「ジントニックを頼んだんですよ」
いや、ていうか俺さ、店員じゃないから。
「そういうことじゃないです。そそっかしいですね」
・・・えーと、誰がそそっかしいのかな?
「まァ聞いてくださいよ、ジントニックですよ」
はい、ジントニック入りましたー。
「それじゃァ振り出しに戻ってますって」
ジントニックがどうした?
「ジントニックを頼んだらですね、ジンと氷が入ったグラスが来ました」
それはトニック抜きだね。
「慌てないでください。その後でトニックウォーターがボトルで来ました」
そういう店なの?
「ちゃんと聞いてくださいよ。で、トニックをグラスに注ぎますね」
それ、ジントニックじゃん。
「そうですよ、オーダー通りですよ」
それがどうしたのかな?
「で、こう、ね、飲み干しますよね」
そうね。
「トニックウォーターは有り余るわけですよ」
なるほど、有り余るね。
「で、言ってやったんです」
店員に?
「いやいやいや違いますよ、ジントニックを頼んだ女にですよ」
女が出てきた。あー、君の話じゃないんだね。それで?
「『中、もらえば?』って」
・・・中ねぇ。
「そしたら、『えっ!?』って顔するんですよ、あの女!」
・・・。
ってホッピーかい。
男と女の間には深くて暗い川があるのだ。
(了)
手首と肘の間の腕の痣に続き、二の腕、いわゆる肩と肘の間の部位の内側に青痣を見つける。
指先で押すと痛みはあるので、打撲傷には相違ないのだが、如何せん身に覚えがなさ過ぎる。
気になって調べていると、内臓の疾患とか宇宙人のインプラントとか物騒な専門用語ばかりで厭んなるから、医療系とオカルト系とは少し距離を置いた的な、地域密着型アンサーを求めるのだが、探している答えとは別ベクトルの意図しないテキストを発見してしまうのもまた世の常。
朝起きられないという筆者(♀)は、母親より頬を張られたり腹部を殴られたり二の腕をつねられたりするという。
おかげで二の腕は痣だらけ 私が自傷すると、泣いて怒るのに、自分のやったことはいいのかYO つーかこれDVじゃね?
って、軽いな、おい。
さらっと云うねぃ。
自傷行為するほど若くはないので、大人は何かの所為にして生きてゆくしかない。
それが何か分からないから、今でも困った畑の住人なのだ。
(了)
※"I don't wanna kill you. 生活"
世間的に難易度の高い環境でも熟睡可能というのは、良い意味での特異体質と信じてきた。
リクライニングの意味すら考えさせられる背もたれの倒れないほぼ背骨まっつぐ系で硬い長距離バスの座席、興味の持てないJ-ROCK系ミュージシャンが爆音で演奏するライヴ会場に仮設置されたパイプ椅子席、極寒の地にたたずむ公衆電話ボックス、雨がそぼ降る自宅テラスの人工芝、等々と挙げれば枚挙に暇が無い。
眠れない、とはこんなにもつらいものか。
たった一晩とはいえ、背中が痛くて困る畑の住人になる。
調べてみると、原因としては考えられるのは、
・骨や筋肉、靭帯の異常
・脊髄や神経の異常
・内臓の疾患
とまあ、脅かすには立派な語群ばかり。
寄る年波からして、内臓の疾患が気になるところ。
羅列するだけで気が滅入ってくる。
心筋梗塞、胸膜炎、狭心症、大動脈炎症候群、解離性大動脈瘤
とりわけ深刻度の高い心筋梗塞は、喫煙者が罹患しやすいというのでまた萎え萎え。
痛みの表現が惨(むご)たらしくて、
「背中から前胸部に何かが走り抜けたような痛み」
「背中に焼き鏝(ごて)を当てられたような痛み」
どれも経験が皆無だから、その衝撃に耐えられる自信も無いのだ。
一方、解離性大動脈瘤は、
1.急に胸や鳩尾(みぞおち)が痛み出し
2.痛みは腹部中央、背中中央や腰に移動し
3.血管が破裂
するという。
・・・。
書いてるだけで、具合が悪くなる気がする。
これは背中スタートじゃないから、違うと言い切れる、かもしれない、たぶん。
そして今、昨日まで無かったはずの痣(あざ)を右腕に見つける。
夜中、眠っている間に大暴れした挙句の結果的に自傷な打撲だったら安心するのだが、それはそれで何処か神経系に問題がありそうな気もするのだ。
(了)
いまからなまえをいいますので、よばれたひとはまえにでてくださーい。
るい12せいさん、しゃるる9せいさん、いますかー? へんじがありませんね。
らふかでぃお、はーんさん、あ、こいずみやくもさん、いませんかー?
へれん・けらーさん、へれんさん、あ、きこえないんでしたっけ?
くまさん、れおなるど・くまさん、くまさんくまさん、あらくまさん。いないですかー?
とにー・れおんさん、まぁ、とおいところにいますね。
かたおかあつしさん、あ、じっかはひのきぶろですね。
はやしゆみかさん、・・・へんじがないですね。
たてかわだんしゅんさん、えーと、ささきのぶゆきさん、たかいところにいらっしゃいますね。
えー、みなさんにおつたえすることがあります。
あ、よばれなかったかたはかえっていいですよ。
でぐちはあちらです。
はいはい、ぐずぐずしないで、とっととさっさとかえる。
はい、ちゅうもくしてください。
しごはつつしんでくださいね。
がやがやしてますよ、そこ。
いいですかみなさん、たしかにきょうは「まつもとさりんじけん」のひですが、まあそれはおいといてください。
「おかやま」の「ばらずし」にちなむ、「ちらしずし」のひでもありますが、それもいまはわすれてください。
みなさんにはすばらしいみらいがあります。
あ、もうなくなったかたもいますけど、きにしないでください。
ねんねん、にんそうがわるくなるのはしょうがないですよ。
かいぞうしゅじつは、きょくりょくひかえてゆきますよ。
おいしいものには、かねにいとめをつけませんよ。
なんでもくちにいれますよ。
なんとかもみそもみんないっしょですよ。
とにかく、わんぴーすですよ。
このかいがひらけたことをうれしくおもいます。
これからもよろしくおねがいしますよ。
(おわり)
それはあるよるのことです。
ひとりのおとこが「たまがわじょうすい」のどてみちをあるいています。
「おりんぱすや」のあつまりでさけをのみすぎてしまい、かえるじこくがおそくなったのです。
みちのむこうにちょうちんのあかりがひとつぽつりとみえます。
あかりはこちらにちかづいてきます。
そのちょうちんには「てるもや」とかかれています。
すれちがいざま、あかりにてらされたのは、ひとりのろうばです。
どてみちはとてもせまく、ぶつかることなくすれちがおうと、かたをかしげたおとこでしたが、なにかのはずみでよろけたろうばが、おとこのからだにあたります。
おとこはとっさのことでおもわずよけてしまったので、ろうばだけがちょうちんをほうりだし、どてのしたにあるだいこんばたけにころげおちてしまいます。
ほうりだされた「てるもや」のもじは、ろうそくのほのおでもえてしまします。
あおざめたおとこは、どてをかけおり、だいこんばたけにうずくまるろうばをたすけおこそうと、りょうのうでをささえながらじぶんのほうへとひっぱります。
が、ろうばのりょうのうではかたからすっぽりぬけてしまい、からだがついてこなかったため、そのいきおいのまま、おとこはうしろへとよろけ、しりもちをついてしまいます。
りょうのうでのないろうばはすっくとたちあがり、じべたにへたりこむおとこのざまをみて、たかわらいしています。
おとこはこわくなり、ちょうちんももたずにどてをかけだして、にげかえってしまいます。
よくあさ、ゆうべのばしょのようすをみようと、おとこはどてしたのだいこんばたけをおとずれます。
