"Wharf 3" (第3埠頭)より "Manly" へ。
9:00
彼方に "City" が見える
かつては独房、要塞として使用されたという "Fort Denison"
9:30
"Manly" に到着。
とりあえずチェコ人宅へ。
これがひとんちの窓から見える風景とはにわかに信じがたい
冷たいのを飲んだりしてだらだらと過ごす。
次の宿泊先のチェックインの時間になったので移動。
11:15
次の滞在先、"Waterside Apartment"
荷物を置いてビーチへと移動。
当たり前だがガイジンだらけ
波が高過ぎて遊泳禁止
ハリセンボン、ビーチに死す
やはり体調が優れないという同行者、午後に予定されているBBQには不参加という。
というわけで、置き去りアゲイン。
13:15
ドイツ人(右)と合流
バスに乗り、知らない土地へ。
郊外的な住宅地を歩く。
飛行機雲が見える。
海軍の戦闘機が空に煙を吐いている様子。
"Me"? オレオレ言われても
"Mosman" にある個人宅に到着。
見たこともないくらい大きい液晶テレビが置いてある。
何人かでシェアして住んでいるという。
20人くらいのガイジン男女を紹介されるが、どうせ日本人のファミリーネームなんて誰も発音できないと思い、「先生」と呼ばせることに。
BBQ前に酒を買出しに行き、買ってきたビールをキッチンへと運ぶ。
狭いキッチンの中、自分の背後を通って部屋に戻りたいガイジンが言う。
"Sorry, Sensei."
よう言えたな、君。
BBQ文化に生まれ育っている彼らに全てを任す
そんなごつい肉、ハナマサでも売ってない
いも、かぼちゃ、とうもろこし
ねえさん、何から何まですませんねえ
誰がキャサリンで誰がバーバラなのか、シャッフルされた今まったく分からない
公園に移動するという。
ハーバーブリッジでの花火を見に行くという。
なるほど、とビールを担いで出発。
17:15
BBQ後に合流したフランス人、手ぶらで歩く
既に人だかりの公園内を歩く
キャンプ地を決定し、酒盛りを始める。
もはや誰がナンシーで誰がレベッカなのかは訊かないで欲しい
このままでは花火が始まる前に寝てしまいかねない
日は暮れて "Harbour Bridge" が遠くに見える
"City" と "Opera House"
まだ19時
赤ワインを飲み始める。
人が多過ぎて、一度トイレに立ったら戻れなくなる自信がわいてくる。
21:00
花火ぼーん
イエーイ!
でもまだ新年じゃなーい。
新年は "Manly" で迎えようと、"Mosman" を後にする。
徒歩とバスにて "Manly" へ到着。
不調の同行者をたたき起こし、ビーチへ。
23:55
ニューイヤー花火を待つひとびと
さあ、シャンパンも用意したし、明けてみろってんだ、年!
(續く)
ていうか眠れない。
映画を3本観てもなお、3時間以上も飛んでいる様子。
4本目の映画に手を付けたところでようやく睡魔がやってくる。
が、朝の機内食が配給されて目が覚めてしまう。
5:00
山菜そば、鮭塩焼と玉子焼き、ご飯、香の物
着陸。
7:55
"Sydney Kingsford Smith Airport" (シドニー空港)に到着
入国審査にて「何処に泊まるんだ」と尋ねられるも、宿泊先の名前も住所も知らないので、「知らない」と返すが、「いいから何か書いとけ」と入国カードの滞在予定先記入欄を指差される。
"Sydney"と記入するつもりが、"Sydny"と"e"脱字で提出。
いつまでクリスマス気分なんだ
ここで今回の旅の趣旨を簡単に説明しておく。
①シドニー在住のチェコ人(♀)に会う
②日本人(♂)3名、海外にて初の年越し
③新鮮な有袋類を喰う
この中の1つ目を達成し、都合4名は電車で移動。
7:45
"CENTRAL"駅を通過
"Museum"駅で下車。
7:50
ビルの間を走る "Monorail"
一泊予定の宿に到着。
8:00
自炊もできる "PENSIONE HOTEL"
チェックインにはまだ早いので荷物をロッカーに預け、街へと出掛ける。
8:45
"Darling Park"駅を通過
"Pyrmont Bridge" を渡る
"National Maritime Museum" 前には潜水艦
何か喰おうと、店を物色。
10時前なので意外と開いていない。
一軒見つけて乗り込んでみる。
9:30
朝から重いセレクト (ナチョプレート、トマトピッツァ、フィッシュ&チップス)
オージーなビールと共に完食。
ていうか蠅が多いぞ。
11:15
意外と白くない "Opera House"
12:00
"Royal Botanic Garden" にてしばし休憩
同行者のひとりが睡魔に襲われている間、公園内を散策。
"Fruit bat" の名の通り、こうもりが実のようだ
移動。
13:30
"STARBUCKS COFFEE" にて冷たいのを購入
"Hyde Park" にて冷たいのを飲む
チェックインの時間も過ぎたので宿へと向かう。
15:30
再び "PENSIONE HOTEL" (手前は知らない人)
同行者のひとりが不調を訴えている様子。
大事をとって休ませ、夕飯をチャイナタウンで買うてくると告げ、置き去りにする。
18:45
"China Town" こと "Dixon St."
