May 31, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第20回)

◇女である。

◇馬を一頭所有している。
◇「まだら」とも表現されるが、白により近い明るい茶の毛色である。
◇この馬には所有者となる以前より「霜」を意味する名が与えられている。
◇雌雄は不明である。

◇この「霜」は、各地域にある馬屋にて中古車価格で店頭販売されている地味な毛色(焦げ茶、暗いモザイク)の駄馬よりも遥かに美しく速く、そして力強いのだが、如何せん血気盛んで好戦的なのが玉に瑕である。
◇主人を守るとかそういう観点からではなく、自ら渦中に飛び込むというこの無駄に江戸っ子気質が所有者たる自分に取っちゃァ迷惑も甚だしい。
◇街道をひた走っている道中、暴漢や野生動物に襲われた際、応戦に備えて騎乗の人から大地に降り立った瞬間、猛ダッシュで敵まっしぐらな奴を「待ってぇー」と追い駆けて再び鞍に跨るという展開は何度も繰り返された喜劇である。

◇今日もツンドラ地帯では、狩人らが狩猟に勤しんでいる。
◇放たれた鏃(やじり)の飛んでゆく先では箆鹿(へらじか)が数頭倒されており、戦果に満足気な狩人らは戦利品を頂戴しようと獲物へと近付くのだが、突然の咆哮と激しい震動による巨大爬虫類の出現とともに、否応なく文字通りの死闘へと巻き込まれてしまう。
◇下馬の直後に「霜」が最前線に向かうのは必至なので、当然自分は馬可愛さから騎乗のまま傍観に徹っするしか選択肢がない。
◇狩人のひとりが巨大爬虫類の太い尻尾で叩き飛ばされ、上に開いた木の洞(うろ)の中で息絶えたのが見えた。
◇その向こう側では、偶然通りかかった軍の伝令兵が振り返りもせずに走って逃げている。
◇生き残った狩人も弓矢で攻撃を続けているが、硬い鱗に阻まれて致命傷を与えられないようだ。
◇さて、この難局で自分と馬に何ができるだろうか。
◇・・・さすがにこの馬も切り立った崖からダイヴして敵に向かうほど愚かではあるまい、と考え、ありえない角度で付近にそびえる岩山の頂を目指し、そのフラットとは呼べない山頂にて馬を置き去りのまま下山し、戦いの場へと戻ってみる。
◇確かに馬は下りてこないが、絶壁に対してほぼ垂直に張り付いている馬のシルエットが遠景に見え、夕陽を受けた逆光となって黒い影と映り、そのありえなさ全開の絵面には笑みをこぼさずにいられない。
◇平地にて狩人と共闘して巨大爬虫類を倒し、馬の元へと急ぐ。
◇・・・あ、傾斜が急過ぎて馬に近付くこともできん。
◇また逢う日まで、と斜めになった馬にしばしの別れを告げ、その場を去るのだった。

(續く)

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May 30, 2012

『そぼ降る雨の音にも似た毛蚕の桑葉喰い』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:焼き鮭はらみ結び、MC
夕:ぶっかけ(冷)、茄子天

◇『人間昆虫記』 手塚治虫(秋田書店)、読了。
◇タイトル通りに虫系の名を持つ人物が多数登場。
◇薄翅蜉蝣、蜂、甲虫、蟻、蟷螂、蚊、金蚊、まァどれもが痒くて痛そうな類のネーミングである。
◇これらは破滅に向かう人々に与えられた名であり、善人には虫の名は与えられない。
◇手塚先生自身、虫ルーツの名を筆名としており、本人は呼んで字の如く「おさむし」と名乗りたかったという逸話も残っているのだが、現実には「おさむ」と呼ばれていた。
◇そして、ジャン・アンリ・ファーブルの著した本家『昆虫記』には、筬虫(オサムシ)が研究対象として記載されている。
◇その中で、この掃き溜めに棲まう美しき虫は肉食系であり、上に列記した虫けらどもを捕食する側であるとされている。(時には麻痺毒さえ用いて)
◇喰い散らかされた結果、ほぼ全ての登場人物は破局を迎え、創造主たる「虫」の身の内に治まるしかないのだ。

(量)

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May 29, 2012

『空駆ける経済特区の劉培基(エディ・ラウ)』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:焼き鮭はらみ結び、和FC(S&G)
夕:やきとん5種(豚ばら、たん、他)、捏ね、鶏塩煮込み、捏ねおろしぽん酢、半熟玉子、cs、sm、ASD(MB)、RH
夜:"HAIG"

◇特定の人物の名を挙げ、元CAという経歴に疑惑がある理由として「身長が足りない」という。
◇仮にそのまま追求の手を緩めずに自白させたその結果として、「実はGH(グランドホステス)でしたー、てへ」だったとしても大いに疑問がある、詐称だ、××××だ、等々枚挙に暇がない。
◇救いの手は「航空会社にもよるが、爪先から指先までのリーチが208あればOK」との非公式見解。
◇機内の荷物入れに苦もなく手が届くか否かが勝負の分かれ目になるのだ。

(了)

(改題) 『空駆ける劉培基(エディ・ラウ)』

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May 28, 2012

『あえて造影剤を添加されたポリマー樹脂加工品の存在意義』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:焼き鮭はらみ結び、LCC
夕:餃、唐、枝、葱、碼、啤、緑
夜:BC、"Cachaça", "(Añejo)"(銘柄失念)

◇『6ステイン』 福井晴敏(講談社)、読了。
◇当作品の限定版に同梱されたピンズにあしらわれたエンブレムのデザインを手掛けたのは、富野由悠季、寺田克也、カトキハジメの3人。
◇って3人中ふたりもガンダム関係者じゃないですか。
◇装幀は樋口真嗣だし、特撮アニメ畑の方々に愛される作家さんってわけですね、分かります。(何がだ)

(了)

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May 27, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第19回)

◇女である。

◇義賊を気取った積もりが、崩壊寸前のマフィアに所属し、ただの下っ端に成り下がっている。
◇「俺の名は怪盗なんとか」って云いたいのに!

◇汚れ仕事その壱。
◇アジトの奥に位置する一室に呼び出され、上司よりミッションを授かる。
◇「養蜂園の巣箱を3つ焼いて、金庫からゴールドを奪ってこい」
◇えーと、不法侵入、放火に窃盗ですかね。下手すりゃ強盗障害致死もありますね。
◇「まァお前の腕次第だな」
◇正面から堂々と乗り込んで傭兵、経営者を皆殺ししてから悠々と金庫をこじ開けるという手段は、依頼人が好まないとの理由で却下される。
◇代案として示された「下水道から侵入し誰にも見付からずに任務を遂行する」ことにする。
◇養蜂園へたどり着くにはふた通り、正面の石橋を歩いて渡るか、対岸から裏側の下水道口まで泳ぐしかない。
◇事務所へこっそりと忍び入り、まずは金庫を狙う。
◇部屋の入口に背を向けている経営者の懐より金庫の鍵を掏り取ると、まずはゴールド奪取に成功。
◇事務所から中庭に出て、蜂の巣箱を探そうと周囲を見回すが、「お前に礼儀というものを教えてやる!」との物騒な声が背後から浴びせられる。
◇やべぇ見つかったと振り返ると、声の主は養蜂園の関係者ではなく、「窃盗事件の被害者が雇った刺客」ふたりがそこに。
◇当然、この騒ぎを聞き付けた傭兵らは、不法侵入者3名に対して制裁を加えるべくわらわらと集まってくる。
◇潜入作戦失敗じゃん!
◇傭兵と刺客が剣戟を交えている隙にとりあえず戦線を離脱。
◇幸いにも傭兵も刺客も目の前の敵に精いっぱいいっぱいで、こちらを追う余裕もない様子。
◇巣箱を見付けて、蜂の攻撃を交わしながらファイヤーファイヤーと火を放つ。
◇幾つかの巣箱から黒煙が上がるのを見て任務完了と判断し、養蜂園より湖へとダイヴしてアジトへと逃げ帰り、ドヤ顔で結果を報告。
◇「巣箱は3つだけ燃やせばいいって云っただろ、馬鹿ッ! 4つも燃しやがって! 依頼人はお怒りだ、よって報酬は無しだ!」
◇と、上司より叱責される。
◇しょぼぼぼーん。

(續く)

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May 26, 2012

◆『戦隊物コスプレで泣きながら怪人をグーで殴っている画像をお願いします』

本日ァ若松河田での落語会でござんす。
大江戸線に揺られてゆるゆると向かいまさァね。

『第四回 戸山寄席 桂扇生独演会』
@戸山二丁目・戸山生涯学習館一階

桂扇生◆薬罐(やかん)