しかし、そこにはろうばのすがたはなく、ただ、だいこんが2ほんひきぬかれていただけでした。
Q:さて、このおとこのおかしたつみをつぎのなかからえらびなさい。(ふくすうか)
1.しんやはいかい
2.ぎょうむじょうかしつちしょう
3.きぶつはそん
4.ぶっしょうのいんとく
5.やさいどろぼう
(おわり)
「はいどーもこんばんはー、カンピロバクターでっす。えー、じめじめ蒸し蒸しした日が続きますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか、と。まァ早いもんで、もう6月になりました。6月ですよ! あと半年で今年終わりますよ。うかうかぼやぼやしてる間にみーんな年取っちゃってねぇ、で、死んじゃうの。明日はわが身ですよぅ。聞いてますか、小浜さん! あー、なんか湿っぽい話になりましたが、あはは、梅雨だけに? 気を取り直してゆきまSHOWかッ! まずはメンバー紹介からッ! ギタァー、・・・コリ! (ぎゅわわーん) ベーェス、・・・フェタス! (ぼのぼのぼのぼの) ドラムスゥ、・・・スパトラム! (どこどこどこどこどんどんどん) そして、ヴォヲカルは、・・・皆様のジェジュニでした! それでわァ、聴いてください、新曲でっす、『ギラン・バレーより愛を込めて』ッ! 1,2,1,2,さんしー!!」
(了)
えェ、蒸し暑ぅ御座んす。
町ン中を歩くてぇと、揃いの青装束を纏った若い衆達の姿をお見掛けしますが、何ぞ集会でもあるんでしょうかねぇ。
良くねぇ事が起きねぇようにと願っておきますな。
本日ァ、柳橋も近い鳥越にて落語会で御座ィます。
『第五十三回 鳥越落語会』
三遊亭粋歌◆お菊の皿
「前座名は、歌すみでした」
「よく粋歌とはどう発音するのかと聞かれます」
「JR関係の方にはSuica、JA関係の方には西瓜と説明しております」
「墨田区出身です」
「両国に住んでます」
「着物姿で浅草橋まで歩いてきました」
柳家喜多八◆大工調べ
「明日、協会の総会がありまして」
「朝早いから、今まで出たことなかったンですよ」
「これまでは、委任状に『入船亭扇遊御師匠に委任す』なんて書いて逃げてたンですよね」
「行きたかないんですけど、行かなきゃならないことになりましてね」
「うちの師匠(柳家)小三治が会長就任なんですよ」
「師匠はああいうひねくれた感じでしょ」
「なかなかねぇ、弟子から、おめでとうございますって云えないですよ」
「『何がめでてぇンだ、この野郎ッ!』って云われかねないしね」
「何云っても許されるはずの(柳家)はん治あにさんさえまだ云ってないって云ってましたし」
「この間行ったンですよ、末弟(柳家)三之助の真打襲名披露に」
「まずあたしでしょ、あたしから云っちゃァいけないね、師匠小三治でしょ、高弟のあたし、で、三之助と、あと(柳亭)こみちがいましてね」
「幕開いて、こう一同皆お辞儀してるそン時、会場から『会長ッ!』って声が掛かりまして」
「緞帳のこっち側で小三治、その声にぴくってしてました」
「・・・ほんとはね、なりたかったンですよ、会長に」
「こうマクラが長くなると、小三治の気持ちがよく分かりますね」
「ハイになってるンでしょう、きっと」
「・・・実は余興で宝塚を演るんですよ」
「毎年協会が全生庵(ぜんしょうあん)でやってる、圓朝祭で」
「あの石段をね、大階段に見立てて」
「あの人たち(宝塚歌劇団員)ってあれですってね、足下見ないで階段下りるでしょ」
「だから、谷中に通って練習してますよ、全生庵の石段で」
「あれね、上がまず四段あって、それでフラットになってまして、後は十八段ね」
「もう落語なんてどうでもいいんですよ」
「しょうがないから演るンですよ」
お仲入りで御座ィます。
すず風にゃん子・金魚◆漫才
崖っぷちのぽにょから始まって、にゃん子師匠にゅーはーふ説に続き、金魚師匠のごりら藝、愛のすうぃーとほーむで終わる、寄席での演目そのままでした。
柳家喜多八◆鰻の幇間(うなぎのたいこ)
「もうあの話は止めときますね」
「・・・あと、何か云い忘れてないかなァ」
「落語の後で思い出したら云いますね」
「ほんとは『船徳』演ろうかと思ったんですけどね、あれは噺が『つく』ンですよ」
「『(与太郎と船頭の)ごめんなさい』ってくだりがね」
「『癇癪』演ろうかとも思ったンですけどね、これも怒鳴ってるでしょ」
「だから別の噺を」
「あたしゃァ母親だけは神田生まれでして」
「その頃、関口宏さんのお父さんの佐野周二さんのお父さんが近所に住んでまして、粋な鳶職の棟梁だったらしいンですよ、あたしは見たことも無いンですけど」
「あたしは練馬生まれで戸塚、今の百人町の育ちで」
「師匠の小三治は柏木で隣町でしたね」
「で、その頃、あたしが小学生の頃、近所に着物の人が住んでまして」
「子供心に何か感じたンでしょうかね」
「後で聞いたら、この人が最後の幇間(たいこもち)、桜川善平師匠だったンですねぇ」
追い出しの太鼓こそ鳴りゃァしやせんが、会場を後にしますてぇと、黒塗り外観の建屋が見えて参ります。
黒板塀に見越しの松なんてぇ風情じゃァござんせんが、暖簾をくぐりまして席から幾つか品を。
活き鰺のたたき、葱とろ、何故かザンギでぺいいち飲りまして、程好い加減で店ェ後にしますな。
渋谷まで帰りますてぇと、駅構内が怒号にも似た喧騒に包まれております。
昼に見た青装束の若い衆らが丸い球を蹴り合っておりまして、それをてれびの撮影班と尻尾の無い馬どもが眺めております。
他の青ィ若い衆らは番所のお役人らに取り囲まれたり、安い作りの民族楽器を吹いたりと徐々にてんしょんを上げつつあるようですが、目的が分からないあたしには往来を塞ぐ塊にしか見えやせん。
青ィ塊を掻き分け掻き分け家路に着きましたところで丁度時間となりまして、お後と交代で御座ィます。
(了)
もちろん、占いなんざ毛ほども信じたりはしないのだが、約束事だけで成立した世界では、化学式にも等しい自然の摂理として認識されているのは周知の事実で、それは曖昧然とした世迷言では在り得ず、紙っ切れに炎を近づけると燃されるぐらいの至極当然な現象と捉えている心積もりだったのだが、睡魔的うっかりが度重なると、埃及産の猫にしか見えない輩の発言そのものが金運上昇であるにも拘わらず、最終段階で凡にやらかしてしまい、万馬券を破いて空に放り棄てる如き取り返し不可な行為をみたびも重ね、疲労と困憊で気絶までの秒読みは促進されるのだった。
(了)
先日の北海道旅行道中、どうせ外には漏れ聞こえないぜ、漏れ聞こえても人なんざ歩いてないぜとばかりに、移動の車中で道民に対する心にも無い悪態のようなものを吐き続けていたら、「でも、運転手さんも北海道の人だよ」と当然と言えば当たり前な指摘をされ、これはこれは正に木を見て森を見ない愚かしい行為と気付き、願わくば東北地方から出稼ぎに来ているバス会社がそういう場所で「小樽方面、2人!」的に日雇いするその日暮らしで流しのドライヴァーであって欲しいと、まったくもって何処にも反省が無いのだった。
(了)
先輩風の男と後輩格の男が向かい合って遣ったり取ったり。
先輩が後輩に酒を強引に勧めている様子。
後輩は明日の事を憂いている様子。
「俺、明日休みじゃないですよ」
あ、そう。へー。じゃあ、何み?
なにみ、て。
(了)
(0620 m&k改題)
おはようございます!
たびとくゆうの「はい」なじょうたいでむりぐりめざめました!