"Dumpling"が美味しいという店、 "DANIANG DUMPLING" へと案内される。
何やダンプリングて。
これ
水餃子かいな。
"Victoria Bitter"、"Cascade Premium Lager"、麻婆豆腐、海藻の何か
20:30
暗くなってきたので宿へと撤収
体調不良の同行者にキャベツと魚のスープ、寂しくないようにとコアラのぬいぐるみを与え、シドニー初日は終了。
明日はチェコ人の住むビーチリゾートの街、 "Manly" へ行く予定。
オージーなビール、 "Tooheys New" を飲んで気絶する。
(續く)
渡航当日だというのに、前日の痛飲が祟り、微熱があるくらい適度に具合が悪い。
込み上げる熱い想いをトイレに流したい。
しかも、未だパッキングが完了していない。
リミットは幾ばくも無いはずなのに、焦燥感も無いままぼんやりと『日本以外全部沈没』を観ている。
渡航当日に観る内容ぢゃあないな。
◆◆◆
重ね重ね申し上げます。
最後になりましたが、来年も宜しくお願い致します。
それでは皆々様、よいお年を。
(ひとまず「了」)
<追記>
17時には新宿駅西口からリムジンバスで出発する予定だったが、諸事情により一便遅らせることに。
17:30
成田空港行きリムジンバス
85分後、空港に到着。
20時フライトの便を何故か22時発と思い込んでいた為、到着と同時に最終案内であると知って厭な汗が流れる。
19:30
カンタス航空カウンターでチェックイン
もし、新宿駅西口にて18:00発のリムジンバス乗車という選択をしていたら、乗り遅れという可能性を否定できなかったと気付き、旅の始まりはある意味好スタート。
19:40
搭乗が最終案内の旨アナウンスが流れ、走る。
搭乗。
離陸。
機内食。
牛か鶏かを選べるはずが、希望の牛は既に無く、泣く泣く鶏を選択。
22:00
山くらげ・筍煮・黒豆・はじかみ、若鶏の白ワイン煮とリゾーニパスタ、アーモンドモカケーキの杏ソース添え
9時間半以上のフライトなので、アルコヲルを飲んで気絶することにしよう。
(續く)
気が付けば、渡航前日。
計画性の無さがガンガン露呈する毎日。
仕事納めといえば、酒だ酒だと他所の職場にある納会用に買い揃えられた酒を業務中だというのに、かっさらって飲んでいる。
あまつさえ、この時間から更に飲みに行こうとしている。
しかも雨降ってんじゃんか。
寒いし。
訊くところに拠ると、ひとは年齢に関係なく幾度となく歩んでいる人生の回数次第で世渡り上手になれるという。
自分が何度目かは分からんが、毎度毎回、夏休みの宿題を31日だけに特化し続けてきた経歴はそのままで、反省の無い立ち位置がそうさせるだろうか。
◆◆◆
えー、最後になりましたが、帰国は来年5日となります。
出発は明日の20時なんで、もう一度更新するかも分かりません。
皆々様、よいお年を。
(了)
社食にあるカルビクッパを頼む。
カウンターに置いてあるヤンニョムジャン(薬念醤)の入った器には、
「辛い!」と大書きされ、列の前に並んでいたつわものどもがぞんざいにスプーンを扱うが為、赤い香辛料は滴りまくりで、以前中野駅前で見た「AB型が不足しています」の朱墨書きがたいへんおどろおどろしく、「不足」あたりなんて血のように看板を染めていたのを思い出す。
上澄みだけでは生ぬるいと、底部をさらうこと3杯分。
想像以上に器の中が赤くなる。
真っ赤な器を見た同僚らからは、「はげる」、「ばかになる」、「したがすでにばか」等との心無い中傷を受けたのが不条理極まりないので、同僚らの白いYシャツに向け、器からすくったスプーンで赤い汁を機械的に飛ばし、発言の不用意さを戒める。
ていうか、全然辛くねえ。
はげちゃいないが、したがすでにばかなのかもしれないと、赤いワンポイントの付いたシャツの連中に告げるのだった。
(了)
カウントダウンが目出度いのかそうでないのか分からないまま、残すところあと数日。
昨日の記憶の曖昧さを確かめる。
「で?」
何でしたっけ?