「ご近所の方はご存知かもしれませんが」
「(三遊亭)金馬師匠のご自宅がこのすぐ近くにありまして」
「ピンクのタイルが全面に貼られてましてねぇ」
「地元の方は『ピンクハウス』と呼んでますね」

桂扇生◆竃幽霊(へっついゆうれい)

会が終わりまして、高座から去ろうとする扇生師匠を呼び止めた図書館長より「質問こーなー」が急遽設けられ、扇生師匠は帰るに帰れなくなります。
客席に座るひとりの方からの「へっつい幽霊には若旦那が出てくるけど、扇生さんのは出てこないんですか?」との設問に、扇生師匠は立ったままで省いた若旦那の場面を説明してゆきます。

「本来であればですね、へっついの幽霊話を立ち聞きした熊さんがはばかりで紙を落っことすんですね」
「で、たまたま表を通りかかった大家の若旦那を呼び止めて紙を貰う場面がありまして」
「道具屋に三両付けてもらって引き取った訳ありのへっついを、熊さんと若旦那が報酬山分けを取り決めてから担いで持ち帰るんですが」
「これ、別に若旦那が天秤棒の後棒を担ぐこたァないんですよ」
「その前の話までは、道具屋の主人が雇った人足で運ばせてたわけですから」
と扇生師匠は仰いますが、道具屋は幽霊話で店の信用を落としてるわけですから、なるだけ人目に付かない遣り方でへっついを処分したいはずなんですね。
とはいえ、熊さんひとりじゃァへっついは運べませんで。(しかも同じ長屋住まいだから人目も何もありゃしません)
道具屋の主人が後棒担ぐのが正解なんでしょうが、理詰めじゃァ噺が詰まんなくなっちゃいますなァ。(何故か道具屋に置いてある間だけは幽霊が出てこないですし)
「運んでいる途中でへっついを落っことしちゃいまして、角をぶつけて転がり出た白い塊が三百両なんです」
「熊さんと若旦那は二人で山分けするですが、熊さんは博打で、若旦那は吉原できれいに遣い切ってしまいまして、その晩に若旦那はへっついの幽霊から『三百両返せー』と迫られるんですよ」
「これには怖がりな若旦那が弱っちゃいまして、こいつァ見ちゃいられないと熊さんは若旦那の実家に出向きまして、これこれこういうわけだからと話して三百両をもらい受けるんですね」
「これ、どうですか」
「おたくのむすこさんのともだちとなのる、にんそうのわるいおとこがいきなりれんらくもなしでうちにのりこんできてですよ」
「あげく、むすこさんがゆうれいになやませられているから、おかねをだしてやってほしい、きんがくは300りょう、って」
「完全に振り込め詐欺じゃないですか」
「・・・という理由であたしは若旦那を出さないんです」

丁度お時間となりましてお開きで御座ィます。
大久保通りを目指してふらふらと入った道には先ほど扇生師匠が仰ってました、三遊亭金馬師匠のご自宅がありました。
確かに目にも鮮やかな桃色御殿でござんす。
四代目金馬師匠は「抜弁天の師匠」とも呼ばれております。
ご近所の余丁町(よちょうまち)にあります嚴嶋神社(いつくしまじんじゃ)には辨財天様が祀られておりまして、そちらの通称が抜弁天(ぬけべんてん)と云いますな。
この辺りは犬公方綱吉公によります生類憐れみの令にて設置されました、二万五千坪の敷地面積を誇る、お犬様の為の小屋跡地に含まれるそうですな。

せっかくの大久保通りですからまっつぐに足ィ伸ばしまして、りとるこりあんな街に迷い込みますと、豚三層肉目当てで一軒の店にたどり着きます。
その店では俳優の照英さんが早い時間から飲んだくれている様子でして、帰り際に女将からの腹筋ぱんちもらっている絵面がなかなか印象的でしたなァ。
今宵はこの辺で。

(了)


<覚ヱ書キ>

ハングンニョリ◇サムギョプサル(チャンギルム、サンチュ、ケンニプ、サムジャン、マヌル、パ)、クルジョン、スンドゥブチゲ
ミッパンチャン◇ウォンチョリム、ペチュキムチ、ケランマリ、カクテキ、トルキム、オムク

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May 25, 2012

『「ぅわー」 ~水槽の中で人工的な海流に翻弄され続ける海葡萄の立ち位置』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:CR(R)
夕:
突◇豆腐もつ煮込み
鮮◇れば刺し
牛◇厚切り牛たん(葱油)、ひも(黒毛和牛小腸)、まるちょう(小腸)、上みの(第一胃)、こりこり(大動脈)
豚◇白ころ(千葉東総産)、ドーナツ(喉軟骨)、しろ(大腸)
酒◇「やかん」
夜:(銘柄失念)×3
深:"Pampero Aniversario"

◇ほるもんぬ女子会。
◇半額クーポン使用で全品半額だぜ! ヒャッハー!
◇・・・まァぜんぶ嘘なんですけどね。(虚ろな目)

(了)

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May 24, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第18回)

◇女である。

◇幾度か世界を救った英雄であるはずが、ローリングストーンが如く加速度的に凋落してゆく。
◇軽ーい気持ちで請け負ったプチ汚れ仕事を云われるがままに遂行した結果、旧知の行商人がひとり投獄されてしまった。
◇嗚呼、ミゼラブル。
◇銀の食器ではないが、行商人に「人の所有する銀の指環」を不法に所持させた末の冤罪である。
◇衛兵に抜刀されながら連行される罪無き行商人の背中を、ごめんねごめんね、とただ目で追うしかないのだ。

(續く)

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May 23, 2012

『無賃ジアスターゼA』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:「とろろ汁ととり天」
夕:
造り◇飛魚、石鯛、〆鯖、喉黒(のどぐろ)、ばい貝、味噌なめろう、がんど
一品◇岩蛸ぽん酢、皮剥の肝和え、もみいか一本漬、蜂の巣
揚物◇里芋の旨揚げ、鱵(さより)天麩羅
焼物◇ずわい蟹味噌入り甲羅焼き、喉黒一夜干し、蛤の浜焼き、鶏焼き
飯物◇河豚の子茶漬、雑炊
酒類◇「八海山(新潟・南魚沼)」、「加賀鳶(石川・金沢)」、「越乃寒梅(新潟・亀田)」、「黒帯(石川・金沢)」、「真鶴(宮城・加美)」、「手取川(石川・白山)」

◇後日知ることになるのだが、夕餉の店にて5時間半も小上がりに居座り、8人で日本酒を26合を飲んだくれていたという。
◇一升瓶で量ると約2本。
◇8人がかりでやっつけているのだから大した量ではないと思ったが、実質日本酒ユーザーは少数で、ほぼひとり一升換算になると判明。
◇「お疲れちゃーん」と解散して終電間際の総武線に乗る。
◇「次はー、中野ー、中野です」
◇え?
◇・・・そんだけ飲んでりゃァ終電も降り過ごすってモンタナ。

(了)

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May 22, 2012

『仏文学者の躊躇い』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩、"Mangosteen"
昼:湯麺
夕:皿饂飩、麒麟

◇『河岸忘日抄』 堀江敏幸(新潮社)、読了。
◇往く河の流れの如く漂う日々を過ごし、外界との境界線としての河面は同じ貌を見せずに目の前から去ってゆくのみである。
◇回想や反芻にも似た複数のエピソードは糸が縺れ合う様に緩く絡み合い、やがてひとつにまとまると穏やかに河面を揺らし、遥かな河下の向こうへと流されてゆくのだ。
◇嗚呼、隠居してぇ。

(了)

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May 21, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第17回)