あさゆはきもちがよいのです。
ちょうしょくをいただきます。
とうぜん「わしょく」でせめますよ。
なかまのうちすうめいは、さくやの「すすきの」ばなしをことさらおおごえではなしています。
おなじてーぶるにすわる、ほかのだんたいのしらないおんなのひとたちは、ろこつにいやなかおをします。
おなじだんたいのしゃいんりょこうだったら、かんぜんに「せくはら」にんていですね。
9じ、ろびーにしゅうごうし、ちぇっくおうと、まちがえた、ちぇっくあうとします。
ごぜんちゅうゆいいつのよてい、「じょうがいいちば」へむかいます。
むかえのばすにゆられ、もくてきちをめざします。
しゃないあなうんすは、「これはうちのみせだけのおきゃくさまようのくるまだから、うちのみせいがいでかわないのはひととしてとうぜんのことだ」とおどします。
さらに「うちのみせのろごのはいったふくろをもたないやつはおいてゆく」とつづけます。
なにをいっているのかわからないので、きこえないふりをしました。
じょうがいいちばにとうちゃくです。
どこのじょうがいなのかわかりませんが、かんぜんにこりつしたえりあのようです。
とらわれの「たらばがに」
しゃないほうそうがきにいらないので、ほかのみせでこっそりかいもとめました。
かいさんぶつはやめにして、すうぃーつなやつと「じゃがぽっくる」だけにします。
11じ、むかえのばすにのりこみ、「さっぽろえき」まではこばれます。
いつものんだくれてばかりいるので、「かんこうち」らしいことをしようと、あんないばんをくいいるようにみつめ、よいものをぶっしょくします。
きまりました!
ここです!
さっぽろびーるはくぶつかん
けっきょく「さけ」かい。
かくどをかえて
みゅーじあむばー「すたーほーる」
ゆうりょうしいん(有料試飲)400えん
つまみは○がたの「ちーず(ぷれーん)」でした。
ひだりから「さっぽろくらしっく (SAPPORO CLASSIC)」、「えびす<ざ・ぶらっく>(ヱビス<ザ・ブラック>)」、「かいたくしびーる(開拓使麦酒)」
「はくぶつかん」なので、かかりのおんなのひとにがいどをたのめるみたいです。
とうぜん、「さつえいきんし」とおもいきや、かんぜんにふりーのようです。
なかまたちはびーるれきしよりも、おねえさんのれきしにきょうみしんしんです。
なかまのすうめいは、くっきょうな「けいびいん」につまみだされました。
「せっしゃ(接写)」がよくなかったみたいです。
くらしかるかんばん
えべっさん
ぽらりす(ほっきょくせい)は、ほっかいどうかいたくしのきしょう(徽章)
はくぶつかんのつぎこそ「かんこう」だ、とえらんだのがここです!
にじょういちば(二条市場)
・・・「さけ」のにおいしかしませんね。
「すらむがい」のようなうらろじをぬけて、はいったのはいがいとこぎれいな「せんぎょせんもんてん」でした。
かしきりのごとき、たたみじきのひろまに7めいがとおされます。
つきだし(うえからとけいまわりに、たこ、にこごり、ばいがい)
いきなり「ふぐひれざけ」からはじまりました。
おちょうしがたくじょうにならんでゆきます。
また、とうぜんのように「ふなもり」がやってきます。
「やきたらば」、「かにじる」をへて、「ほそまき」にまでたどりつきます。
なかまのひとりはさらに「しめは、らーめんだ」といいます。
だれもはんたいしませんが、かなりのぼりゅうむをこなしていることは、だれしもきづいています。
けっきょく、ここには18じまえまでいました。
どれだけのんだくれていたか、もうこたえたくないりょうになっています。
たくしーをよんでもらい、さっぽろえきをめざします。
さっぽろえき
ここから「しんちとせくうこう」まで、でんしゃにのります。
40ふんじゃくでとうちゃくしました。
ここはしゅうてんなので、もちろんばくすいです。
20じのふらいとなので、にもつけんさじょうを19はんにはつうかします。
そのとき、ぼくたちにふこうがおとずれました。
「はねだくうこう」からのひこうきがおくれているというのです。
「もうだめだ、かえれない」となかまのひとりはなきくずれ、かぞくにわたすはずのおみやげをたべはじます。
すでに「さくらん」じょうたいです。
1じかんいじょうおくれ、ひこうきははねだにつきました。
かいさんのこえもかからないまま、なかまたちはそれぞれちってゆきます。
ゆきとかえりでにんずうはへってしまったけど、いつもよりぎせいしゃはすくなかったようです。
ただ、はねだくうこうでなんめいか「こうそく」されてしまったのはざんねんです。
「ほんしゅう」にもちこんではいけない「しなもの」がげんいんのようでした。
それがなんだったのか、いまはしるすべもありません。
いえにたどりつくと、へやはおとといのままでした。
ふつかかんの「ぼういんぼうしょく」にくわえ、「ふみん」のからだをよこたえて、いきをひきとるかのようにねむるのでした。
(おわり)
おはようございます。
きょうは「きた」へたびだつひです。
「よにげ」ではありませんよ。
「はねだくうこうだい1びる」に6じ45ふんしゅうごうです。
おっと、もう5じですね。
でかけねばなりません。
あれ? そういえば、いつもまにか「きんようび」がおわっています。
のんだくれがすぎて、ようやくじたくにかえったとおもったら、もうでかけるじこくです。
しかも、へやではあまりなじみのないひとたちが「さかもり」をはじめています。
それでも、やつらをおいてでかけねばなりません。
やつらは「いぎりすだいひょう」のせんしゅのなをかんした「ぱぶ」からおわれ、ここにながれついたのだといいます。
「わーるどかっぷぎせいしゃたちのつどい」はこれからはじまるみたいです。
くもりぞらのした、もくてきちをめざします。
「はままつちょう」から「とうきょうものれーる」にのります。
ぼくぐらいになると、ものれーるにものれーるのです。
・・・。
さて、くうこうにつきましたよ。
「きたうぃんぐ」にしゅうごうします。
なかまたちのなんめいかは、ひこうきがはじめてらしく、きんちょうかんがつたわります。
ぷれっしゃーにたえきれなかったのか、「しべりあよくりゅう」をおもいだしたのか、すうめいがだっそうし、「おって」があとをおいますが、あいうちになったとみえ、だれももどりません。
かれらのせきは、よやくきゃんせるまちぶろーかーのてにわたり、たかねでばいばいされました。
いくつかのとらぶるはありましたが、ひこうきはぶじにりりくしました。
ひこうちゅう、「ひだりのつばさにぐれむりんがいる!」とだれかがさけびました。
「だい2じせかいたいせん」じの「いぎりすくうぐんへい」とおなじ、ひとさわがせでふざけたせりふです。
しゃれにならないので、きのきかせたなかまのひとりが「くうぐんやろう」をだまらせます。
くうぐんやろうはさいごまでだまりっぱなしでした。
もちろんばくすいです。
ここでのすいみんをのがすと、もうあとはかえりのふらいとしかのぞめませんからね。
「しんちとせくうこう」にちゃくりくします。
きおんはたかいけど、しつどがないぶんすごしやすいみたいです。
ばすにのりかえ、「おたる」をめざします。
ここでのすいみんもじゅうようです。
こきざみにじゅくすいし、たいりょくのかいふくをめざしているので、しゃそうからのふうけいはさっぱりきおくにありません。
まずは「ちゅうしょく」です。
ももちらし
なかまのひとりが「これがほんばのあじか!」とさけび、それがさいごのことばになりました。
かんどうしたのか、がっかりだったのかいまとなってはわかりません。
りょこうちゅう、「これがほんばのあじか!」がはやり、かれのぎせいもむだになりません。
じつはこのみせ、「せきねつとむ」さんのつきびと、なんとかさんのごじっかだそうです。
ほんとかどうかはしりませんが、いちおうかいておきました。
ばすにのっていどうします。
とにかくめをとじてすこしでもねむり、よるにそなえなければなりません。
たたかいはすでにはじまっているのです。
うみがみえます。
ここでは「しーかやっく」です。
どこかできいたことのある、「あおのどうくつ」をめざします。
ざんねんながら、がぞうはありません。
ぬれちゃうからねー、と「かめら」はとりあげられました。
すなはまには、びきにすがたのおんなのひとたちがばーべきゅーをたのしんでいます。
おんなのこどうしのあつまりとおもいこみ、まざろうとかんがえたおろかななかまのすうめいは、はなれたばしょであそんでいたつれのおとこのひとたちにつかまり、うみのもくずときえました。
「おほーつくだけはやめてください!」がさいごのことばでした。
やさしいほっかいどうのひとたちは、おたるのうみにしずめてくれたのです。
さあ、ふなでです。
なみはおだやかで、かいじょうをふきぬけるかぜがここちよいです。
そらとがんぺきとこじまには、「せぐろかもめ」と「うみねこ」がまっています。
あおのどうくつは、ほんとうにあおいのでした。
・・・。
しかし、げんじつにはそんなぬるいびょうしゃはにつかわしくもなく、ぼくたちののるふねのなは「だい2てんぷくまる」でした。
うしろのせきには、ぼくの2ばいはあるたいじゅうのおとこがのっています。
ふなべりとかいめんとのさは2せんちしかありません。
じっさいに、こうぶよりしんすいしはじめ、なにがおきてもいつもたすかるはずのぼくですが、このときはさすがにだめかとおもいました。
ぱどる
かやっく(ほわいと)
かやっく(いろいろ)
かやっく(ばなな)
ぶじにりくにあがり、ふたたび、ばすでいどうします。
「さっぽろしない」にある、ほてるにむかいます。
ちぇっくいんです。
ゆうがたにえんかいがあるときいていますが、それまでに「さっぽろみそらーめん」をやっつけようとでかけます。
でぶまっしぐらなこういにほかなりません。
ほてるからはなれるとかえれなくなりそうなので、ちかばですませます。
からみそ
このみせ、めにゅーのひょうきが「やんきーもじ」です。
みそは「うつくしい(び)」に「おもう(そう)」とかきます。
しょうゆは「かける(しょう)」に「はるか(ゆう)」、
しおは「おもう(し)」に「たもつ(ほ)」です。
ねーみんぐは・・・ですが、おいしくいただきました。
いちどほてるにかえり、ひとっぷろあびて、はんかがいにくりだします。
えんかいかいじょうのこのみせ、「たべる」に「ひと」というひょうきです。
「しょくじん」かな?