「24日は何をしてたかって話よ」
あー、その日は寝てましたね。予定はあったんですけど、なくなりました。
「女の子と?」
いえ、男です。
「何それ。22日にこの話題になったときは、『家でアウシュビッツのドキュメンタリーを前後編分けて見ますよ』って言ってて、おもしろかったんだけど」
えー? いや、知りません。
「覚えてないの?」
ええ、まあ。確かにそれは家にありますけど。
「あるんだ。あはは。バーの床で横になって言ってたよ」
まさか。座りはしましたけど。横に? ならないでしょう。
「だからー、24日が前編で、25日は後編を見てると思ったのに」
どんだけ歪んだ過ごし方だ。
(了)
巷ではメリクリだのメリクリ言うな略すなだのと交わされる中、赤と白と緑で彩られてるというのに、何かから逃れるかのように階下へと下る。
「先日はどうも」
あ、どうもどうも。
「いやー、あの日、2軒目以降あんまり覚えてないんだよねー」
まじすか? 3軒目ではかなり素晴らし目のリズムマスターでしたけど。
「あ、それは覚えてる」
では、3軒目から記憶が無いということで訂正させていただきますが。
「まあ好きにして。それよりもさ、君の目の前のソファーに座ってた女の子3人いたじゃない?」
いましたね。あなたから見ると、右手ですね。
「そうそう、その右端の子」
気になったんですか。
「いや、よく覚えてないんだけど、メアドの交換をね」
赤外線ですかね。
「いや、腕に」
うでぇ?
「油性ペンでその子の左腕に自分のアドレスをぐずぐずな字で書いたね」
何をー?
「未だ返信ないとこみると、やっぱりメアドがぐずぐずだったから読めないのかもしれん」
いや、そもそも一方的に女子の腕に、何たらかんたらアットマーク・エヌ・イー・ドット・ジェイ・ピーって書き殴っただけで、メアドなんて交換してないから返信もへちまも無い。
それでも、ぐずぐずなメアドを推測した女子からの返信があったら、それはそれで今後の展開が気になるが。
(了)
22:45
きょうはくらぶにゆくひです。
ぱそこんのちょうしがわるくて、くらぶまでのみちのりがわかりません。
あおやまのどこかにあるみたいなんだけどなあ。
22:50
・・・。
たいへんかなしいおしらせがありました。
げんてい300にんだったらしくて、いまからいってもはいれません。
23:00
いま、あおやまにいるひと、みんなかえるになっちゃえ!
るーと246をかえるだらけにしちゃいます。
かつてはにんげんだったかえるのうえをくるまがはしります。
たくしーのうんてんしゅだけはたすけてあげます。
かれらはいっぱいふんでくれるからね。
めりーくりすます、たくしーのうんてんしゅ!