◇女である。

◇「闇の使い走り」として、黒いことをしている。(でもパシリ)
◇前回は「勇者」の称号を得る為の代償が「仲間」という、一生十字架系な哀しい結末となっている。

◇さて今回、西方都市に住む修道士より受けた依頼、「死者の間」で夜な夜な徘徊する迷える者どもを一掃するという、「おそうじ」ミッションである。
◇ひと通り駆除を終えると、地下墓所の奥から走り寄ってくる顔色の悪い女がひとり。
◇「知っていますよ、分かってますよ」と訳知り顔で話し掛けてくる。
◇何をですか。
◇「あれ、おいしいですからね」
◇だから何が。
◇「そうですね、お祝いに晩餐会を開きましょうか」
◇くれるのものは何でももらいますが。
◇「分かりました、ではもうひとり参加者を連れてきてもらえますか」
◇誰をですか。
◇「あの、例の修道士さんはどうでしょうか」
◇じゃァ聞いてきますよ。
◇修道士の下を訪ね、晩餐会の話を切り出すが、脅しなだめすかしても「神に仕える身だから」となかなか首を縦に振らない。
◇万策尽き、賄賂でも渡そうかと小銭の音を聞かせると、「うんうん、すぐいく、いまいく!」と目の色を変えやがった。
◇現地に到着。
◇晩餐に参加する者の半分は知らない人、残りの半分は何処かの街で見た顔ばかり。
◇業種でいうと、露天商(肉専門)、雑貨屋、馬屋、等々。
◇「さあ、はじめましょうか」
◇顔色の悪い女は修道士に飲み物を与えている。
◇与えられた修道士は疑うことも知らずに一気に飲み干し、「何だか眠いにゃー」と瞼をこすり出した。
◇「では、こちらへ」と女が案内した先には兇々しい台座が据えられており、負のオーラも甚だしい。
◇明らかに血と分かる赤黒い痕が染み付いた台に修道士は寝かされ、その上には殺傷力満載な尖った鉄分銅がぶら下がっている。
◇「さぁどうぞ」
◇どうぞてあなた。
◇「ひとくち目はゆずります」
◇これ喰うの?
◇「どうぞどうぞ」
◇・・・食べない選択肢もあるのだが、スルーしてしまうと得られる「名声」がひとつだけ足りなくなり、「完全なる蒐集」を目指す身としては由々しき事態である。
◇思慮二秒、・・・いっただきまーす。(瞳孔全開きで)
◇「ふふ、これであなたも仲間入りですね」
◇・・・うぇ。
◇カニバる猛者どもが集う街からの引越しを考えたのはこの瞬間からだった。

(續く)


追記:
金柑食? 新手のダイエットかしらね。(情弱)

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May 20, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第16回)

◇前回までのあらすじ。
◇女である。
◇叡智なる存在より「勇者」の称号を得ようと、信頼する仲間の命さえも軽々しくも捧げ、居合わせた複数の狂信的崇拝者さえも殲滅し、強欲にも褒美を得ようとするのであった。

◇「次の試練ね」
◇・・・はぁ。(善人をひとり犠牲にしてしまい、少しながら良心が痛む)
◇「乗り気じゃないな。まあいい、ある男を探すのだ」
◇はい。
◇「その山賊王きどりの男の身包み剥いじゃって」
◇そいつは悪い奴ですか。
◇「まァ山賊だからね」
◇じゃァ行ってきます。
◇向かった先は北西の果て、出入口には誰も居ない無防備な山賊の隠れ家である。
◇幾度かの策敵と処理(サーチ&デストロイ)を繰り返し、山賊王までたどり着く。
◇自称王は暗闇に乗じた黒装束を纏っており、何やら邪気めいたオーラさえ放っている様子。
◇そのゆらゆらしてるのは毒ですか?
◇返答さえないまま、禍々しい武装の王を撃破し、黒い防具を引き剥がしてフィッティングルームさえもどかしくその場で着用してみる。
◇「それだよ」
◇おっと、あんた何処から話し掛けてんのさ。
◇「それはお前にくれてやろう」
◇そりゃどうも。
◇「あまり嬉しくはなさそうだな」
◇まァぶっちゃけ、ひとり捧げてますからね。
◇「お前の選択だぞ」
◇そりゃまァ・・・そうっすね。
◇「あまり尊大なのも賢いとは云えんな。まァ今はしばしそれをくれてやるが、いずれ次の勇者なる者がお前の前に現れ、それを奪いに来るまでのレンタルと思え、さらばだ」
◇なるほど、死によって所有権を失い、代を経て受け継いでゆく闇の遺品ですか、せっかくですからいただいておきましょう。
◇往きは連れが居たけど、帰り道はやっぱりひとりでした。(哀)

(續く)

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May 19, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第15回)

◇女である。

◇これまで人道主義を貫いていたのだが、そろそろ転向してもいい頃と考えている。
◇世の為、人の為という名の「おつかい」に飽いているのだ。
◇この世界では「人を超えた叡智なる存在」が具現化しており、気紛れにも人の住む世界に干渉していらっさる。
◇その中でも人の概念で述べるところの「悪」的な依頼というか、命令に従って行動してみる。

◇その壱。
◇とある案件として、勇者としての実力を示さなければならないようだ。
◇「誰かを生贄の罠に掛けるのだ」
◇誰かって誰すか。
◇「お前の誘いに、ほいほいと付いてくる都合のいい奴だ」
◇えーとつまり、口説いて騙して連れて来るんですね。
◇「まァそうだな」
◇・・・人選に悩む。なるべく、ろくでなしにしよう。
◇とはいえ、自分に同行する者とは親しき「仲間」であり、共に闘った「盟友」でもあるのだ。
◇そういえば、以前酒場で泥酔して大立ち回りした飲んだくれのろくでなしがいたなと思い、西方へ向かう。
◇発見。昼間ッからカウンタアで飲んだくれてやがる。こんにちはー。
◇「何だ、何か用か、金なんて借りてねぇよなァ?」
◇いいねぇ、捧げたくなっちゃう。
◇「何見てんだ? ああ?」
◇はい、君に決定です。
◇彼は殴り合いの果ての仲間なので、当然ほいほいと付いてくる。
◇再び、勇者を望む人知を超えた存在の下へ。
◇何かイベントを期待してか、「勇者教」の信者さん達も見学に集まっている様子。
◇「じゃァこれに触って」
◇はい、ほら、云われた通りに。
◇「お、おおおおお?」
◇男は柱に縛り付けられた格好で拘束されている。
◇「じゃァ殺っちゃって」
◇えー? 無抵抗っすよ。まるごしちゃんですよ。
◇「勇者になりたくないのか」
◇直(じか)は後味悪いし。
◇代案として、周りを取り囲む信者に助力を仰ぐ。
◇あっさりとバトルロワイヤル状態となり、たったひとりの信者を残してほぼ全滅する。
◇じゃァ君が最後のひとりね。はい、さようなら。
◇何とか最小限の手汚しで、勇者への道を踏み出す。
◇(あ、飲んだくれの彼は信者らにぬっ殺されましたが)
◇「えっと、次もあるんだけど」
◇・・・まだやるの?

(續く)

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May 18, 2012

『糸雛冥利』

<覚ヱ書キ>

朝:餅麦入りC削り節結び、辛口ドライカレー(ボンベイ監修)
昼:魚花(ほっけ)の開き、鮪、とろろ、おくら、納豆、雌株、刻み沢庵、卵黄、山葵
間:"Perú Chanchamayo"
夕:
突出◇小柱と小松菜の明太和え
一品◇鳥貝饅(ぬた)和え、帆立貝葱味噌焼き、焼き蛤(鹿島、中国)
刺身◇赤貝、平貝(たいらぎ)、蝦夷法螺(えぞぼら)、鳥貝、蛤、鮑、赤海鞘、栄螺
昆布焼◇蛤、平貝、(他失念)
串焼◇(内容失念、塩たれ7、8品)
酒類◇「五橋(山口)」、(他銘柄失念)
夜:カベルネ・ソーヴィニヨン(2本、銘柄失念)、生ハムのピッツァ、マルゲリータ
深:"Aedbeg", "Pampero Aniversario"

◇夕餉の店、「北寄貝(ほっきがい)の海胆焼き」とやらが品切れでもやもやした。
◇あと、「貝飯」も。
◇早い時間に来なければいかんな。

◇夜に訪れたバル、元鮨屋を居抜き使用の為、カウンタア前にはネタ用ショウケヱスが並ぶ。(もちろんそのままではなく、されおつなかんじで)
◇当ビル解体まで定期借地権を行使しての3年と数ヶ月、期限付き営業という。

◇・・・夜が白々明け・・・どころかふつうに直射だ、日光だ、痛い、眩しい、あうあ。
◇かえろう。

(了)

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May 17, 2012

『ゼリーに石炭粉』

<覚ヱ書キ>

朝:梅結び、浅蜊とブロッコリィのアーリオ風味サラダ
昼:湯麺
夕:(「黒」という名の麺類、青葱)、揉み海苔、大蒜、韮キムチ
夜:"Cachaça 51", "Innishowen"
深:"HAIG"