「かにばりずむ」かとおもいましたが、「くうど」とよむそうです。
・・・つっこむのはよしましょうか。
えんかいがはじまります。
「いきだこのしゃぶしゃぶ」、「なまらむいしやき」、「ときしらず」、「べにずわいがにのみぞれやき」をいただきます。(がぞうはありません)
えんもたけなわで、このかいはしゅうりょうです。
ここからのこうどうはかくじじゆうとなります。
ほてるにかえってわーるどかっぷをみるなかまもいれば、「すすきの」にきえるなかまもいます。
えんかいのあとのきおくがなんとなくあいまいですが、がぞうがいちまいだけありました。
みそ
また、みそらーめんたべてるし。
かべには、「3だいめここんていしんちょう」ししょうが95ねんにおとずれたときにかいたしきしがかざられています。
いぢわるにも、みせのひとに「このらくごかさんはだれですか?」ときいたら、
「・・・うーん、ここんていしんしょうかな?」
なんてねぼけたことおっしゃいました。
73ねんになくなったひとがくるけぇとおもいましたが、むりもありません。
あすは7じにおきるよていですが、すでに3じはんをまわっています。
さっぽろのおわらないよるはまだまだつづくのです。
(つづく)
「やばかったすよー、まじでー」
頼むから主語と目的語を何処かにはさんでくれ。
「当たったんすよ、もう激痛、げきいた」
二回言わんでもいい。
「たぶん、三日前のレバ刺しっすね」
安いところで喰ってるからだ。
「しょうがないじゃないすかー、今度いいとこ連れてってくださいよー」
お前だけ生食禁止な。
「まじすか? 焼きはありですか?」
それより、話続けて。
「そうそう、もう超痛くて。あ、盲腸じゃないすよ」
分かったから。
「で、行ったんすよ」
病院に?
「そう、初めは内科かガイ科か分かんなくて」
・・・何て?
「内科かガイ科」
あれはゲ科ってんだ!
「えー? うちの方じゃガイ科っすよー。地方人いじめないでくださいよー」
・・・まァいいや。それで?
「俺、保険証持ってなくてー」
お前幾つになるんだ?
「いや、たまたまっすよ、たまたま。で、人から借りて行ったんすよ」
あー、それは保険組合に対する詐欺行為だねぇ。
「サギだかカラスだか知りませんよ。で、ねぇ、ほら、自分の名前書くとこあるじゃないすか?」
書くね。うっかり自分の名前書いてないだろうね。
「さすがにそれはないっすよ。確かあいつ、下の名前アキラだったよなーって頑張ったんすよ」
頑張っただァ? アキラってどのアキラだッ!?
「何てんすかね、あれ。『あかつき』ってんすか?」
「暁」って書けりゃ上等じゃん。
「いや、あかつきってのは後で知ったんすよ。あれ他の字に似てんすよね?」
えー? 何をぅ?
「よく見たら『焼』って書いてんの、俺。焼いちゃう? みたいな? まじ超うけるー」
・・・。
誰かこいつを裁いてくれ。
(了)
(0306 a-ko改題)
17世紀頃までは、生物は自然に発生すると考えられていた。
フランドル(現・オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部)の化学者、ヤン・パブティスタ・ファン・ヘルモントは自然発生説を支持する意味を込め、下記の実験を行う。
1.小麦の粒と汗で汚れたシャツに油と牛乳を垂らし、
2.それを壷に入れて倉庫に放置することにより、
3.二十日鼠(ハツカネズミ)が自然発生する!
超うけるー。
著名な化学者、医師でありながら錬金術師でもあったヘルモントの当実験、自然発生説を裏付ける重要な結果をもたらした(と思われる)という。
まァ突っ込み処は満載なわけで、壷に蓋は無かったのか、と、しっかり密閉してなかったのか、と、お前はこの実験中に何処をのそのそしてたのか、と。
このうっかり感、たいへん共感が持てるのだが、風邪ぐらいの軽い症状でもこんな奴には診てもらいたくないのだ。
閑話休題(それはさておき)。
父が上京しているにかこつけて、西新宿で待ち伏せ、血縁であることをいいことに言葉巧みに店へと誘導。
生ラムを特殊な鉄板で焼き、手捏ねな挽肉を裏面はプレート、表面はバーナーでこんがりと焼いて、おろしぽん酢で食すのだ。
ホッピーを飲んだことがないという父に白ホッピーをあてがい、席を立つ間にこっそりと「中」を多目に追加し、よいきぶんにさせておいて、次の店へと誘う。
むろんタクシー移動でだ。
暖簾をくぐり、白木のカウンター前に座る。
店の大将に「辛口を」と玉虫色の注文し、出されたきちがい水を順にいただく。
日高見(宮城)、石鎚(愛媛)、白隠正宗(静岡・沼津)。
突き出しは、枝豆と鰹の漬け。
「てきとうに」という曖昧なオーダーに応じて出されるのは、蛸の造り、椎茸と蓬生麩の白和え。
本日は丸の内での「マネとモダン・パリ」展に行ってきたという父、明日は六本木での「オルセー美術館展」に赴くという。
あなたの愚息は美術館に1ミリも興味が無いのだが、連日通うそのスタンスは何処か似ているのだと思った。
本日もたいへん美味しゅうございました。
明日もひとつよろしくお願い致しますよ。けけけ
(了)
父が上京している。
赤坂、大門、神田に三泊四日という。
脛を齧ろうと赴くのは必然と万全の体調で臨むし。
宇田川町で合流し、白板に書かれた旬な品を上から順にやっつけてゆく。
初鰹を大蒜(にんにく)で、鱸(スズキ)をぽん酢でいただく。
この時勢、やはり何処かからかブブゼラの音が聞こえる。
"2010 FIFA World Cup South Africa"
Group H
2010/06/16 13:30 (UTC+2)
Selección nacional de fútbol de Honduras 0 – 1 Selección nacional de fútbol de Chile
Jean Beausejour 00:34
@Mbombela Stadium,Nelspruit
◆試合前の映像では、15日にエリス・パーク・スタジアムで行なわれた、ブラジル・朝鮮民主主義人民共和国戦における国歌斉唱の様子が流れている。
国歌斉唱時に感極まって号泣している北朝鮮の代表選手を見て、この人はこういう時じゃないとあの国を出らないのだな、たとえひと時としてもあの国を離れてさぞかし感無量だろうと思いきや、日本のクラブチームでプレイしている選手だった。
◆えーと、チリが勝ったみたいです。
河岸を替えるし。
タクシーを拾うし。
行った先でも当然ブブゼラ。
Group H
2010/06/16 16:00 (UTC+2)
Selección nacional de fútbol de España 0–1 Équipe de Suisse de football
Gelson Fernandes 00:52
@Moses Mabhida Stadium, Durban
◆「♪ハロースイス♪」 (他に書くことが無い)
◆前半で気絶しそうになり、途中退出。
明日も美味しい夕餉をいただこう。
何しろ、父は金曜まで東京に居るのだ。
先に言おう、「ごちそうさまです」。
(了)
「週末空いてます?」
え? ああ、まあ、たぶん。
「煮え切らない返事ですねー」
待って、今、スケジュール見るから。
「オランダ戦観ましょうよ」
おらんだが攻めてきたの?