(おわり)
諸事情により幹事不在なまま、ほぼ初対面同士が隣り合い、鍋をつつき合うという会、これを果たして忘年会と呼んでよいものかと思案する。
急遽代理が立てられ仕切ることになったものの、幹事代行という肩書きすらさほど意味を成さず、たまたま席が隣合った者同士の共通項が小学校の時のあだ名が「ビル・ゲイツ」だったという儚く頼りない探り合いみたいなイメージで会は進む。
親方の名を冠した鍋が15人前運ばれてくる。
山海の幸が20種類以上入るという鍋の食材
擂り鉢で擂った擂り胡麻で食す。
〆のきしめんを茹で始めた頃、「お時間5分前となります」と告げられ、取り皿ももどかしく直箸で難民キャンプの如き奪い合いとなる。
およそ2分で時節柄のプレゼント交換を済ませ、寒風吹きすさぶ外へ。
2軒目、薄暗い個室で限られた数人だけが声帯を潰そうと努力している。
参加者全員が何故かトナカイのコスプレをしなければいけないという強迫観念に囚われている為、部屋の片隅で怯え続けている様子。
日付が変わる前に解散。
さあ、明日のX'mas Eveに備えて早く帰らなくっちゃ。(妄言)
(了)
今月は週末の度に六本木に来ている気がする。
年末だからとはいえ、深酒に伴う散財ばかりで、連休だというのにカラダは休まらず、満足な睡眠すらもままならない。
気が付けば、日比谷線の車内で舟を漕いでいる様子。
あー、はいはい降りますよ。
100名収容可能という"Banquet Suite"、他ルームにはジャグジーもあるという
集合時間に到着するも誰ひとりとしていないというのは、素敵な社会人の集まりだからだろうか。
座りよさげなソファーに横になる。
むにゃむにゃ、もう食べられにゃい。
って始まる前に寝るな。
つつがなく会は始まり、一定人数が揃ったのは開始から一時間後。
ランダムに出現した数字を言われるがまま機械的に潰してゆくという、ギャンブル性が高いのか低いのかさっぱり不明な催しが始まり、読み上げられる数字にことごとく裏切られながら、手元には穴が空きまくった一枚の厚紙のみが残る。
2軒目、床から放たれるブラックライトが一部の人々に大変なヴィジュアル効果を与えているバー。
茶色と琥珀色の区別も付かないまま、床に座ったりしている。
3軒目、薄暗い個室で限られた数人だけが声帯を潰そうと努力している様子。
泡立つ酒がつらくなってくる。
4軒目、夏木マリが経営する饂飩の店。
とはいえ、駅中の立ち食いそばみたいに夏木が割烹着を着て、膳を運んでくるわけではない。
同行したひとりは、畳敷きの座敷で完全に横たわる。
自由だ。
「お待たせ致しましたー」
ってでかっ。
これをひとりで喰うのかと箸を取る。
冬の特選チゲちゃんこうどん
満腹を通り越して何や訳分からんことになってるみたいなんで、タクシーで帰ります。
(了)
目黒川沿いにある、いか焼き道場へと足を運ぶ。
19時開店ということで、乳児を抱く若い母従業員より席へ案内される。
まずはエビス生ビール、続いて「弐乃越州」をぬる燗、やがて「伝心」を熱燗で。
■塩もみキャベツの昆布サラダ
メニューに数種類の串カツがあり、合わせとしては間違いは無い。
■いか焼き(上)
何が「上」って、烏賊以外に青海苔、帆立、桜海老が入る。
食感は地元で食す「どんどん焼き」を更にふっくら焼き上げた様子。
■ほろほろ鳥 モツ刺し盛り合わせ
岩手は花巻産というほろほろ鳥の内臓。
「入荷不定」という但し書きだったが、開店いちばん乗りだけに在庫あり。
ハツは生姜醤油で、レバーは胡麻油で頂く。
■特製(塩)牛モツ煮込み
これは、と箸が止まる。
薄いスープで満たされた、塩のモツ煮は何処かへるしー。
だいぶほろほろしてきたようなので、次へと移動します。
(了)
ユニットバスに貼られたポスターは、豊川悦司:主演、『犯人に告ぐ』
絵師、陶工として知られる尾形 乾山(おがた けんざん)、遊興家の兄、光琳とは対照的に内省、内向的人物だったという。
乾山、81年の生涯を放逸無慙と言い切った辞世の句。
うきこともうれしき折も過ぎぬれば たただあけくれの夢ばかりなる
嗚呼、無常。
何処か他人事とも思えぬので、あけくれの夢ばかり追わぬこととしよう。
(了)
職場の湯沸室からは六本木ヒルズがよく見える。
角度を変え、晴天に恵まれてさえいれば、富士山さえも眺められるという。
山手通りと駒沢通りの交差点脇でタクシーを拾おうと、路上を徘徊している男が見える。
男、左折専用レーンに入り込んでいる為、左折車が迫る度に歩道側へ戻ったり路上へ出たりして、わりと迷惑な歩行者的存在となっている。
すべからく走行するタクシーは乗車済のようで、無駄に右手を挙げては下ろしたりして、体力を消耗させている様子。
何となく眺めていると、彼がタクシーに乗るまで目が離せなくなり、タカシという名さえ与え、軽くエールを贈ってみたりしていることに気付く。
子を持つ親の気持ちかしら。(全然違うぞ)
(了)
痛飲の果てに讃岐饂飩な店に立ち寄る。
釜玉をオーダーし、席で待つこと数分。
いつ揚がったかも分からない茄子天に生姜を添えて割り箸で突付いていると、茹で上がった饂飩が運ばれてくる。
天かすと刻み海苔をこれでもかと放り込み、既に日付が変わっていることすら忘れるかのように掻き込んで完食。
水差しから冷えた水を注ぎ、爪楊枝を一本取り出したところで記憶が途切れる。
・・・。
気付けば、四人席の壁際の椅子に横たわって気絶している様子。
壁時計が告げるのは、午前3時。
既に膳は卓上から持ち去られている。
疲労か深酒か、いや老化だろうと結論付け、店を後にする。
時節柄、屋外でこれをやらかすと確実に死にます。
ご自愛ください。(誰が?)