◇うっわ、それ何、まつげ?
◇「いやぁ・・・何ですかね」
◇知らないのを付けてんのか。
◇「何か視界が黒いなぁって思ってました」
◇いやいやいやいや、まず自主的にか先天的にか答えてもらおうか。
◇「わりと前からです」
◇曖昧にもほどがある! 答えになってない!
◇「まつげにきびしいですね」
◇分からんのか、自毛じゃなかったらそれはヅラと同じだ! 恥を知れ!
◇「何ですか、自前ですよ。じゃァいいますけど、これは3対1の割合です、たぶん」
◇どっちだ。
◇「・・・何がですか」
◇自はどっちだと聞いているんだ。
◇「み、見れば分かるじゃないですか」
◇粉しか見えんな。
◇「ひどい」
◇これはあれか? 粉3か?
◇「・・・あのー、何の上にそんな乗るんでしょうか」
◇(舌打ち)・・・ビューラーだかカーラーだか知らんが、外に反っているのが偉いと思うなよ! 逆に生えてる者の痛みがお前に分かるかッ!?
◇何だこれ。

(了)

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May 16, 2012

『アシュケナジムからの分派』

<覚ヱ書キ>

朝:金平天蕎麦
昼:焼き鮭はらみ結び、軟骨捏ね
夕:おろし醤油饂飩(冷)、掻き揚げ天

◇肩掛け鞄の重みでジャケットの左肩が下がりに下がってスーツのシルエットが物凄く残念なことになっている中年男性。
◇鼻歌以上の発声で、ひとり唄いながら地下鉄の階段を下っている。
◇「どーうすれーばーよかーったのかなー♪」
◇そのアッパーなメロディとは裏腹に、蒼白な真顔と虚ろな視線がたいへん気になった。

(了)

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May 15, 2012

『フィレンツェのロレンツォ』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:CC(中辛)
夕:冷狸饂飩
夜:"Cachaça 51"

◇『エロス的人間』 澁澤龍彦(中央公論社)、読了。
◇まず巻頭にあるピエロ・ディ・コジモが描いた「シモネッタ・ヴェスプッチの肖像」を眺めての所感が、「かわいそうに、学校でいじめられたに違いない」では、澁澤先生も何も語る気をなくすってモンタナ。

(了)

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May 14, 2012

『藤井玄淵殿、咳が止まらぬで御座る』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:魚花(ほっけ)の開き、鮪、とろろ、おくら、納豆、雌株、刻み沢庵、卵黄、山葵
夕:かけ饂飩、柏天

◇藤子不二雄漫画に登場する、猫ではない方の二頭身ロボの名で呼ばれる男。
◇「ごめん、FRISKか何かない?」
◇ピーチ味の龍角散(のど飴)だったらあるけど。
◇「それでいいや。・・・うっわ、歯医者の後に喫茶店に行ったみたい」
◇詩人ですな。

(了)

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May 13, 2012

『旧ワット・ドーンイーイアオ寺院がハブ化』

<覚ヱ書キ>

朝:讃岐饂飩
昼:モッツァレラとオリーヴ、白(フランス産、銘柄失念)、"Errazuriz"
夕:
◇ゲーン・キヨウ・ワーン แกงเขียวหวาน (グリーンカリー)
◇ネーム แหนม (腸詰、生姜を添えて)
◇ヤムウンセン ยำวุ้นเส้น (春雨サラダ)
◇カオマンガイ ข้าวมันไก่ (鶏だし炊き込み飯)
◇パッタイ ผัดไทย (焼きそば)
◇ガパオ (鶏バジル炒め飯)
◇揚げバナナ
◇海老揚げ
◇ビア・チャーン เบียร์ช้าง
◇シンハー เบียร์สิงห์
◇"Thai Wine" (赤白、銘柄失念)

◇『第13回タイ・フェスティバル2012』にゆく。
◇会場はNHKホール側なのだが、あまりの混雑に辟易し、橋を渡って代々木公園側へ退避。
◇レジャーシートで横になりながら、配膳された品を端から順に片付けてゆく。
◇何かに触れたのだろうか、「健啖家」と云われる。
◇しばらく聞かない単語だ。
◇ああそうさ、今日も喰い散らかしてやったぜ。

(了)

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May 12, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第14回)

◇女である。

◇暦でいうと今月は「レインズ・ハンド」の月という。
◇雨の手?
◇ていうか、ある日を境にずっとレインズ・ハンドだった気がするのだが。
◇まァ深くは問うまい。
◇調べてみると「恵雨」の意を含み、4月を指すという。

◇請け負った業務が達成できないままの煮詰まった状況を打破すべく、自ら蟄居閉門してみようと試みる。
◇もう少し具体的に述べると、この世界では30日という周期で、失ったものに対する再生が行われるという。
◇しかも同じエリアに引き篭もっていても、ただ徒に時は過ぎゆくのみで再生は実行されない。
◇復活の希望を託したい地域には接近するのも禁忌であり、より遠方での滞在であればあるほど再生事業開始の可能性が見出せるというものだ。
◇試しに南地区での復興を祈願して、北の最果ての氷に囲まれた島でニート生活を一ヶ月続けてみる。
◇・・・暦の上では恵雨から「栽培」に変わった。
◇これは5月、正に時代が俺様に追いついたって感じだな。(何が?)
◇よーし、南へ行ってみよう。
◇・・・って全然駄目じゃん。
◇云い方は悪いが、一匹も湧いていない。
◇よーし、じゃァ次いってみよう。

◇東エリアでの再建を祈りつつ、西にそびえる古代遺跡の石造りな一室で、ひと月ぼんやりと無為に過ごしてみる。
◇・・・暦は栽培から「年央」となった。
◇云わずもがな、年の央(なかば)、6月である。
◇よし、東へ行ってみよう。
◇・・・って全然駄目じゃん。
◇出会った頃はあんなに激しく湧いては消えていったのに・・・。
◇嗚呼、あの二ヶ月を返して欲しい。(泣)
◇(現実には六ヶ月を過ぎてるけどな)

(續く)

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May 11, 2012

『渋谷交差点、すれ違い様にハイタッチ』

<覚ヱ書キ>

朝:金平天蕎麦
昼:焼き鱈子結び、黒烏龍茶
夕:(「黒」という名の麺類)、味玉、揉み海苔、大蒜、韮キムチ
夜:"Caipirinha", "Cachaça 51"
深:"Bowmore"
更:"Hobgoblin", "Velho Barreiro"
早:(炙り味噌という名の麺類)

◇あらやだ、何この虚脱感と疲労感。(当然)

(了)

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May 10, 2012

『ネブラスカでの六次の隔たり』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:穴子、鱚、空豆の抓み揚げ、海老
夕:皿饂飩、麦酒

◇少し霜降りな20代前半の女子、携帯電話の向こう側の誰かに何かを伝えている様子。
◇「じつはいまたいへんなことになってるんだけどさ」
◇「こないだmixiに知らないひとからメッセージが届いて」
◇「ぜんぜん知らない名前だったし、しかもmixiしばらくつかってなかったから、ほったらかしにしてたのね」
◇「そしたら、何通か連続できてて『とても大事なことだから返事がほしい』って書いてあってさ」
◇「『メールで話す内容じゃないから』って、そいつの携帯番号がかいてあんの」
◇「メールで話せない大事なことって気になるじゃん?」
◇「で、その番号に電話してみたの」
◇「話してみたら、『きみはあと10日以内に不幸なことになる、最悪死ぬこともある』っていうわけ」
◇「はぁ? ふっざけんなって感じでしょ? あたしも最初はそう思ったの」
◇「よくよく聞いてみると、『ぼくはこの話を5人の人間にして、そのうちの4人を助けられたんだけど、ひとりだけはどうしても聞いてくれなくてむりだった、だからきみを“助けられなかった2人目”にしたくない』っていうわけ」
◇「そしたらもう気になるじゃん? あたしだって助かりたいし」
◇「・・・で、これからそのひとと会うんだ」
◇・・・って、おい、誰かこいつを止めてやれ、と思いながらも、円山町へと消えてゆくその子の後ろ姿を見送るしかないのだ。(哀)

(了)

(改題) 『ネブラスカ、六次の隔たり』

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May 09, 2012

『バヤモの歌を絶唱する議長』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:CR並辛
夕:かけ饂飩、柏天