「いやいやいや、むしろ攻める方ですよ、この勢いで!」
あのね、日本には専守防衛って思想があってね・・・。
「何をぬるいこと言ってんすか! 本田に続くんですよ!」
ほ、本田陸軍少将殿でありますかッ!?
「何言ってんすか。とにかく、土曜日にオランダ戦ですからね!」
・・・。
ごめん、話全然噛み合ってなかったけど、土曜は用事あるわ。
何処か、人との会話に隔絶感が否めないのは、意図せずとも外部からの情報を遮断している所為だ。
世間と自分との間には、深くて暗ァい河があるのだ。
(了)
えェ、朝から湿っぽい感じで御座んす。
ここ最近はてぇとめっきり寄席通いをしておりませんでしたが、亡くなりました五代目春風亭柳昇師匠の著しました『与太郎戦記』なんてぇ戦中日記を読んでおりましたら、戦中によく唄われていたという替え歌の表記が御座ィまして、寄席では此れを九代目入船亭扇橋師匠が「道具屋」なんてぇいわゆる前座噺ン中で劇中歌として演っておりましたのを思い出しました。
♪昨日召されたたこ八が 弾丸に撃たれて名誉の戦死
蛸の遺骨はいつ帰る 骨が無いから帰れない 蛸の母さん悲しかろ♪
これァ「湖畔の宿」なんてぇ戦前の唄が元曲なんてぇ云います。
扇橋師匠、来年で傘寿(さんじゅ=八十歳)なんてんでしょうか、だいぶ喋りの方が恍惚化しておりまして、やはり寄る年波なのかしらと思いきや、師の盟友でもあります十代目柳家小三治師匠曰く、
「あの人は年ィ取ってからああなったンじゃァなくて、昔ッからあんな感じなんだ」
そうですなァ。
マクラっからサゲまで、わざとかと思うくらいにぼそぼそと何を喋っているのか分かりませんでしたが、ただ確かにあの日あの時、此の「たこ八」そんぐはあたしの耳ィ届きまして、「弾丸(たま)に撃たれて」のくだりのこめかみィ人差し指ィ当てる仕草が堪らなく可笑しくてですね、・・・何かこう云いますと、扇橋師匠の在りし日の思い出っぽいですが、ご本人はご存命ですから、今のところ。
まァこの噺目当てで扇橋師匠が浅ァい時間に出る回を見計らって通っておりましたが、後にも先にも聞いたのァ一回きりなんで御座ィます。
めろでぃはさっぱり記憶に御座んせんで、まァとりあえず「湖畔の宿」なんぞを聞いて、扇橋師匠を偲・・・、あ、いやいや、えーと、こういう時ゃァ何て云うんでしょうね、思い出す? それもおかしいですな、えー、扇橋師匠に、そうそう、「に」ですね、浸ろうなんてぇ心持ちですなァ。
(了)
連日の痛飲が祟りまくっている上に、老人性早起症候群が併発し、早い時間から新宿区を徘徊しようと企むが、外出する為の準備に労し、烏声黄昏時を告げんとする時刻に自宅を出る結果に。
曹洞宗 大久山永福寺(山之手七福神・福禄壽)
浄土真宗大谷派 専福寺
日蓮宗 春時山光晴法善寺(山之手七福神・壽老人)
"2010 FIFA World Cup South Africa"
Group C
2010/06/12 20:30 (UTC+2)
England national football team 1 – 1 United States national soccer team
Steven George Gerrard 00:04 Clint Dempsey 00:40
@Royal Bafokeng Stadium, Rustenburg
◆録画での放送だから、当然結果は知っているのだ。
◆カペッロ監督、題名は失念したが、海外ドラマにおける「家庭に帰れば家族思いの優しい父親だけれど、本業は破壊と殺戮、謀略に長け、拷問もエキスパートの追跡者」という破綻した設定の登場人物を演じる役者に似ている。
◆ブラッドリー監督、彼が審判員にしか見えないのは黒いジャージの所為だ。
◆ベッカムさん スーツ姿で ベンチ入り
Group C
2010/06/13 13:30 (UTC+2)
al-Jumhūrīya al-Jazā'irīya al-Dīmuqrātīya al-Shacbīya (Algeria) 0 – 1 Slovenska nogometna reprezentanca (Republic of Slovenia)
Robert Koren 00:79
@Peter Mokaba Stadium, Polokwane
◆試合中、スタジアムの照明設備に登ったスロベニアのサポーター、設備下では警備員が救出という名の捕獲準備に余念が無い。
しばらくして映像が切り替わり、例のサポーターが捕獲されて別室で尋問と説教を受けている映像が流れたと思いきや、特別席でSPらに囲まれて座るジダンだった。
Group D
2010/06/13 16:00 (UTC+2)
Фудбалска репрезентација Србије (Republic of Serbia) 0 – 1 Ghana national football team
Asamoah Gyan 00:85
@Loftus Versfeld Stadium, Pretoria
◆両チームともに監督はセルビア人。
えーと、以上です。
夜半に雨が降り出す。
明日こそ観ないぞ、W杯!