(了)
遅れた昼食を摂っている同僚、ざるそばに肉野菜炒め、ポテトサラダと2品付けたものの、何故かそばを8割方残し、他2品を完食という、主と副が逆転していることに気付かない様子。
「土曜日、スノボに行く予定だったんですよ」
行かなかったの?
「ええ、朝超早く起きて、準備も整えて家を出ようとしたら、友達から携帯に電話かかってきて、『ごめん、風邪ひいた』って、お前それ前日に言えよってキレそうになりましたけどね」
残念。
「で、その後払い戻しに上野まで行ったんですけど、当日キャンセルだから全額戻ってこなくて散々でしたよ」
上野まで行かなきゃいけないんだ。
「そうなんですよ、面倒でしょう」
ひとりで行けばよかったのに。
「嫌ですよ。僕ひとりで牛丼も食べられないのに」
えー?
「吉野家とか松屋に一度も入ったことないんですよ、ひとりでは」
えー? 女子か、君は。
「あ、でも、今つきあってる子は、ひとり松屋でビール頼んでますけどね。仕事大変みたいで夜遅いんですよ」
君らの行く末を案じているよ。
(了)
昨日に続いて六本木に来ている。
待ち合わせは13時というので、2分前に到着してみると、同行者は既に到着している様子。
君ら、親類の結婚式でもそんなフットワーク軽くないくせに、この気の入れようは何だ。
<趣旨>
これまで巷にはびこる4桁バーガーを幾つかやっつけてきた果てに、設定価格2,300YEN(税抜)という、小腹が空いたくらいでは手が届かないランクのそれを、ホテルのラウンジにて手をネドベドにして喰らおうという企画。
ウェイティングバー的なカウンターで席への案内を待つ
SPみたいなガタイの黒人従業員から手渡される英字メニュー
パテは薪を燃やしたオーブンでグリルしてくれるという
何杯目かのビアグラスが空になった頃、ウェイターが大皿を運んでくる。
肉厚っ(和牛100%)
チーズ、レタス、トマト、ベーコン、クレソン、オニオンリング、そしてフレンチフライ
顎が駄目になりそうな高さ
ウェイターを呼び付け、マスタードを要求。
荒挽きか、そうでないかを選べるという。
何を血迷ったか、パテの焼き具合をレアにしてしまった為に、血だかBBQソースだか判別も付かないまま、口周りを真っ赤に染め、鬼子母神の如きランチタイムに。
赤くじゅーしーなパテを、ほのかに甘いバンズではさんで喰らい尽くす。
食後、寒風吹きすさぶ中、屋外のカフェで(ホットは2秒でアイスコーヒーに)
東京タワーに"HEART"が見えます
何故かこの後24時まで徘徊し、疲弊しきってタクシーで帰宅。
11時間も六本木で何をしていたかと問われても、何とも答えようがないのだが。
(了)
日比谷線に乗り、六本木へ。
分かっていたのだが、おびただしい人の波に呑まれ押され、吐き出されるように地上へ。
KONAMIとかFUJI FILMなんて社名を掲げたビル辺りを目指す。
「ただいま40分待ち」とあるプラカードを持った案内員、次から次へとやって来る客を最後尾へと誘導している。
「館内大変混み合っております」とのアナウンスを聴いて入場を断念。
カエルとウサギに会えぬまま、この地を去るのだ。
(了)
男、締め損なったネクタイが気になるのか、ほぼうつむきながら昼食を終えようとしている様子。
丼と顔の距離が怖ろしく近いまま、不意に割り箸を突き出してくる。
「そう言えば、海外に行ったことありますか」
何だ、いきなり。箸を向けるな、箸を。海外? あるよ。
「何処系ですかね」
えーと、東南アジア系。
「ブータン?」
いや、それは違うだろ。何だ、あれ、南アジア?