◇ほぼ同じ速度で同じ方向へと歩く20代前半と思しき女子、携帯電話の向こう側の誰かに何かを伝えている内容が聞かずとも聞こえてくる。
◇・・・あまりにも凄惨な内容に耳を塞ぎたくなるが、自分はほとんど競歩レベルな速度での歩きながらも、赤信号につかまったりとかそういう理由で、その女子との距離がさっぱり離れない。
◇「××××まみれになりながらさー、泣きながら××××を回収したわけよー、こん中に弟の××××のもいっしょになってんのかと思うと、いや、まじほんとありえねぇ」(声高)
◇げひん。

(了)

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May 08, 2012

『箱根の山を越えられぬ』

<覚ヱ書キ>

朝:金平天蕎麦
昼:焼鮭はらみ結び、緑茶
夕:冷狸饂飩
夜:"Cachaça 51"

◇2012年3月23日を以って日頃の愛顧に感謝しながら閉店となった店が、同月26日7時に別名を与えられ新規店舗としてオープンするというからくりには、同業種ゆえの居抜きでの横滑り運用もさることながら、その実、経営母体が同じという至極当たり前な事実さえ、裏も取れない状態ではただ無知ゆえに「入れッ替わり激しいなー」というぼんくらーな感想しか持ちようがないのだ。

(了)

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May 07, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第13回)

◇女である。(070512)

◇国境にも近い南東部地域に来ている。
◇目当てはただ一冊の書籍なのだが、所有者は一人住まいの老婆である。
◇この本、初見の時は「窃盗」の前科を忌避する意味で手を付けずに置いたのだが、ここより北西の地にて貧しい暮らしを強いられている依頼者の度重なる懇願に負け、その意に答えようと思い直した。
◇・・・しかし、それでも犯罪歴は増やしたくなし。
◇そうだ、自分には命を賭して働いてくれる下僕どもがいるではないか。
◇自分の手を汚さずに済むならこれ幸いと思い、西の最果てで万年自宅警備を務める屈強な私兵を連れてくる。
◇この男、「防波堤」の異名を持つという。(意味は不明)
◇前述の老婆の住居に到着直後に襲い来る巨大爬虫類と乱戦となり、我が身を守ろうと応戦した老婆のたった一撃が私兵に誤爆したらしく、いたいけな老婆と即敵対。
◇巨大爬虫類を殲滅後も戦いは続き、両者激しく罵り合いながらの激闘の末、老婆の眉間に数本の矢が刺さって絶命。
◇形式上、正当防衛となるので、当然法的機関からの咎めはない。
◇合法的に件の書籍を手に入れてめでたしめでたし。
◇・・・老婆との最後の会話、「ひとりぼっちさ、でも旅人は大歓迎だよ」が忘れられない。(泣)

(續く)

◇◇◇◇
(改題) 『1000万本の召喚の杖』 #012
(改題) 『黒馬新聞 北方版』 #007-011
(改題) 『月長石ト鍛造ト言霊ノ國』 #005-006
(改題) 『竜殺シ氷地獄』 #001-004

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May 06, 2012

『おきゃくさん、しゅうてんですよ(にやり)』 (さいしゅうかい)

04:30
おはようございます。
よくはれたひです。
きょうは「とうきょう」にかえるひです。
あるじのいないへやをあとにします。

05:07
もよりのえきのしはつでんしゃにのります。
このじかんにこうどうしているせいか、3かいものりかえなければなりません。(してつだからかな?)

05:39
「しんおおさか」につきました。
とりあえず「びーる」とともに、「えきべん」をかいもとめます。

06:00
しはつの「のぞみ200」にのりました。
さっそくびーるとべんとうをいただきます。
ひまなので、ないようぶつをれっきします。
(かっこ)ないは、さんちですね。

◇おうみまいのかやくごはん(しが)
◇えだまめ
◇ししとうからあげ
◇ちくぜんに<おうみどり(がもう、こうが)、にんじん、ごぼう(なら)、こんにゃく、れんこん、どんこしいたけ、きぬさや>
◇だしまきたまご
◇しょうがてん
◇みずなとあげのひたし(なら)
◇まるなすあげに(とんだばやし)
◇おうみぎゅうめんちかつ(しが)
◇だいこんのふくめに
◇きしゅううめ(わかやま)
◇ぶなしめじ(ひょうご)
◇たまねぎ(あわじしま)
◇さいきょうみそだれ(きょうと)

08:19
ねむっているまに「しながわ」につきました。
こちらもよいてんきですね。
「やまのてせん」にのりかえます。

ただいま! ってだれもいませんね。
じたくにとうちゃくです。
いがいとげんきなので、せんたくましーんを3かいてんします。

12:00
「くろ」とながつくなにかをたべました。
すこーしかたかったかな。

15:30
そらもようがきゅうにあやしくなり、かみなりがごろごろしはじめました。
せんたくものをとりこんだちょくごにあめがふりはじめました。
やがて、しろいかたまりがざらざらとふってきます。
「ひょう」でした。

おそろしいことがおきるまえぶれにちがいないとおもい、そうそうにふとんをかぶるとしましょう。
こんかいのたびでかえらぬひととなった4にんのてしたのことがいっしゅんよぎりましたが、ねむくなってきたのですべてはゆめのなかです。

さようならありがとう、みんなをふみだいにしていきていることにかんしゃします。
いつかどこかで。

(お・わ・り)

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May 05, 2012

『おきゃくさん、しゅうてんですよ(にやり)』 (だい3かい)

04:56
おはようございます。
ここはどこでしょうか。
こうさてんには「とよなか」とかいてあります。
なるほど、おおさかにかえってきたのですね。
ぶじでなによりでした。

もういちどむねることにします。

09:05
ふたたびおはようございます。
くうふくでめがさめました。(ぜんじつ、あれだけたべておいて)
「かんさいげんてい」のさんどいっちをいただきます。
そして、ふたたびねますよ。

13:30
みたびおはようございます。
なんということでしょう、ごぜんちゅうをねてつぶしてしまいました。
さいごのてしたにおしおきをします。
きいたとこによると、「かんさい」えりあでいう「めろんぱん」とは、「あーもんどがたのぱんにしろあんがはいったもの」というていぎづけをしって、おどろきをかくせなかったのですが、「めろんぱん」なるめいしょうはそれとはべつにあるらしく、それは「さんらいず」とよばれているものだそうです。
なんか「がんだむ」がでてきそうですね。
そして、てしたにいいました。
「めろんぱんをてにいれてくるんだ」
これでてしたが「しろあんいり」をかってきたら、「とうきょうのめろんぱんっていったんだ!」
としかりつけ、「さんらいず」をもってきたら、「かんさいのめろんぱんっていったんだ!」とやりなおしをめいじるのです。
これを300かいぐらいくりかえすと、しぜんとはっきょうしますので、けいばつはかんせいします。
さっそくやってみましょう。
・・・こまったことに、てしたは「りょうほうのめろんぱん」をかってきやがりました。
むう、かんがえたな。
けいのしっこうはえんちょうになりました・・・。

15:05
「きしべ」というまちにきています。
「じゅんかんゆ」のせんとうにきました。
「かけながし」のおんせんではありませんから、あたりまえのひょうきですね。
あとでわかったのですが、すこしこうきゅうな「ぎうにう」のそんざいにきづかず、うっかりとふつうのぎうにうをのみほします。

17:02
「うめだ」にきました。
せいにかくにいうと「きたく・かくだちょう」です。
「しんうめだしょくどうがい」をはいかいします。
のぼりかいだんがいりぐちとなっているおこのみやきのみせにはいります。
うんよくもならばずにすわることができました。
めのまえのてっぱんのねっきにやられ、「はいぼーる」からはじめることにします。
◇やきそば
◇もだんやき
◇ぶたたま

このみせの「もだんやき」は、えんもゆかりもないかんさいじんがいうには、
「ここのもだんやき、やきそばつくってから、それをぼうるにいれはんねん、そのぼうるにはときたまごはいってて、そこでからめてもういっかいてっぱんでやきはんねん」
とのこと。
なにがただしいかはわかりませんが、それはそれでよろしいとおもいました。
うつわでととのえられたようにまるくやきあがった「ぶたたま」にかかった、あまめの「とくせいそーす」は、いろんなあじがしました。
まず「うめ」ですね、あと「うめ」と、ほかには「うめ」ですかね。(しらんのならだまっとき)