(了)
(0621工期満了)
前日の痛飲が祟り、昼頃にぐずぐずと起き出して、外出。
屋外で飲んだくれたいが為、目指したオープンテラスな店にて蕎麦粉まみれな一品をいただく。
じゃが芋とソーセージのサラダ
季節のガレット、シシリエンヌ(北海道のモッツァレラチーズ、アヴォカド、セミドライトマト、ルッコラ、パルマ産ハム、バジルソース)
カプチーノ
過食によるでろでろとした溜飲を下げるべく、広い湯舟を目指して新宿区へ。
遠くでブブゼラの音が聞こえる。
"2010 FIFA World Cup South Africa"
Group B
2010/06/12 13:30 (UTC+2)
Republic of Korea 2 – 0 Hellenic Republic (Greece)
Lee Jung-Soo 00:07, Park Ji-Sung 00:52
@Nelson Mandela Bay, City of Port Elizabeth
◆そういやァいつの間にか始まっていたのだな、興味の無い素振りを見せようものなら非国民扱いを受けるのだな、遅い時間に放映されてるから俺昨日の試合全部観たぜ寝てないんだぜ的な発言が飛び交うのだななんて思いつつ、観るともなしに大衆浴場の休憩室にてぼんやりと眺めている、半裸で。
浴場より移動。
厳嶋神社(抜弁天=ぬけべんてん)@余丁町
Group B
2010/06/12 16:00 (UTC+2)
Selección nacional de fútbol de Argentina 1 - 0 Nigeria national football team
Gabriel Iván Heinze 00:06
@Ellis Park Stadium, Johannesburg
◆マラドーナ監督、スーツ姿で登場。ずんぐりしている。むっくりともしている。
彼の一挙手一投足を観ているのが愉しいことに気付き、自分にとってその試合結果が1ミリも人生に影響しない分野でありながら、「監督を眺める」という新しくも特化された視点を発見する。
直前のインタビューで意気込みを語るジャージ姿の監督、まるで独裁国家の元首の様な風貌だと眺めていたら、実際にカストロ議長とは親密だという。
◆CX実況はベロンを呼ぶ際に、「何かがめくれた擬音」の如く発声する。
もしかしたら現地では正しい発音なのかもしれないが、日本人的には違和感が付きまとう。
◆「小柄なメッシ」という表現を連呼するのも何だかな。
グループC、イングランド・アメリカ戦の前半で気絶。
続きはまた明日。
(續く)
(0621工期満了)
夕刻、予定もなく新宿区へと向かう。
降りた駅周辺にすら目的もないまま、隣駅までとそぞろ歩く。
甘泉園@西早稲田
徳川家御三卿、清水家下屋敷跡地という。
池
すっぽん
注意を促す看板には、鼈(すっぽん)が住むとある。
気を付けねばなるまい。
西へ西へと歩き、人で賑わう繁華街へ。
外とまでは云わないが、外気に触れる空間を求めて間口の広い店に入り、入口付近に座る。
店から見える通りには、人が列を成している。
開店記念として、肉がっつりな丼が100円で提供されるという。
その行列の真横には、「萌え」を前面に押し出した風俗店の入口があり、さぞかし営業に障りがあるのだろうと同情も禁じ得ない。
"ficoïde glaciale"(フィコイド・グラシアル)をいただく。
フランス語で「冷たい何とか」。
何故かフィコイドが訳せず、調べようもないので、このままで容赦願いたい。
別名、"Glacier Lettuce"ともいう。
これは訳せる、「氷のレタス」だ。
緑色の葉の形状はひねくれたルッコラにも似るが、重量感があり肉厚である。
葉と茎には、朝露にも似た気泡が見えるのだが、実はこの気泡、その植物の特性として、表皮で隔離された塩分という。
この塩分を含んだ気泡、水滴が凍ったように見えることから、アイスプラントと呼ばれる。
生で食すとわずかに塩気があり、さくさくしゃきしゃきとも表現できない、今まで口にしたことのない食感。
フリットでいただくと、生食での印象は薄れてしまうのは残念ではあるが、これはこれでよろしいかと。
次の店へと移動。
次の店へと移動。
次の店へと移動。
そんなつもりじゃなかったのにぃそんな子じゃないのにぃ、とは満場一致の意見ではあるが、今週も今週で朝方に麺を啜り込むという、決して褒められない行為に手を染めるのだった。
(了)
(0621工期満了)
えェ、本日ァ御徒町詣でで御座んす。
上野行きの俥ィ乗りまして、終点まで揺られます。
文京区を出ましてあれから、五代綱吉公側用人、柳沢吉保様の下屋敷前を抜けまして、本駒込、動坂下、道灌山を下りまして、千駄木、団子坂を右に見まして、その頃権現様と呼ばれておりました根津神社を過ぎまして、池之端、江戸期の老舗、松坂屋前まで来た頃にゃァ随分くたぶれた。
史実か捏造か定かじゃァありやせんがねぇ、新選組副長として知られておりまする土方歳三先生が丁稚奉公してたなんてぇ話も伝わっております。
下車しましてから一度、春日通りまで出まして、東ィ向かい鉄道の高架下ァくぐり、昭和通りを南下しますてぇと、左側に紫色の建屋が見えて参ります。
まァこの建屋にちょいと寄り道しまして、幾つか雑貨を買い求めて外へ。
その裏ッ手にあるのが、伊予は大洲(おおず)藩のかつての上屋敷跡なんでして、当時は七千坪もあったてんですから、たいそう広う御座んす。
御徒町公園
現在では二校が合併してやたら長ぇ校名となった中等學校の校舎と校庭、なんじゃもんじゃと藤棚、八幡神社のある公園になっておりまして、園内には人工ながらも小川が流れ、注ぎ込まれる池があります。
「なんじゃもんじゃ」たァ付けに付けたりですがねぇ、語源は「あんにゃもんにゃ」と同ンなじてんで、「何だか分からないけどいんぱくとのある物」ってな意味合いでさァね。
此処のなんじゃもんじゃは、「一ツ葉たご(ヒトツバタゴ)」なんてぇ呼ばれる木でして、枝に雪が積もるが如く白い花を咲かすらしいンですがねぇ、時節を逃したのか、あたしには見つけられませんでしたぃ。
八幡神社
脇ィ「史蹟旧加藤邸久森山跡」と刻んだ標柱がありまして、伊予大洲藩加藤家の敷地があったと知れまして、当社ァ、やはり大洲八幡神社から勧請されたと伝えられますなァ。
池之端の料亭が出す蕎麦なんてぇ云うてぇと、べらぼうなお足を取られそうないめぇじで御座んすが、実はあっちら庶民向けの出店がこの近くにあると聞きましてねぇ、軽ぅく縄ァ手繰って帰りまさァね。
(了)
<当り屋いろは丸>
大洲藩はポルトガル領事より一万両で購入した、蒸気船「いろは丸」を龍馬へと貸与。
瀬戸内海を航行したいろは丸は、紀州藩「明光丸」と衝突し、銃火器、陶器、金塊等の積荷と共に沈没。
龍馬と海援隊は長崎奉行へ訴訟を起こし、紀州藩に対して八万両を要求し、これを弁償させる。
が、後の調査では、龍馬の主張した積荷は存在しなかったとされる。
いろは丸、日本史上初の海難事故を扱った裁判にて勝訴した船舶、そして当り屋である。
(0621工期満了)
<遅発性筋肉痛 (DOMS = Delayed Onset Muscle Soreness)>
「いてててて」
どうしたんですか。
「何か全身が筋肉痛でさ」
昨日の夜、はっちゃけちゃいました?
「いや、普通に生活してるけど」
じゃあどうやったらあなたは乳酸を出せるんですかッ!?
「えー? 怒られんの? そもそも、はっちゃけ要素なんてゼロなのにって話だよ」
駅の階段上り下りですかねぇ。あと、そう、ポストマン。
「何? ポストマンて」
え? 知らないんですか? 赤い、ほら、歩道に立ってる、一本脚で、鉄の、口がふたつの。
「知ってるよ、ポストは。あとのマンて何だよ」
人ですよ。あ、でも郵便局員のことじゃありませんよ。
「・・・えーと、最初から話そうか」
はい。
「どうやったら、ポストマンで、乳酸が、出るのかな?」
そんなの、あんただって町角でポストの真似してみりゃァ分かりますよ。
「・・・」
・・・何地方の罰ゲームかしら。
(了)
湿度が高い所為か、気圧がどうとか、老朽化した節々が悲鳴を上げてる。
腰と腿と脛と脹脛と、もうね、満身創痍、って云うても全部下半身だけど。
まんしんそうい、キリング・ゾーイに似てる。
フランス映画?
タランティーノ脚本で、銀行強盗が大活躍! ガンアクション&ヴァイオレンス!
いや、そんなテンションじゃなくて、わりと地味に人が死んだりする感じ。
出てくる女、眼帯は・・・してないな、これ別のフレンチなやつだ。
ああ、えーと、何だっけ、そう、ベティ・ブルーかな、観たこと無いけど。
あ、今思えば「フレンチ学園」て、永井豪先生の代表作と一字違いぢゃないか!
いやいやいやいや、驚いちゃいますね、思わず軽く蹴りを入れてますが。
えーと、という具合で、本日6月8日はロッパの日です。
世界中のロッパファンが浅草フランス座に集います。
嘘ですよー。
まァあれですよ、笑っちゃうくらいにカラダが痛くてですね、電車でもバスでも平気で優先席に座りますからね。
目の前に老婆が来ようが松葉杖が何本来ようがねぇ、立ちませんよ、守りますよ、自分を、やっぱかわいいですから、自分が。
ただねぇ歩くのが好きな性分ですから、道草喰えないのが何よりもつらいですね。
休みの日? 休みの日ですか、そうですねぇ、最近はフィッシングですね。
フィッシングったって詐欺じゃないですよ、魚ですよ、バス、外来魚。
何処でって? いや、家釣りですよ、餌も何も要らんのです。
大きいバスは売ると3000なのに、審査員にみーんな喰われちゃう。
ジャッジ前に大きさが分かれば、あんなやつに渡したりしないんですけどねぇ。
ほんと世の中、思い通りにいかなくて、ねぇ。
えーと、何の話でしたっけ?