「知りませんよ。煙草の販売が禁止されたくらいしか情報がありませんよ」
何だ、自分でふっといて。行ったのは、タイとマレーシア。
「へー、他には?」
台湾とアメリカ。
「意外と行ってますね。ヨーロッパとかは行かないんですか」
うーん、あまり食指が動かない。
「やっぱり食ですか。でも美術館めぐりとかもいいですよ」
その辺は興味がなくて。それよりも君の口から美術館なんて単語が出てくるとは。
「僕はその辺目指して行きたいですね」
へー。思い出したけど、中国も行ったな。
「あ、僕もありますよ」
そうなんだ。何てところ?
「杭州」
って何処? いや、それよりも美術館なんて建ってないぞ、その辺は。(偏見)
(了)
個人的には「当日初めて知った」に過ぎない。
横浜では6万人の観衆が暴徒寸前の気概で声援を送っているという。
数分に一度視界に入る、緑の上を行ったり来たりする赤いのと白いのの映像を合間合間に眺めていると、試合終了後に、
「とにかく疲れました」
などと素で答えていたプレイヤーのコメントに大きくうなずかざるを得ないのだった。
(了)
気が付けば、野菜売り場で京菜、水菜などの青物を手にして葉の色を見比べていたりする。
嗚呼今日も今日で性懲りもなくこれを鉄鍋で煮るつもりなのかと我に返るも、抗う術もなくレジへと向かわざるを得ない。
今日は小松菜
エゴマの葉で飲りながら
完食
聴くところによると、いわゆる新弟子検査の体格検査では、
「身長173cm以上、体重75kg以上」
という基準が設けられているという。
自分はどれも満たしていないと胸を撫で下ろすのも束の間、志望者減少に歯止めをかける為、2001年以降に認定された、
「身長167cm以上、体重67kg以上」
という第二検査基準があるという。
まんざら狙えなくもない現実がそこにある。
(了)
遠方から後輩が上京しているというので、新宿三丁目で飲むことに。
仕切りと階段だらけの入り組んだ店内を案内され、畳敷きの個室へと通される。
とりあえずとビールをオーダー。
3分経過。
卓上には突き出ししか置いてない。
遅いな、ビール。
「あ、ここの店員、気を付けた方がいいですよ」
何でまた。
「やたら早口なんですよ。何を言ってるのか全然分からなくて」
日本人なのに?
「ええ、たぶん。名札に『田中』って書いてありました」
マルクス闘莉王かも分からんぞ。
「誰ですか?」
いや、実はよう知らん。もう訊かんといて。
「何ですか、自分でふっといて」
フード系はあっさりと運ばれてくるのだが、ドリンク系がさっぱり来ない。
「呼びますか?」
田中を呼べ。
「いや、指名は無理です」
分かっとるがな。
呼ばれた田中、ビールが来ない旨を告げると、「かくにます」と言い捨てて去ってゆく。
「確認します」と言ってることに気付くまで数秒要する。
「たせしましたー」と田中、ビール4杯をテーブルにガゴンと置き、走り去ってゆく。
「あの、これこんなに頼んでないです!」
もう、ええよ。疲れた。
田中以外のプレイヤー達も負けじとやらかしてくれたが、思い出すのも鬱陶しいのでこの辺で。
山手線と井の頭線で帰ります。
(了)
どういうつもりなのか何がそうさせるのかさっぱり分からないまま、鍋を食べ続けている。
「朝」
韓国料理でいうところの「部隊チゲ」
<食材>
■長葱
■春菊
■エリンギ
■しめじ
■ソーセージ
■白菜キムチ
「昼」
昼はさすがにあれなんで、鶏南蛮そばにしておく。
つゆがおそろしくぬるく、今まで生きてて食したそばの中のワースト3にランクイン。
ネギの煮くずれっぷりが、「昨日の鍋」状態なのがつらい。
「夜」
名も無き鍋、強いていうなら「和風豚チゲ」って何だそりゃ
<食材>
■豚ばら肉
■小松菜
■エゴマの葉キムチ
■ちゃんぽん麺
もう飽きた、鍋に飽いた。
何だ、力士目指してんのか。
だんだん顎の輪郭がなくなってきたようだし、そろそろ危機感を持たんといかんな。
(了)
おはようございます。
今日は何でしたっけ?
富岡? 富岡ってマイケル? マイケルじゃない?