このいきおいでつぎのみせにいどうします。

17:54
「はんきゅう」さんのびるにきました。
えれべーたーで28かいまであがります。
こうそうびるからやけいをみながら「くしかつ」をむさぼりくいつつ、じょしがくどけるみせです。(もうそう)
ここでは「びんびーる」からはじめます。
たいしょうに「おまかせ」とつたえたので、こちらが「むり」とねをあげるまで「くし」こうげきはやみません。
5つにくわけされたそーすざらには、ひだりからじゅんに「ぽんず、ますたーど、じかせいそーす、しおこしょう、からみそーす」がみたされています。
みせのかたがかうんたーにのったそーすざらとおなじさらに、かくそーすにてきしたいちにそれぞれのくしかつをのっけてゆきます。
とちゅうから「れいしゅ」にきりかえました。
きおくのかぎり、くしかつのしゅるいをれっきしておきます。(うろおぼえ)
◇かいばしらべーこん
◇ねぎのひらめまき
◇おくらのきすまき
◇ちーずさーもん
◇かにのつめ
◇くるまえび
◇ぶたひれ
◇あすぱら
◇しいたけ
◇なす
◇もち
12ほんでうちどめでした。
しょうしょくですね。(なにをいうか)

さいごは「でざーと」でしめよう。
きみきみ、「ぶるーべりーのばにら」をもってきたまえ。
きがつけば、いっしょのくうかんでしょくじをたのしんではずの「さいごのてした」が、てんないのかたすみでぜつめいしていました。
(このとき、てしたはていいちの「ゆか」にせいざでした)
てしたはうまれてはじめてのくしかつにいどみ、みせがわから「くし」はたべてはいけないとのせつめいがなかったがために、「ぐざい」をくしごと「い」におくりこんでいたというざんねんなけっかでした。
そういえば、てしたのまえにおかれた「くしいれ」にはくしが1ぽんもなかったことをいまさらながらにおもいだします。
さようならありがとう、さいごのてした、きみはここよりもしあわせなばしょにひっこしたとりかいするよ。

18:50
せいさんじに「ふくびき」のちゅうせんけんをうけとりました。
13かいぶんあります。
とくしょうはなにかな?
・・・「いちご」ふうみななにかのつめあわせでした。
がらがらをまわすのもたいぎぃ(おっくう)ので、さちうすそうなとおりすがりのひとにくれてやります。
きのせいかそのひとは「まえだあつこ」ににていました。
「まえだあつこに」のさちのうすいひとから、なみだながらにかんしゃされました。
せいかつにこまっているのでしょうか。
・・・ひとごとながらむねがいたみます。

19:00
さぁつぎは「いたりあんばるふういざかや」です。
「ひがしうめだ」にいどうします。
せいかくにいうと、「きたく・こまつばら」ですね。
たびのはじまりからともにこうどうしていたふたりのてしたは、「ねはん」のかなたにたびだってしまったので、げんちのてしたどもをよびよせます。
じかんどおりに、あたらしいひとりめがとうちゃくしました。
「しーふーど」と「みーと」ぶもんでたてものがわかれているみせでした。
「うみのさち」びるはまんせきだったので、「にく」びるにあんないされます。
3かいのせきにすわりました。
すわってからしばらくすると、たてものぜんたいがゆれていることにきづきました。
「じしん?」
まわりのきゃくもざわつきだし、てんないにぶらさがるしょうめいきぐもゆれているので、「じぶんゆれ」ではないことはまちがいないのですが、「じしんそくほう」にはなにもひょうじされていません。
けんめいにしらべても、「あいち」にて「しんど3」とのひょうじどまりです。
てろかな?
・・・まぁきにしないことにしました。
やがてもうひとりのてしたもあらわれ、「みつぎもの」をいくつかうけとりました。
うむ、たいぎである。

たいしてたべませんでしたが、のみくいちらかしためにゅーはいかのとおりです。
◇あんちょびきゃべつ
◇かまんべーるふりっと
◇しゅんやさいのばーにゃかうだ
◇きせつやさいのふろまーじゅ
◇「とーれす・さんぐれ・でる・とろ」

23:33
しはらいをすませ、みせをでようとせきをたち、かいだんにむかいます。
さいしょにごうりゅうしたてしたがはじめにおりはじめましたが、とつぜんのだいおんきょうBGMとともにべつてーぶるからはっせられた「たんじょうび、おめでとー!」のこえにきをとられたのか、おおきくあしをふみはずし、はげしいばうんどをかさねながら1かいまでおちてゆきました。
どれどれとみにゆくと、くびとあしとうでがすごいかくどになっています。
・・・3にんめのてしたをうしないました。
あとあとのしょりがあれなので、みせのひとにいくらかをわたし、そのばをたちさることにします。

さて、ぼくはもう「とうきょう」にかえれないじかんとなっていることにきづきました。
もうひとりのてしたが、おおさかでのたいざいばしょまでのあんないをかってでます。
うむ、よきにはからえ。
なんとかせんにのって「あわじ」でのりかえるとかそういうせつめいをうけながらあるいていると、きゅうにてしたのすがたがみえなくなりました。
なにがおきたのかりかいできませんでしたが、でんしゃにのりおくれるといけないので、とりあえずそのばをはなれます。
げんばをもくげきしていたじょうきゃくたちのひそひそばなしがきこえ、きかずともきいていると、さいきんそういうのがはやっているというけつろんになりました。
えきこうないであるいているだけで、こつぜんとすがたをけすという、げんだいばん「かみかくし」です。
はなれゆくほーむないで「えきいん」がなんにんかあつまってでんしゃのしたをながめたりしているのをしゃそうからながめていましたが、ぼくはたいしてきにしませんでした。
4にんめのてしたは、きっとたぶんよそうもつかないふこうなじこにまきこまれたのでしょう。
・・・ふう、ぼくじゃなくてよかった。

こんやはさいしょのたびでのふたりめのてしたのいえが、しゅじんをうしなったまま「あきや」になっているので、せっかくだからりようしようとおもいます。
ぶじにたどりついて、だれもいないへやでよこになりました。
さぁあしたはとうきょうにかえるぞう。
おやすみなs(ごがー)

(つづく)

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May 04, 2012

『おきゃくさん、しゅうてんですよ(にやり)』 (だい2かい)

04:30
おはようございます。(こごえ)
きょうは「しこく」をめざそうとおもいます。
ぜんぜんねたきがしません。
とにかくおきてうごいて、なにかをしなければなりません。
どうにかしたくができて、くるまでいどうします。

ぼくは「にしがわしょこく」のどうろじじょうにうといので、どこのらんぷからのりいれて、なんというみちをはしっているのかけんとうもつきません。

06:40
「こうべ」をつうかし、「おかやま」へ。
「さんようどう」をひたはしり、「たつのにし」さーびすえりあにはいりました。
どろみずのようなこーひーをすすりこみます。

「せとおおはし」をわたり、「かがわ」いりします。
おもいのほかよこかぜにあおられず、かいてきにはしってゆきます。

08:45
「さかいで」よりこうそくどうろをおります。
「あやうたぐん・あやがわちょう・はゆかかみ」につきました。
めあての「さぬきうどん」のみせはこのあたりです。
あ、かんばんがみえます。
・・・かいてんまえだというのに、ちょうだのれつがみえました。
すでにだい1ちゅうしゃじょうはまんしゃで、すこしはなれたちゅうしゃじょうにあんないされます。
ならびかたが「うらやすねずみーらんど」しきなので、すすむにつれてしらないおなじひととむかいあわせになって、なんどもしせんがくろすします。
そらもようがあやしくなってきました。
ぎょうれつのなかであめにふられたら、てんしょんなえなえです。

50ぷんならんで、ようやくなかにいれてもらえました。
つぎでのたたかいがまっているので、くうふくですがあえて「しょう」をたのみます。
ほかでのつくりかたはしりませんが、このみせの「かまたま」は、あらかじめどんぶりにたまごをわりいれ、かまからあげたばかりのうどんをからめています。
「とりてん」は、くしにささっており、からあげ3こぶんはあるおおきさでした。
つぎのみせへといどうします。

・・・このへんかしらとさまよっておりますと、かんばんもなにもないたてものがみえました。
かーなびのもくてきちは、このばしょをさしています。
へいてん?
きんじょのこんびにでじじょうをきくと、おなじならびのどうろぞいに「いてん」したとのこたえがかえってきました。

「ぜんつううじし・よぎたちょう」にとうちゃくしました。
どうやらここでもならぶようです。
そとにならぶきゃくのなかに、「さかもとりょうま」がいました。
にているのは「せげ」だけですが。
「せげ」とはいわゆる「たてがみ」のことですね。(ひぼうちゅうしょう)
きゃくかいてんもよく、すぐにちゃくせきです。