あー、そうそう、今度行くんですよ、北へ。
いやいやいや、xx半島の北ってんじゃないですよ、驚かしちゃ嫌だよ、あんた。
あたしを北へ連れてって、どうしようってのよ。
働かないよー、すぐ粛清されちゃうよ、要らない子だよ、ほんとうに。
行き先は、蝦夷ね。
あれ? 今、「えぞ」とか云わないんだっけか、何? えみし?。
松前藩? これも古いか。
まァ兎に角あれよ、こうばーんて戸開けてさ、店に入るだろ? で、海鮮丼ひとつとか頼むじゃん? で、出てきた器からさ、うに、いくら、かに、えび、ほたて、かるび、とかもう、丼から出ていっせいに海向かってるのを追いかけながら箸でつまむくらいだっていうからもうね、たいへんよ。
え? 土産? 何が欲しいの、あんた。
北の土産っつったら、決まってんじゃん。
あれだよ、ほら、ねぇ、こう、四角・・・四角くないな、断面図はいびつに丸くて、長さ的には、20センチ? そんな長いのは無いよ、欲張るんじゃァないよ、ほら、ねぇ、こんくらいのやつ、指っくらい? そんな太くはないけど、まァそんな感じで。
で、乗る飛行機なんだけど、朝早いんだこれが。
そんでもって、帰りはいちばん遅いの、夜中に着くの。
ねぇ、分かるでしょ? どんだけあれなんだと、まァしようがないよねぇ。
あ、終わり? もうそんな時間? はいはいはい、それじゃァまァそういうことで。
えー、皆さん、いつもお世話になってまーす、ほんとからだだけは大事にしてくださいね、と。
えー、来週のゲストは、パフュームです、4649! チャオ!
(砂嵐)
えェ、久方振りの落語会で御座ィます。
てんで無沙汰しておりまして、持病の腰痛も相俟って、長丁場の聴講に耐えられるか否かが勝負の分かれ目で御座ンす。
『第九十九回中目黒落語会』
にんげんで云やァ、百に一ツ足りねぇ白寿ですな。
次で百を迎えるてんですから、地域寄席にしては奇跡に近いんですなァ。
これもひとえに、地域密着型住民の方々と酔狂を超えて神憑りな主催者のお蔭で御座ィましょう。
ぞんざいなCD音源たる出囃子が場内に鳴りまして、まずはさらくちで御座ィます。
春風亭正太郎◆金明竹
「春風亭正朝の一番弟子です。一番って云ってもひとりしか居ないンですけどね」
「目黒区民です。ここから三つ横浜方面に向かった都立大学駅にある柿の木坂に住んでます」
「北海道の山に行った時のことですけれど、友達は重装備なんですけど、私は軽装でした。『熊出没注意』なんてぇ立て札を見た友達は重装備のリュックを下ろして登山靴からスニーカーに履き替えてました。馬鹿だなお前さほんとに熊に会っちゃったらそんなスニーカーに履き替えたところで逃げ切れるわけないだろうって云ったら友達の返した言葉が凄かったですねぇ。『お前より速く走る為だ!』」
「関西の方は芸人に限らず、素人の方でも大変面白いですね。私が夏の甲子園でしたか、高校野球を観に行ったことがありまして、神戸までたどり着いたのはいいんですが、球場までの道に迷ってしまい、その辺を歩いてる方に尋ねたんですよ、すいませーん、甲子園に行くにはどうしたらいいですか?って。そしたらその方が一言、『にいちゃんなァ、地道に練習せなあかんで』なんて」
むかし家今松◆竈幽霊(へっついゆうれい)
「メキシコ湾、凄いことになってますねぇ。流出した原油はどうなっちゃうんですか、再利用とかするんでしょうか」
今松師匠、まくらで一度絶句してまして、大変不安になったんですがねぇ、噺のほうはてぇと澱みなく流れる心地好いめろでぃでござんす。
「皆さんお揃いなんで、テラだけでもと思いまして」
お仲入りで御座ィます。
春風亭正太郎◆野晒し
「幽ちゃん? テキかぃ? へっついから出るの?」
三代目春風亭柳好をふぉーまっととした流れでしたな。
「あのひと、針無しで釣ってるよ。野晒しで御座ィます」
むかし家今松◆蓮台奇縁 (藤田本草堂:作)
今松師匠がトリの大根多、こりゃァ落とし噺じゃァござんせん。
地味な語り口ながらに、聞き込んでしまぃました。
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」
かつての駿河国、現在の静岡県中部に御座ィます島田、此処ァかつては東海道の難所として悪名高ぇ大井川東岸の宿場町で御座ィました。
この大井川を自然の要害とし、神君家康公が隠居先としました駿府城の外堀と定めた為に、架橋も渡し舟も禁じられまして、士農工商問わず馬人足を雇い、蓮台を引かせましての川越(かわごし)と相成りました。
増水時には川留めとなりまして、身動きのできねぇ客の足下を見た旅籠なんぞは不当に木賃を吊り上げたなんてぇ話も残っております。
島田宿、田島屋隠居は川留めとなった逗留者の中から一芸に秀でているなんてぇ者だけを番頭に選ばせまして、自邸へ招いてのささやかな宴を何よりの愉しみとしております。
招いた四名の江戸者は、医師の夫婦、絵師、そして俳諧師でした。
やがて隠居は四名の前で、江戸は蔵前札差の放蕩息子が如何にして島田宿田島屋の主に納まったかを語りまして、奇縁の起こす妙技を知るので御座ィます。
追い出しの太鼓こそァ鳴りゃァしやせんが、見送りに出ております主催者が帰ろうとするひとりの客の耳元に向け、口の前で盃を手前に傾ける仕草が見えまして、それが何とも可笑しかったですな。
まァあの方達は師匠らと近所に飲みィ行くンでしょうがねぇ、あたしの打ち上げはてぇと、目黒川沿いで夜空ァ眺めながら串もんを喰れぇつつ、一献また一献と飲るのが関の山なんでしょうなァ。
・・・いけやせんねぇ、外は。
冷えますぜ、腰ィ痛ぇのに。
(了)
目黒馬頭観音(目黒銀座観音)
act,
オーメンマグマ / Glass boat / 三文ロック / バトルガンジー / BELLMONDO / 東京ローシー / 六ヶ所村ズ
open, 17:00, start, 17:30
(了)
(~0608 Under Construction)
思い立ったが吉日と車両に乗っかり、うかうかと目指す根津神社。
移動中の車内では当然気絶している。
当社の起源は古く、日本武尊(やまとたけるのみこと)が創祀したとも伝えられる古社で、十八世紀初め、五代将軍綱吉公が養嗣子で次代の家宣公の為に敷地を献納して普請したという。
明治期における廃仏毀釈の際、「権現」の呼称は禁止されたが、地元では親しみを込めて「権現様」と呼ぶ。
参道口
乙女稲荷神社(左)、駒込稲荷神社(右)
乙女稲荷神社
楼門
楼門と本殿
閉ざされた門
残念ながら参詣時間を過ぎていて、門前払い。
本殿・幣殿・拝殿
富坂(現:本郷)での東京帝国大学の校舎新築に伴い、風紀上好ましくないとそれまで門前に市を成した遊郭は廃されたが、当時全盛の吉原には郭(くるわ)難民を受け入れる口はなく、根津遊郭の人々は東京府東南にある湿地帯へと追いやられる。
これが江戸期には「深川洲崎十万坪」とも呼ばれた臨海の景勝地、洲崎(すさき、現:江東区東陽)である。
この洲崎、その方角から辰巳(たつみ)とも称される歓楽街となり一時代を築いてゆくのだが、それはまた別の話。
鳥居から出て、そぞろ歩く。
@根津一丁目
この煎餅屋の階上には、落語立川流家元、立川談志師匠が住むという。
糖尿病を患ってるとも聞くから、このマンションには居ないのだろう、きっと。
NHKの特番で師匠と室内の映像が流れたが、裁断前の千社札や書き掛けの原稿などでかなり雑然としており、孤高と云えば聞こえはいいが、何処か寂しさの漂う部屋だったと思う。
さて、不忍通りを南下して池之端方面へ。
左手に蓮の台を多数浮かべた池が見えてくる。
かつて上野から本郷に連なる台地は忍ヶ岡(しのぶがおか)と呼ばれており、この名に因んで当池を「不忍池(しのばずいけ)」とした。