誰? 人じゃない? はー、人じゃないですか。
群馬? へー、近いじゃん。
あれ? 練馬とは違うのか。
あー、はいはい群馬ぐんま、埼玉の上の、ねえ。
あ、迎えのリムジンが来ましたよ。
さっそく走り出しましたね。
さあ、埼玉の上の方へ!
2時間弱で到着。
リムジンごと乗り入れる。
彼が遠くを見つめていると郷愁を誘う
何もかも諦めたら彼と触れ合えるだろうか
全てを投げ打って彼女と(以下略)
次のゾーンでは下車を強いられ、やむなく付近を散策。
「お前黄色過ぎやろ」「お前こそ赤過ぎやないか!」「ああ!?」「ああって何や!?」
「ヤクシマヤギはほぼ双子で産まれますごろごろ」
「にいちゃんな、これはずしてくれんか。頼むわ」
この2秒後、無軌道な若者の持つシェーバーでまるはだかに
姿、立ち振る舞いがタカラジェンヌ
ネコ科獣舎へ。
何故かこのユキヒョウ、名前が「ヨシダ」って名字じゃんか
「ニートって流行ってるらしいな」「へー」「ふーん、詳しいなお前」
巣鴨の地蔵商店街ではこの柄のTシャツが売られている
ルリコンゴウインコを指して、「この子かなり陰湿なんですよ」と説明する調教師
上野に行って現物を見たらいいと思う
頑張ってるのかそうでないのか分からなくなる
朝、食パン一斤をケースに入れると昼頃には「家」ができているという
あ、君のから揚げか、ていうか君がから揚げか
君の串焼きか、いや君が串焼きだな
ダチョウもワニもいない昼を経て、付近をぐるぐると回り、暗くなってきたので夕飯を。
食後、都内へと撤収。
最寄り駅まで送り届けてもらう前に、個人宅に寄る。
にゃー
お疲れ様でした。
中央線と井の頭線で帰ります。
(了)
SONY製ゲーム機を複数台所有する持つ知人に、何かのきっかけで『SILENT HILL ZERO』 (PSP)がいつ発売するのだろうと訊くと、
「今日ですよ」
との回答。
何だ、君はKONAMIの回し者かとショップへ向かい、購入。
ざっくりとした説明で甚だ申し訳無いが、当ゲームは一般的にいうホラー系。
プレイヤーは巻き込まれ気味に異世界に連れてかれ、現実だったら絶対にとらない行動(廃墟と化した病院や学校に深夜ひとりで乗り込んでゆく)で難関を乗り越えてゆくという、脱出までの謎解きとクリーチャー殺戮に時間を費やすだけの精神的に甚だ不衛生な内容。
内容はともかく、ひとつだけ欠点が。
日中だと暗いシーン続きな為に陽射しが画面に反射してしまい、やむなく完全消灯した夜中にプレイする結果に。
挙句、メーカーが推奨する、「臨場感をお楽しみ頂く為にヘッドフォンを装着」しろという。
言われた通りにプレイしていると、アルコヲルから発する睡魔に勝てず、気絶してしまう。
目を覚ますと、枕の下にはゲーム機が生き物の様に入り込み、首にはヘッドフォンが巻き付いているという惨状。
寝てる間に、ホラーゲームに絞殺されるなんてさっぱり笑えない。
(了)
近所の小料理屋で毎回見かける72歳の老婆、実は南画の大家という。
夫は若い女に夢中らしく、ひとりで酒をあおっているが、飲んだ数を数えられない為、頼むたびに数量を店主に確認している。
「あたし、こう見えても絵描きなのよ」
何度も聴きましたよ、それ。
「この辺は物騒でねー」
若造がやべえですか?
「違うわよ、変態がいるのよ」
ヘンタイって露出系ですかね。
「そうよ! 10年前にそこの坂で見たのよ」
最近の話じゃないんですか。
「そうね、あれは昭和39年だったかしらねー」
いやいや先生、おもしろトークもいいんですけど、話がさっぱり進みませんから。
「今度ね、六本木に移転するの。あのほら、黒川紀章の」
国立新美術館ですか。先生、これまたえらいところに移りますねー。
「そう、たぶん」
たぶんて。
「あたし、ホームレスを10年飼ってたことあるわよ」
えー? 慈善事業か何かですか?