ここでは「あついぶっかけ(しょう)」と「おあげ」をいただきました。
うどんは「てうち」らしく、おなじうつわのなかでもめんのふとさやながさのちがいにあらわれます。
1けんめのみせでだされたうどんは、かくいつかされためんでしたので、あれはきかいうちでしょう。
ぼくはこちらのうどんがすきですね。(あんなにならばなくていいし)

つぎは「こうち」にむかいます。
「たかまつじどうしゃどう」からのりいれ、「こうちじどうしゃどう」をつかいます。

12:23
「さぬきとよなか」さーびすえりあにつきました。
「いちご」をもちいたなにかをむさぼりくいます。

13:31
「なんごく」さーびすえりあにつきました。
ここでは、ゆめにまでみた「かつおにんげん」にであいます。
(かつおにんげん ・・・ きりおとしたかつおのとうぶ、くろいはだ、ねじりふんどしといういでたちのゆるきゃら)
かれは「こうちPRたいし」ににんめいされていましたが、さくねん8がつににんき1ねんをもって「たいにん」していました。
なんということでしょう、これではただのひとじゃありませんか。(あたま、かつおだけどな)
それでも、かれをもちーふとしたしょうひんをいくつかかいもとめます。
めあての「だきまくら(じっすんだい)」がとりあつかってなかったのがざんねんでした。

「かつらはま」につきました。
うみのあおとそらのあおのこんとらすとがもうみなみにきたかんがあります。
れもんしゃーべっといろのかーてんっぽいぬのをまとったじょしをみかけました。
しつかんはかんぜんに「しーするー」です。
まちがえちゃったかな?

さぁ、つぎはゆうはんです。
よーし、かつおくうぞう、じもとみんが「もうやめてくださいよぅ、らいねんいっぽんづりできなくなっちゃいますよぅ」っていうぐらいくうぞう。
「こうちしない」でなんとかやっつけようと、みせをぶっしょくしはじめます。
こうちけんみんにたずねてみたところ、こうほを2けんいただきました。
1けんめをたずねると「よやくでいっぱい」とことわられ、もう1けんのてんとうにある「ごよやく」かんばんには「こうち~いしかい」とかかれており、おいしゃさんのかいごうでつかわれるようなこうきゅうりょうていでした。

しかたがないので、てしたのひとりにぎせいなってもらいましょう。
いまはやりの「せんこううらない」です。
まず、ひけんしゃのずがいこつにあなをあけます。
のうにたっするあなのあきぐあいですすむべきほうこうをさだめるのです。
おっと、にげようったってそうはいかないよ。
せんようきぐがてもとにないからうまくいかないな。
・・・ようし、あいたぞ。
どれどれ。
・・・たぶん、こっちだ。

たどりついたみせのまえにたてかけられたかんばんめにゅーには「かつおのたたき(しお)」とあります。
ありがとう、てしたのひとり、おかげでみせにたどりついたよ、きみのしはむだにはしないよ、けんしんてきなぎせいはみらいへのかがやかしいきぼうだよ。

のれんをくぐり、せきにつきました。
まずはびーるからいただきます。

◇かつおたたき(ぽんず、しお)
◇かつおつくり
◇しまんとのりてんぷら
◇とさはちきんぢどりのまつばからあげ
◇うつぼからあげ
◇たまごやき
◇どろめ(いわしのちぎょ)
◇「ぶんかじん」(こうち・かみ)

たべたことのないりょうりもいくつかありましたが、すべていただきまんぞくしました。
しはらいをすませてみせをでると、めのまえにはやたいの「ぎょうざ」と「らーめん」をあつかうみせがあります。
ちょいとよってゆこうかとかんがえましたが、あえてここはえらばず、やはりこうちけんみんからじょうほうをえた、「こうちばし」よりかわぞいをあるいたさきのやたいをめざします。

・・・おっと、ならんでますね。
しかたがないので、のうにあなのあいたてしたの「したい」にやくだってもらいましょう。
これをここにおいて、と。
みるみるひとがはけてゆきます。
これでれつのせんとうになりました。
すぐにちゃくせきします。
さんざんのみくいたおしたあとなので、おとなしく「ぎょうざ」と「らーめん」にしておきます。
めのまえでは「ゆで」たんとうのおにいさんがゆげのむこうでやすみなくはたらいています。
「やき」たんとうのおにいさんは、むかってみぎがわのほうにいるようです。
そちらのほうをみたいとおもいましたが、またあのしたいをうごかすかとおもうとげんなりするのでここでしばしまちます。
やがてはこばれてきたのは、ぎょうざでした。
からっと「あげやき」にしたこぶりなぎょうざは7こいり。
「しょうゆ、らーゆ、す」でこざらをみたします。
たべてみてなるほどとおもいました。
どこかなつかしいあじがします。
そしていくらでもたべられます。
あとからはこばれてきたらーめんもどうようにあっさりとやさしいあじでした。
「いけぶくろ」にある「とさらーめん」のみせは「せあぶら」ごてごてだったので、かくごはしていたのですが、まったくべつものですね。
よいはらもちでせきをたって、やたいをあとにすると、みせのひとがおいかけてきました。
なにかわすれものでもしたのかな。
あ、のうにあなのあいたしたいをわすれたとおもいましたが、はなしがまったくかみあいません。
・・・どうやらしはらいをすませずにでてきたようです。
ふつうにくいにげですね。
だいきんをしはらうと、えがおでわかれました。
「ごちそうさま」「ありがとうございます」
そして、したいはおきざりです。

さぁかえるぞう。
「たかまつじどうしゃどう」にのりいれます。

21:40
「とよはま」さーびすえりあにつきました。
こーひーをすすります。
しんちょう173せんちごえのじょしのはなしがでましたが、しょうさいはおぼえていません。

「せと」じゃんくしょんがちかづいてまいりました。
うんめいのしゅんかんです。
いまから「ひろしま」にむかって「おこのみやき」をやっつけるか、ひよりみにひよって「こうべ」ほうめんへにげかえるかの2たくです。
まさか!
・・・ごめんなさい、おうちにかえしてください。

23:00
「せと」ぱーきんぐえりあにつきました。
すうだいのぱとかーがせきしょうとうをくるくるとまわしていて、なにかけんのんなふんいきです。
ちゅうしゃすぺーすをめぐると、そのりゆうがわかりました。
しゃこうがやたらひくいくるまばかりがとめてあり、かたわらではくるまごとにわかいだんじょがむれています。
おまつりかな?

ばいてんでこうにゅうした「しろばらぎうにう」をいただきました。
たいへんまろやかなかんじです。
ここですこしやすむとしましょう。

しばらくすると、しゃこうのひくいくるまはなんだいもつれだってたいきょしてゆきます。
ゆいいつぱとかーにかこまれているのは、かんぜんにじめんにしゃたいがくっついた、わかりやすくいうと、「たいやよりもさきにじべたにしゃたいがついているくるま」のしょゆうしゃだけでした。

23:45
「たつのにし」さーびすえりあにつきました。
さきほどにげていったくるまたちがひしめきあっています。
しゅうかい?
たぜいにぶぜいなうえ、やせいどうぶつとおなじそんざいなので、しげきしないように、めをあわせないようにしてしずかによこをはしりぬけます。
ここでもすこしやすみましょう。

24:30
「しらとり」ぱーきんぐえりあにつきました。
もうげんかいです。
ここでいったんもえつきるとしましょう。
ふあーあ、おやすみなs(ごがー)

(つづく)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

May 03, 2012

『おきゃくさん、しゅうてんですよ(にやり)』 (だい1かい)

08:55
おはようございます。
「おうごんしゅうかん」こうはんのはじまりです。
そとはあめですね。
これからでかけようというのに、きがそがれてこまります。
なんだかいやんなっちゃうな。
やさぐれて「びーる」をのみはじめます。
すなっくがしもむさぼりくいますよ。
おっと、まだ10じまえでしたね。
なんとなくしたくしてでかけましょうか。

11:59
きんじょのひゃっかてんのしょくひんうりばで、たびさきでてわたす「みやげもの」をいくつかかいもとめます。
「きぼりのくま(あそーと)」を2くみ、「おきなわけんじんおすすめのつめあわせ(にゅうせいひんふくむ)」です。
・・・なにかまちがっているきもしますが、まぁよしとしましょう。

もよりえきの「みどりのまどぐち」にて「しんかんせん」のきっぷをかいもとめます。
もちろん「じゆうせき」です。
「していせき」をかうというこういは、だらくしたげんだいじんのみにくいすがたそのものですから。(ぼうげん)