また、笹が池を囲むように茂っていた様から呼ばれた「篠輪津(しのわず)」が訛化したという説、池畔に男女が忍び逢う出会茶屋が濫立していたからという逸話もあり、諸説紛々である。
園内を散策した後、木製ベンチに座り、紫陽花や小鷺を眺めていると、その遅々として前に進まないぐっだぐだな会話の内容から、両隣が「つがい」の群れであることに気付く。
水面より吹き付ける風が絶え間ないのもあってか、つがいどもの密着度は増すばかりだ。
そのまま繁殖期を迎えそうな勢いも辞さない様子なので、ここはひとつ繁殖地は広く使えとばかりに譲っておく。
蛾眉状の遊歩道を歩き、ライトアップされた堂へと向かう。
十七世紀、公儀に命に依り寛永寺を建立した慈眼大師こと南光坊天海は、当池を琵琶湖レプリカと見立て、湖中の島である竹生島レプリカとして池の東側に中之島なる島を築き、弁天堂を建てる。
この島を弁天島と呼ぶ。
島では「家なき子」らが堂の下に、今夜の寝所を設営している模様。
彼らひとりひとりがこの島に暮らす島民なのだ。
大人ひとりが横になる幅の風除け用ブルーシートは結果として堂の周囲を一巡しており、公的に受注した地味な作業着の工務業者が工事中かと見紛う装い。
屋外で寝っ転がる際には、池で自然繁殖しているという、ワニガメやカミツキガメには、くれぐれも気を付けていただきたい。
蓮と不忍池
不忍池と弁天堂
弁天堂
池より道を隔てた高台には、木造の堂が見える。
寛永寺清水観音堂
宵闇待ち草ってのも遣る瀬無いので、酒精を求めて上野を後にするのだ。
(了)
(0609工期満了)
7時、乗客も疎らな外回りの山手線に乗ると、同じ車両には爆睡する若造(♂)らが七人分の座席をふたりで占領している。
ひとりは完全に横になっており、車床には置いたのか落としたのか、等間隔に携帯電話と財布とサンダルが並べられていて、もうひとりはと云うと、既に中身は床に吸われてしまった滋養強壮剤の空き瓶を握り締めたまま、隣席に置いた手を軸と定めて、激しい寝返りを繰り返す。
車両内には、寝返る若造から発せられる臼磨音が響き渡り、歯質が崩壊するじゃないかと懸念するほどのグラインディング型歯軋りである。
その音は黄昏時の田圃に啼く蛙に似る。
ぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょ
風情も情緒もへったくれもファッキン無いが、脳内の変換装置はじきに訪れる梅雨入りを意識するのだ。
(了)
かつて住んでいた山手線沿いの駅周辺には、「空蝉(うつせみ)」という名の橋があった。
橋とはいえ、眼下に水流れる河川はなく、線路上を車輌が走る跨線橋という位置付けである。
空蝉とは響きが美しい。
此の世に生きる人という意味の古語である、「現人(うつしおみ)」が「うつそみ」、「うつせみ」に訛化したという。
転じて、生きている人間の世界、つまり現世(げんせ、うつしよ)である。
そして、『源氏物語』では、三巻に渡って登場し、光源氏の心に深く印象付けられることになる人妻の通称となり、ここまでは何となく優雅な感じで語られるのだが、古代、中世を経て近代ともなると、何処か雑な感も否めない。
明治の御世、かの地が北豊島郡巣鴨村大字巣鴨字宮仲と呼ばれていた頃、時の陛下がこの地を訪れた際、近隣の稲荷神社境内にあった赤松の幹に、おびただしい数の蝉の抜け殻を見付けたばっかりに、これを「空蝉の松」と名付け、その名に因んで、明治三十六年、山手線開通の折、空蝉橋としたという。
そう、空蝉とは、蝉の抜け殻、蝉そのものを指す語でもある。
「おびただしい数の蝉の抜け殻」ってのが、奇数蝉みたくて大陸的で興醒めなのだ。
(量)
時節問わず幹線道路の交差点角にパイプ椅子を設置し座り込み、簡易デスク上に幾つかの卓上式機器を並べ、車道を往来する車両を目で追いながら、機器に触れた両手を忙しなく交差させる、短期間で雇われた男の姿を見ることは珍しくない。
時節を限定して事例を論うと、暮れも押し迫った頃、人で賑わう繁華街の並木道、臨時に設置されたイルミネーションの下で、あたし何やってるんだろう何でこんな日にこんなところでこんなことしてるんだろう今頃あいつはあの女とあの部屋で的に暗い瞳をした何かしらの事情がある、雇われれ女子も同様の手持ち式機器を手にしていることに気付く。
俗に「カウンター」として知られるこの機器、正式には「数取器(かずとりき)」という何のひねりも無いネーミングなのは、該当する日本語が存在しないからに相違ない。
使い道は周知の通り、
「一定の目的物を数え上げるために用いられる計数用の道具」
である。
主に、
「品物の個数の検査、交通量調査などで用いられる」
という。
実際に手にして使用した経験があるのは、左手人指し指に落下防止用のリングを通し、やはり左手親指で頭頂部が平たくなった金属製のバーを押し込むことでひとつずつアナログ式にカウントされてゆくタイプのものだ。
過去に交通量調査に参加した経歴は無いが、物品の員数確認に用いたに過ぎない。
昨日の夕刻、浅草始発の銀座線に乗り、人もまばらな車内座席に腰を下ろしての読書のつもりが、ただハードカバーを膝に置いただけの状態で睡魔に襲われ続けている頃、渋谷に近付くにつれ車内は混み合い出した為か、青山一丁目を過ぎて外苑前に向かう辺りで何かの音で目を覚ますと、至近距離で耳慣れない連続音が聞こえ、初めは誰かがノック式ボールペンのペン先を出し入れしているのかと思いきや、音の発信源と自分の耳元が平行線状にあると知り、真横に目を移すと、扉と座席の間のポール付近には、左手に件の機器を握り締めた、クールビズなスーツ姿で初老で眼鏡着用の男の姿が視界に入る。
彼所有の数取器は、確実に何かをカウントしている。
戯れに手持ち無沙汰にいじり倒す機器にしては、周囲への影響が大き過ぎるし、自分との距離も十センチと少ししかない。
目的を持って使用しているにしても、それが彼の風変わりな嗜好なのか、不条理な内容の業務なのかが皆目分からない。
他人の理解を超えた行動は、恐怖心を植え付けるには充分だ。
願わくば、何かしらの数取を目的とした、職務遂行中の業者であって欲しいと祈りながら、終点渋谷に到着。
前述以外に特徴の無い男は、降車客に紛れて直ぐに見えなくなる。
何を数えていたのか、何も数えていなかったかもしれない。
ただ思うは、彼の持つそれが従来の仕様とは真逆の「限り無くゼロにしか向かないカウントダウン」だったら厭だ、それだけだ。
(了)
えェ、今日から水無月で御座んす。
六月になったてぇのに、肌寒い日が続きまして、衣更えの存在意義すら疑わしいってなもんで。
俥に揺られて眠りてぇというだけで、路線ばすに乗っかります。
文京区を出ましてあれから、浅草公園六区なんてぇ停車場で俥から降りまして、国際通りから公園六区入口、その頃250円弁当屋と呼ばれておりました店の前を抜けまして、浅草演芸ホール前の路地から北野監督も通ったなんてぇ立ち喰い蕎麦屋の前を、その頃煮込み横丁なんてぇ呼ばれてました通りを抜けましてあれから、塀に囲まれた伝法院に着いた頃にはずいぶんくたぶれた。
いわゆる参道からではなく、脇ッからの参詣でござんす。
すっかり日暮れて参ぇりやした。
未だ本堂は大営繕中ってんで、画像は止しときまさァね。
五重塔
五重塔・宝蔵門
宝蔵門・大草鞋(寄贈:山形県村山市有志)
宝蔵門(旧称:仁王門)
宝蔵門・大提灯(寄贈:日本橋小舟町奉賛会)
仲見世通
風雷神門(俗称:雷門)
あたしゃァ蕎麦ッ喰いですがねぇ、偶にゃァ縄じゃァなくて饂飩でも手繰って帰りやしょうかねぇ。
(了)