「そうかもしれないわね。でも、あいつ今頃何やってるのかしら」
追い出したんですか。
「違うわよ、出てったのよ。あんなの勤まるのかしらねえ」
先生、気付けば何も話してませんよ。
大変楽しかったのですが、先生を置いて店を出ます。
次にお会いできるのは、次に来た時でしょうか。(先生は毎日いるけどな)
(了)
画伯に黙って食すセイコガニ
神田駅前を歩いていると、客引きにいさんから声をかけられる。
「お客さん、乳首足りてますか?」
いや、足りてるも何もふたつあるし。
彼の持つ客引きマニュアルには、他にどんな単語が書いてあるのだろうと気にはなったが、立ち止まるわけにも行かず、軽やかにスルー。
「コスプレ居酒屋でーす」とチラシをくれようとする、何のコスプレなのかさっぱり特定できない呼び込みねえさんをも交わし、まっとうな店へ移動します。
(了)
数ヶ月前に聞き及んだ話を、当たり前のように続けようとする男、軽い鬱病であることをさり気なくアピールし、周囲から優しくされたいだけなのかとも思う。
「でさー」
いや、全然分からない。
「客先で会ったシステム部の女子だってば」
えー?
「ほら、あれ、髪型とかばっさばさで、片手で頬杖突きながらメールチェックする女」
あー、その描写で思い出したよ。メガネはずすと実は美人と評判の。
「そうそう! 後日談があってさ、その子ともうひとり同僚の子と3人で昼飯食べに行ったわけよ、千葉の果てみたいなところで」
千葉の果てが客先?
「うん。で、飯食ってたら、ブーンてカナブンが飛んできてさ」
かなぶん? いつの話だ。
「忘れた。しかも、それがカナブンだったかどうかもあやしい。で、同僚の子は『きゃー!虫!虫!』とか騒いでるわけ、ぶっさいくなくせに」
まあ俺も騒ぐよ、食事中に虫が来たら。
「でも、そのシステム部の子はさ、テーブルにあったティッシュの箱からティッシュペーパーをわさっわさっわさって3枚取って、無言でカナブンを捕獲して、そのままねじって潰してた」
えー?
「俺と同僚の子が呆然と見てたら、さすがに何も言わずに潰したのが気まずかったらしくて、『ごめんなさい、びっくりしたでしょう』って照れてた」
えー?
「いやー、かわいかったなー」
そうなのか、それでいいのか。
ある意味頼もしいが、何処か視点が歪んでいるとも思う。
(了)
寝起きみたいな髪型のまま両手に持った缶コーヒーで暖をとる男、あくびを噛み殺してるんだか噛み殺してないんだか不明なまま、半開きの口を諦め気味に開ける。
「ネクタイの裏側にあるじゃん、あれ」
何がですか?
「タグっていうの? あれ何?」
えー? ああ、これですか。裏側に回る細い方を固定するやつですね。
「長いよ」
長いから留めるんじゃないですか。
「いや、だからさ、タグみたいなあっさりした名称が欲しいわけよ」
じゃあタグでいいじゃないですか。タグ決定で。
「お前」
何ですか。
「星座言ってみろ」
星座? 蟹ですけど。
「やっぱりなー、俺、蟹座とは合わないんだよなー」
じゃあいいですよ、それで。
「かわいくないなー」
そりゃ蟹ですから。
(了)
地元名産品を購入。
■白えびの昆布〆
「湾の宝石」「海の貴婦人」などと大仰な通り名もある、6,7センチくらいの小型の海老。
生前は脚や尾が薄紅色しているようだが、死後の不透明な乳白色な御姿しか知らない。
漁獲されているのは、世界でも地元の湾だけという。
土産のつもりが誘惑に勝てず、足が速いしなどともっともらしい理由を付け、ひとりで貪り食う。
たいへんおいしゅうございました。
おとなはなによりもおとなげないみたいですな。
(了)
前回の従姉妹の結婚式に続き、今回も招かれて地元にいる。
前回は姉、今回は妹。
しかも当式場、新郎新婦の職場という。
社割で挙式ですか。
懸念された曇り空はそこになく、いわゆる晴天に恵まれた様子。
6つ年下の従姉妹に会うべく、式場を目指す。
怖れていた親類縁者からの「お前はいつなんだ。早く両親に孫を見せてやれ」的な突っ込み、今回はさすがに幾つかボディーに入れられつつ、定刻通りに式は始まる。
神父の話す日本語が難解で「ミナサマゴキルラサイ」が「ご起立下さい」と気付くまで数秒を要する
群がる妙齢の女子数名を突き飛ばしてブーケトスに参加も式場サイドからの妨害により奪えず
祝儀分の酒を飲み干したところで、迎えの車を待つ。
外は雨模様。
父親きぶんで帰ります。
(了)