12:46
さすがに「しながわ」えきからのじょうしゃはきけんとはんだんし、「とうきょう」えきへとむかいます。
えきこうないのたちよったみせにて、いわゆる「えきべん」をえらびます。
あわせて「かんびーる」もかいました。
べんとうのないようぶつは、いかのとおりです。
◇ちゃめし
◇たまごに
◇とりにくに
◇やさいすあげ(じゃがいも、かぶ、にんじん、そのた)
◇なんこついりとりつくね
◇たまねぎに
◇ごまみそ
◇たくあん
◇うめぼし
◇なのはなのひたし
ひとつきになったのですが、すあげのなかにある「そのた」ってなんでしょうね。
まぁいいか。

13:33
「ひかり515」にのりました。
にんきのある「のぞみ」ねえさんは、じょうないしめいがはいっててむりめだったので、すこしきりょうのおとるかくしたの「ひかり」ちゃんにのりかえました。
・・・ひどいひゆひょうげんですね。
「えぬ700」けいだそうですが、ぼくにはなんのことだかさっぱりわかりません。
ひとりだけのぷちえんかいがはじまります。

・・・。
いつのまにかねむってしまい、ふとめをさますと「なごや」えきをつうかしていました。
こちらはよいてんきのようです。
にしへむかうにつれてはれているきもします。
ふたたびねむりにおちます。

やく3じかんで「しんおおさか」にとうちゃくしました。
・・・がっつりあめがふっていますね。

18:42
きいたこともないなまえのきっさてんで「ぶれんど」をたのみました。
となりのせきにすわるおねえさんのひとりは「おおいた」からきた「きゃばじょう」のようです。
ふたりすわっていましたが、ひとりは「きゃばじょう」ではない「かたぎ」のひとらしく、「きゃばじょう」がきゃくへの「えいぎょうでんわ」をかけているようすをふしぎそうにながめていました。
「ねぇねぇ××××さん、きょうたんじょうびじゃなかった? そう? やっぱり? ていうか、おめでとー、いいひだね、いっしょにいわったりとかしたいなー、え? いま? えりかはいま、おおさかなんです、ゆうがたそっちにかえるからね、それからどうかなぁって、きゃは」
どうかなぁきゃはったってな、じぶんのたんじょうびにかねをつかうのはどっちだとおもってんだ!とおもいましたが、なにもきこえないふりをしてこーひーをすすります。

ふたりのてしたどもとぶじにごうりゅうして、「とうかいどうほんせん」で「おおさか」えきにむかいます。

18:59
ひゃっかんてんの「でぱちか」てきなふーどこーとにきました。
こばらがあれなので「いかやき」と「あかしやき」をたのみます。
このびみょうなぶんりょうが、くいだおれのためのぷろろーぐですね。
「しょく」のおおうなばらへといざなう「よびみず」です。
うっかりおおさかのぎゃるがつかったかっぷにみずをそそいでいました。(もうそう)
てへぺろではすまされません。
きをつけなければいけませんね。

20:03
「おおさかかんじょうせんそとまわり」にのって「てんま」にいどうします。
えきまえはざったなはんかがいです。
じてんしゃにのったきんじょのひとが、わがものがおでつうかしてゆきます。
「てんま」1けんめとして「くしかつ」のみせにはいりました。
「なまびーる」をたのみます。
2けんめをひかえているので、「ひがわり7ほん」をちゅうもんしました。
ないようは、いかのとおりです。
◇あわじのたまねぎ
◇ぶたふぃれ
◇れんこん
◇かぼちゃ
◇なすび
◇おもち
◇(あと1ぽんはわすれました。しかも、ほかのくしさえうろおぼえです)

つぎは「かんこくりょうり」のみせにゆきます。
このみせは、ぜんかいにおとずれたときに「やまもとたろう」さんがとなりにいたときおくしています。
ぼくにはなにもみえませんでしたが。

たのんだしなは、いかのとおりです。
◇ぎゅうたんのちしゃづつみ(ぼさむきむちをそえて)
◇とんそく
◇ゆっけじゃんすーぷ
◇さむぎょぷさる(1/2さら)
◇おいそじゅ

あがっし(かんこくごで「おねえさん」)に、「しょうちゅうにきざんだきゅうりをいれてくれ」とたのみましたが、「できません」といわれました。
むねんさにうちひしがれながら、なみだをさかなにさけをあおっていると、さきほどのあがっしがてーぶるまでやってきます。
「ごめんなさい! さっきのきゅうりすらいす、やっぱりできます!」
なるほど、「きざむ」よりも「すらいす」といえばよかったのか。
ぶじにすらいすきゅうりをてにいれ、こころゆくまでのみほします。

びみょうなじかんになったので、かえるべきばしょにいどうします。
「おんせん」となのつく「せんとう」にゆきました。
ここは「じんこうたんさんせん」だそうです。
それがなににくくのかまではわかりませんね。

あるこをるをくらったあとのにゅうよくはたいへんにりすきーですが、てしたともどもとなんとかのりきりました。
おおさかでは、ふろもいのちがけです。(へんけん)
だついばにて「ぎうにう」をいっきにのみほします。

てしたのひとりが、よくじょうないをさつえいしようとして、ばんだいにすわるおかみから「かみそり」をながつけられていました。
ひくいうめきごえとともに、まえのめりにどうとたおれます。
まったくのじごうじとくですが、どうにもかばいきれないのでたにんのふりをしました。
ふろあがりのさっぱりかげんが、「ちのいけじごく」にはやがわりです。
それでも、もうひとりのてしたに、ささったかみそりをぬいてもらっていたのがほほえましかっ
です。

あしたもはやいし、さぁねるぞう。
・・・てれびで『らせん』がはじまりました。
ちかぢかげきじょうにて『さだこ3D』がはじまるまえふりなのでしょう。
きがつけば、かんびーるのぷるたぶをぷしっとひいていました。
よるはまだまだおわりませんが、きょうはここまでです。

(つづく)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

May 02, 2012

『辺野古に輝くテルミット』

<覚ヱ書キ>

朝:ハムチーズ玉子サンド、TPマフィン
昼:珈琲
夕:金平天蕎麦

◇『Twelve Y.O.』 福井晴敏(講談社)、読了。
◇帯には「大沢在昌、絶賛」とあるが、巻末の解説を読む限りでは当時江戸川乱歩賞選考委員だった大沢は福井の処女作である『川の深さは』を大絶賛した手前、前作には少し及ばないながらも本作を受賞作品に押したという経緯がある。
◇この国の「幼年期の終わり」は未だ訪れないままだ。

(了)


(改題) 『辺野古のテルミット』

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)

May 01, 2012

『ル・ブルジェ空港への救難信号』

<覚ヱ書キ>

朝:金平天蕎麦
昼:ハムチーズ玉子サンド、「瀬戸内レモン」
夕:
突出◇しらすと若布の酢の物
造リ◇鰹のたたき
揚物◇鮟鱇の唐揚げ、IPF
豚串◇はらみ、がつ、ばら、たん、かしら
一品◇塩だれ胡瓜、棒棒鶏
酒類◇DB、HB

◇表紙に「合宿免許」と印字された小冊子が卓上に置かれている。
◇何気なく手に取って、頁を開いてみる。
◇栃木の山間部にある教習所では、「入所2日目の夕食は担当指導員とホテルで食事会」とある。(掲載された写真には、複数女子に囲まれた脂ぎった指導員らしき男がひとり)
◇・・・何処か心中穏やかじゃない気がするのは、杞憂だろうか。(親心)
◇山形の内陸部に位置する自動車学校では、音楽スタジオを内包しており、教習生の特典として無料で使用可能という。
◇・・・まァそれはよしとしよう。
◇ここで出会った4人が将来メジャーデビューするかも分からんし。(プロフィールには書きづらいが)
◇他特典として、「BBQ」、「芋煮」、「ネイル」。
◇BBQはともかく、芋煮は土地柄なのだろうか、それは分からない。
◇ネイルに関しては、「専門のスタッフがメイクアップのアドバイスをしてくれて、ネイリングキットも無料で使い放題」という。
◇なるほど。
◇その中でひときわ目を惹くのが、「ウェディングフォト」。
◇え? 着ちゃう? ドレス着ちゃうですか、合宿先で。
◇但し書きとして、「ドレスのサイズ等によりご希望に添えられない場合がございます」ってそりゃそうだろうよ。
◇・・・我々は何処に向かっているのだろうか。

(了)

投稿者 yoshimori : 11:59 PM | コメント (0)